20110311 memo

Fukushima radiation isotope

■memo / NRC 3000ページ 福島第一原発事故 10日間の記録書

2012-02-27 | データ サイト
NRC / 米国原子力安全委員会
FOIA/PA-2011-0118, FOIA/PA-2011-0119, FOIA/PA-2011-0120 - Partial - Group Letter ZZ.
Accession Number: ML120520264
Date Released: Tuesday, February 21, 2012
3000 page
http://pbadupws.nrc.gov/docs/ML1205/ML120520264.html

<補足>
日本政府から「核燃料プールを冷やすためにプールに砂を入れたいが、いいか?」 NRCは相談を受けていた記録が記載されている。NRCは「Water, water, water!」と回答。(waterとは「水」のこと。)

■memo / 原発事故前の地価で取得 中間貯蔵施設用地で環境省検討

2012-02-26 | 日記
 東京電力福島第1原発事故による汚染土壌などを保管するため、政府が福島県双葉郡に設置を要請している中間貯蔵施設の用地取得に当たり、環境省が事故前の土地の実勢価格を目安として買い取り額を検討していることが25日、分かった。

 事故後は価格が大きく下がっており、施設受け入れで地元の協力を得るためには、土地所有者への配慮が必要だと判断した。細野豪志環境相が26日、同県郡山市で開かれる双葉郡の首長らとの意見交換会で内容を説明するとみられる。

 関係者によると、中間貯蔵施設の用地取得では、ダム建設など大型公共事業で用地買収する場合と同様、立ち退き費用や居住していた建物なども補償する方針。補償金の一部を特例的に税控除の対象とする。

 環境省は施設の規模について、土壌などの保管量を最大2800万立方メートル、必要な敷地面積を3~5平方キロと推計。市街地で用地を取得した場合、費用は数百億円規模になるとみられる。

 政府は3月末をめどに、年間被ばく放射線量が50ミリシーベルトを超える地域を帰還困難区域と定め、5年以上立ち入りを制限する方針。環境省は同区域内の土地を買い上げた上で中間貯蔵施設を建設することを想定しており、2012年度中の候補地選定、15年1月の供用開始を目指している。

引用/中国新聞

■memo / 福島第1原発事故 高濃度汚染水(310,000Bq/cm3) が漏えい 処理施設配管から10リットル

2012-02-26 | 日記
 東京電力は25日、福島第1原発の汚染水処理施設にある放射性セシウム除去装置「サリー」の配管から高濃度汚染水約10リットルが漏れたと発表。漏えい水の濃度は1立方センチ当たり31万ベクレルで、海への漏えいはなかった。

 漏えい場所は汚染水から放射性セシウムを除去する前に油分を取り除く装置の配管接続部。同日午前8時半に見回りをしていた作業員が見つけ、装置の運転を止めたところ、漏えいが止まった。東電が原因を調べている。

 また、東電は同日、福島第2原発4号機で、放射性物質の放出量予測などに利用される「緊急時対策支援システム」(ERSS)に一時的にデータが送信できない状態になっていたと発表した。

 東電は計算機の機能を確認するため、2月14日午後2時過ぎから同24日午後2時50分までERSSを停止。その後、計算機を復旧させたが、東電社員はERSSの電源を入れ忘れたという。【神保圭作】

引用/毎日新聞 2012年2月26日

<補足>
310,000Bq×10,000=3,100,000,000Bq


■memo / 環境省 福島第1原発事故 詳細線量地図を公表 双葉で89.9μSv/h

2012-02-26 | 日記
 東京電力福島第1原発事故の除染に取り組む環境省は24日、国直轄で実施する「除染特別地域」(福島県の11市町村)を対象にした詳細な放射線量調査の中間結果を公表した。同地域を線量によって3区分し、除染計画を立てるための基礎データとする。調査範囲での最高値は福島県双葉町山田の毎時89・9マイクロシーベルト(自然被ばくを除いた年間追加被ばく量は472・3ミリシーベルト)だった。

 汚染状況の把握はこれまで主に文部科学省が担当。航空機で上空から測定したデータを基に、直径600メートルの範囲の平均値を線量としていた。今回の調査はより詳細で、測定器を載せた自動車を走らせたり実際に人が測定するなど地上での測定に基づき、100メートル四方の線量分布が確認できる。昨年11月~今年1月の実測値と文科省や内閣府のデータを総合し、計約125平方キロメートルの線量分布図を作製した。

 環境省は1月に公表した除染工程表で、原発20キロ圏内の警戒区域と、その周囲の計画的避難区域からなる除染特別地域を線量に応じて3区分し、それぞれに適した除染を進めるとした。今回の調査結果を基に、3区分の境界を特定する。
環境省は3月中に最終結果をまとめる。

中間結果は環境省のホームページ
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14870

引用/毎日新聞 2012年2月25日 東京朝刊【藤野基文】




■memo / 活断層の連動 審査へ 泊原発めぐり保安院

2012-02-26 | 北海道 泊原発
■「活断層の連動」審査へ

 経済産業省原子力安全・保安院は22日、地震や津波による原発への影響を審査する意見聴取会を開き、北海道電力泊原発近くにあり、渡島半島を縦断する「黒松内低地断層帯」が北電の見解より南側に長く続いている、との論文を提出した。今後、泊原発沖の日本海周辺にある複数の活断層が連動して地震を起こす可能性を含め、耐震安全性の審査を進める方針だ。

 論文は意見聴取会の委員で、独立行政法人・産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の杉山雄一主幹研究員らが現地調査してまとめた。北電は黒松内断層帯の南端が「(長万部付近の)半島の陸域内で途切れる」との見解だったが、実際には太平洋の海底まで達するより規模が大きい活断層群だった、としている。

 これとは別に、泊原発沖の日本海周辺で、複数の活断層が連動して地震を起こす可能性が指摘されている。北電は昨年末、連動は南北に「長さ81キロの範囲内」との中間報告を示したが、聴取会では泊原発寄りの陸域近くの調査が不十分で、連動する活断層はより長くなるはず、との異論が出た。さらに「すべての活断層が連動する可能性も検討すべきだ」との見方も出された。

 杉山氏は22日の聴取会で、「黒松内断層帯について調べてみると、(北電の見解は実際より)過小だった」とし、日本海周辺の活断層についても調べる必要があると指摘した。

 保安院は電力各社に、複数の活断層が連動して大地震を引き起こす可能性を検討し、今月末までに報告するよう指示している。聴取会の議論によっては、北電は再検討を求められ、泊原発の耐震評価の変更を迫られる可能性がある。

 この日の聴取会ではほかに、泊原発の周辺斜面が大雨などで崩落する危険性について保安院が解析結果を報告。泊1、2号機の背後の斜面では土石流が起きた痕跡は確認できないなどとし、「土石流が原子炉建屋に達することはない。周辺斜面は施設の安全機能に重大な影響を与えるような崩壊を起こさないことを確認した」と結論づけた。

引用/朝日新聞 2012年02月23日
(綱島洋一)

■memo / 福島第一原発 事故調査委員会 海外専門家会議

2012-02-26 | 日記
原発事故調、海外専門家から批判続出 
2012年2月26日 02時14分(中日新聞)

 福島第1原発の事故をめぐり、政府の事故調査・検証委員会が海外の原子力専門家から意見を聞く会合は25日、2日間の日程を終えた。専門家からは、日本の原発事故への備えの甘さや、政府による「冷温停止状態」宣言の拙速さを批判する声が相次いだ。

 ●米原子力規制委員会(NRC)元委員長のリチャード・メザーブ氏は、事故現場で線量計が作業員に行き渡るまで3週間もかかったことを問題視し、「信じられない対応だ。もっと早くそろえられたはずだ」と批判した。

 ●フランス原子力安全局長のアンドレ・ラコスト氏は、1999年の茨城県東海村での臨界事故や、2004年に関西電力美浜原発で起きた配管破裂事故を例に挙げ「日本では5年に一度、事故が起きていた。大事故があるなら日本だと思っていた」と、教訓を十分に生かしてこなかったことが大事故につながったとの認識を示した。

 ●韓国原子力協会長・張舜興(チャンスンフン)氏は、政府の「冷温停止状態」宣言に疑問を呈し「原子炉内の状態を特定せずに、どうして安全と言えるのか」と、拙速さを批判した。

 事故調も、安全意識の甘さがなぜまかり通ってきたのか、今夏の最終報告で解き明かす考え。委員長の畑村洋太郎・東大名誉教授は「安全文化という考え方に真正面から向き合わなければならないと感じた」と述べた。

<補足>
東京電力福島第1原発事故の原因などを調べている政府の事故調査・検証委員会(委員長・畑村洋太郎東京大名誉教授)が東京都内で開いた国際会議は25日、閉幕

<補足>
出席者
スウェーデンのホルム保健福祉庁長官
米原子力規制委員会(NRC)元委員長のリチャード・メザーブ氏
フランス原子力安全局長のアンドレ・ラコスト氏
韓国原子力協会長・張舜興(チャンスンフン)氏
中国

■memo / 原発北西は「年50ミリシーベルト超」分布 環境省測定

2012-02-26 | 日記
 環境省は24日、東京電力福島第1原発事故を受けた警戒区域、計画的避難区域で実施した放射線量の測定結果を公表した。最高値は双葉町山田の年470ミリシーベルト(毎時89.9マイクロシーベルト)、最低値は同町中田の年5.8ミリシーベルト(毎時1.1マイクロシーベルト)。同省は測定結果を警戒、計画的避難両区域の再編や、両区域内の除染実施計画策定に反映させる。
 測定は昨年11月7日から1月16日にかけ、両区域の計9市町村の居住地を中心に100メートル四方ごとに実施。文部科学省が公表してきた航空機モニタリングと同様の汚染分布を示した。
 年50ミリシーベルトを超える地点は原発から北西方向にかけて分布。原発南側の5~10キロ圏内でも広範囲に確認された。一方、文科省の推計で年20ミリシーベルト超の飯舘村では、20ミリシーベルト以下の地点が混在していることが示された。
(2012年2月25日 福島民友ニュース)

■memo ./ 甲状腺内部被ばく: 国は、安全委の追加検査要請に対し拒否

2012-02-24 | 日記
甲状腺内部被ばく:国が安全委の追加検査要請拒否

 国の原子力災害対策本部(本部長・野田佳彦首相)が東京電力福島第1原発事故直後に実施した子供の甲状腺の内部被ばく検査で、基準値以下だが線量が高かった子供について内閣府原子力安全委員会からより精密な追加検査を求められながら、「地域社会に不安を与える」などの理由で実施に応じなかったことが分かった。専門家は「甲状腺被ばくの実態解明につながるデータが失われてしまった」と国の対応を問題視している。

 対策本部は昨年3月26~30日、福島第1原発から30キロ圏外で被ばく線量が高い可能性のある地域で、0~15歳の子供計1080人に簡易式の検出器を使った甲状腺被ばく検査を実施した。

 安全委が設けた精密な追加検査が必要な基準(毎時0.2マイクロシーベルト)を超えた例はなかったが、福島県いわき市の子供1人が毎時0.1マイクロシーベルトと測定され、事故後の甲状腺の積算被ばく線量は30ミリシーベルト台と推定された。対策本部から調査結果を知らされた安全委は同30日、この子供の正確な線量を把握するため、より精密な被ばく量が分かる甲状腺モニターによる測定を求めた。安全委は「ヨウ素は半減期が短く、早期に調べないと事故の実態把握ができなくなるため測定を求めた」と説明する。

 しかし、対策本部は4月1日、(1)甲状腺モニターは約1トンと重く移動が困難(2)測定のため子供に遠距離の移動を強いる(3)本人や家族、地域社会に多大な不安といわれなき差別を与える恐れがあるとして追加検査をしないことを決定した。

 対策本部被災者生活支援チーム医療班の福島靖正班長は「当時の詳しいやりとりは分からないが、最終的には関係者の合意でやらないことになった。今から考えればやったほうがよかった」と話す。安全委は「対策本部の対応には納得いかなかったが、領分を侵すと思い、これ以上主張しなかった」と説明する。

 国際原子力機関(IAEA)は昨年6月、甲状腺の積算被ばく線量が50ミリシーベルト程度の子供でも甲状腺がんのリスクが上昇するとして、甲状腺の発がんを防ぐためのヨウ素剤服用基準を100ミリシーベルトから50ミリシーベルトに引き下げている。30ミリシーベルト台はこれに近い数字だ。

 東京工業大の松本義久准教授(放射線生物学)は「データに基づけば、福島で実際に甲状腺がんが増えることはないと思う。しかし当時精密に計測していれば住民の安心につながっていた」と指摘している。

■memo / まきの灰から24万ベクレル 福島の民家で高濃度検出

2012-02-24 | 日記
 環境省は24日、東北と関東8県の一般家庭65世帯で使われた、まきや灰を調べた結果、福島県の南相馬市で1キログラム当たり24万ベクレル、川俣町で16万3千ベクレルという高濃度の放射性セシウムを検出したと発表した。2世帯は、自宅周辺で採取したまきで風呂の湯を沸かし、残った灰からセシウムが検出された。

 10万ベクレル超の廃棄物は、壁や底面を鉄筋コンクリートで固め、雨水の流入を防いだ遮断型処分場で管理する必要がある。

 通常の廃棄物と同じように埋め立てられる「8千ベクレル以下」の基準を上回った世帯数は岩手3、宮城1、福島8、茨城1で、検出源はいずれも灰だった。
(共同)

引用/東京新聞

■memo / いわき市 こどもの甲状腺の被爆 最高35mSv/y

2012-02-23 | 日記
東京電力福島第一原発事故の影響による子どもの甲状腺の被曝(ひばく)問題について、内閣府の原子力安全委員会は21日、昨年3月下旬に福島県いわき市で実施した検査で、甲状腺の局所の被曝線量が最高で35ミリシーベルトだったという評価値を公表した。

 現地対策本部は昨年3月下旬、安全委の助言に従って、福島県内で子ども1080人に対する甲状腺検査を実施した。安全委の公表資料では、いわき市の137人(0~14歳)のうち、11人の線量は5~35ミリシーベルトと高かった。2番目は25ミリ、次が21ミリシーベルトだった。政府は当時の検査は精度が低いとし公表していなかった。

 ただし、国際原子力機関(IAEA)の甲状腺被曝を防ぐために安定ヨウ素剤を飲む基準は1歳児で50ミリシーベルトで、これを上回る結果はなかった。

 20日に公表された福島県民健康管理調査では、全身に体の外から浴びた被曝線量の評価値は、一般県民の最高で23ミリシーベルトだった。今回は甲状腺の局所的な被曝線量を評価したもので、国際放射線防護委員会(ICRP)の計算式では全身の外部被曝線量に換算するときには、25分の1になる。

引用/朝日新聞

■memo / 積算線量最大23ミリシーベルト 避難住民の行動記録基に先行調査

2012-02-21 | セシウム137
 福島第1原発事故による被ばくを調べるため、県民健康管理調査事業を実施している福島県と県立医大は20日、浪江町や飯舘村などから避難している住民を対象にした先行調査の結果をまとめた。昨年3月11日~7月11日の4カ月間の推計外部被ばく積算線量は、全体の42.2%が1ミリシーベルト以上になり、最大は23ミリシーベルトに達した。
 今回の対象になったのは川俣町山木屋地区、浪江町、飯舘村の計9747人で、全住民の33.5%に当たる。結果は1ミリシーベルト未満が5636人(57.8%)、1ミリ~10ミリシーベルト未満が4040人(41.5%)、10ミリシーベルト以上が71人(0.7%)となった。20ミリシーベルト以上は2人。未成年の99.9%は10ミリシーベルト未満だった。
 推計積算線量の基になったのは、住民が書いた当時の行動記録。県健康管理調査室によると、10ミリシーベルト以上の71人はいずれも昨年3月11日~7月11日のうち3カ月間以上、自宅に滞在していたという。
 県はまた対象地域の住民のうち、仕事で放射線を受ける可能性がある721人についても別に調査。その結果、24人が10ミリシーベルト以上になった。最大は47.2ミリシーベルトで、原発敷地内で仕事をしていたケースだったという。
 県民健康管理調査検討委員会の座長を務める山下俊一県立医大副学長は「健康に影響があるとは考えにくい」などと説明した。
 福島県の県民健康管理調査は全県民が対象。行動記録などのアンケートに回答した県民は先月31日現在で、全県民の21%に当たる43万1720人にとどまっている。

2012年02月21日火曜日

■memo / 島根原発 シビアアクシデント訓練

2012-02-17 | 島根 島根原発
中国電力島根原発(松江市)の事故を想定した原子力防災訓練が16日、松江市の島根県原子力防災センター(オフサイトセンター)などで開かれた。鳥取県と境港、米子両市も初めて参加。それぞれの担当者を島根県側の災害対策本部などに派遣し、連携の取り方を確認した。また、鳥取県独自で、放射線量のモニタリング調査や避難者に付着した放射性物質の調査、ヨウ素剤を処方する訓練も実施した。

 訓練は、島根原発2号機の外部電源が喪失したという想定で行われた。

 午前8時、島根原発から連絡を受けた鳥取県、境港、米子両市は、担当者を島根県庁へ派遣。午前9時半から、島根県や松江市などの担当者が集まる連絡員会議に出席し、中電の担当者から事故状況を聞き取った。会議後、衛星携帯電話などを使い、県と両市の災害対策本部に報告し、連絡体制の確認をした。

 午前10時半には、経済産業省原子力安全・保安院や立地自治体の担当者が集まり、住民避難などを協議するオフサイトセンターの現地事故対策連絡会議に参加。各担当者は、放射線量を測るモニタリングの実施や、住民への避難措置の準備などを報告した。両県の知事もテレビ会議をし、避難ルートの確保や、住民避難で協力していくことなどを確認しあった。

 午前11時45分、内閣総理大臣が緊急事態宣言を出し、避難指示が発令された、として訓練は終わった。訓練後、米子市の王島茂・防災安全課長は「事故発生時の島根県側の初動対応が分かったことは良かった。連絡もスムーズにできた」と振り返った。

◆体制づくり 待ったなし

 初の訓練では、課題が浮き彫りになった。県危機対策・情報課の内田義則参事は「距離の問題が大きい」と話す。今回は、訓練のため、前日から松江市入りしていた。「県西部から先発隊を派遣する体制をとってはいるが、より早く現地に入るため、東部から防災ヘリで移動することも検討しなくてはいけない」

 境港市環境防災課の川田潤主任は「事故に関する中電側の説明は分かりやすくて理解できたが、市の災害対策本部に説明する時は、トラブルの状況と危険性を判断し、簡潔に伝えることが難しかった。自分たちも勉強や経験を重ね、力をつけていかないといけない」と話す。

 内部被曝を予防するヨウ素剤については、小学生未満に飲ませる内服液に既製品がない一方、性質的に作り置きもできない。現場では、「そもそも、誰がどのような基準で投与の指示を市民に出すのか」という指摘もあった。

 スクリーニングも、今回は、自分で歩ける人だけだったため、「重傷者や高齢者の対応はどうするのか」などの意見が出た。訓練では、より専門的な除染をするため、けがをした男性を救急車で搬送する場面があったが、県内には、被曝医療機関自体がまだない。

 今回の訓練は、国の防災対策の重点地域が原発から30キロ圏に拡大されるのを見越して、両県で実施された。鳥取県では、事故を想定した住民避難計画を策定中で、広報の方法、移動手段、避難所の運営などについて、各担当部局での課題の洗い出しが続く。今後、地域防災計画の改定も必要となる。

 訓練の最後、平井伸治知事は「今日出た課題を、地域防災計画の策定に役立ててほしい」と職員に呼びかけた。

◆ガーゼで顔拭き除染 内部被曝にヨウ素剤

 倉吉市の県中部総合事務所では、中、西部総合事務所の福祉保健局職員らによる緊急被曝(ひ・ばく)医療活動の訓練があった。消防や市町村の保健師ら約50人も見学した。

 放射性物質の付着を調べるスクリーニングの訓練では、防護服を着た医師や放射線技師が、避難者役の県職員7人に対して、頭の先から靴の裏まで放射線量を測るサーベイメーターをあてた。

 顔が汚染されたという設定の男性は、保健師の指示にしたがってガーゼで顔を拭き取り、綿棒で鼻の入り口をぬぐう除染をした。服が汚染されたとする女性は、カーディガンを脱いで袋に入れ、保健師に預けた。

 吸い込んだ放射性ヨウ素による内部被曝を予防するため、事前に飲むヨウ素剤については、親子や妊婦などを演じる県職員13人に対し、薬剤師が調剤した内服液や、既製品の丸薬を処方する訓練をした。保健師は、乳児を抱えた母親に24時間は母乳を控えるように指導し、副作用を心配する妊婦には、産婦人科で検査を受けるように助言した。(佐藤常敬、西村圭史)