大学教員ら研究者でつくる日本科学者会議福井支部は25日、福井県庁で記者会見し「原発は極めて危険で制御できない」などとして、高速増殖原型炉もんじゅ(敦賀市)を筆頭に、全原発の運転を断念すべきだとの見解を公表。
同支部代表幹事の山本富士夫福井大名誉教授(流体力学)によると、支部は発足から約40年間、原発の危険性や環境、防災問題の研究成果を発表。この実績を踏まえ、現行の原子力行政を厳しく批判し、原発から再生可能なエネルギーへの転換などを求めることにした。
支部は今回の原発事故が、憲法が保障する被災者の生存権や幸福追求権を侵害する点や、防災装置が不十分な点を問題視。地震や津波で配管や制御装置が機能不全に陥り、大量の放射能が外部に放出されたと断じた。
山本代表幹事は「冷却剤に水と化学反応する金属ナトリウムを利用するため、緊急時に水で原子炉を冷やせない」と、原発の中でもんじゅが最も危険と指摘。全国の原発も早急に廃炉を決めるべきだと訴えた。
支部は近く、菅直人首相や西川一誠知事、東京電力など関係各所に見解を郵送する。