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サイプレス

鬱病になり不安定な毎日。今は宝塚熱が再燃して、これがいい処方箋になっています。

映画 NINE

2010年04月17日 | 映画
封切られて、そろそろ一ヶ月。
早く観にいかなきゃ・・・と、思っていた映画「NINE」に行って参りました。

イタリアの巨匠フェディリコ・フェリーニの映画「8 1/2」元に
ブロードウェイでミュージカル化したものが、大ヒットした。
日本でも、日本版で上演されていたけれど、主役の男性が「監督」のイメージと
私には思えなかったので観ていない。
でも、気になっていたのだ。

で、肝心の映画ですが大きなストーリーを求めると退屈に感じられると思う。
いい意味でのヨーロッパ的な曖昧さが出ている作品なので、反対に
このストーリーがブロードウェイで受け入れられたことの方が私にとっては驚き。

出演者の豪華さばかりに目が行く映画だけど、音楽もいいしダンスシーンもいい。
本当にこんな舞台が観てみたい!!(笑)
と、思わせてくれるような映画です。
映画ファン・・・というより、舞台が好きなにはお勧め。

イタリアの景色もふんだんに楽しめてイタリア好きの人にもいいかも?

出演者は、豪華すぎてなんとも言えないけれど、ソフィア・ローレンの大物感と
ジュディ・ディンチのお芝居は出演シーンは僅かなのに記憶に残ります。

カティンの森

2010年01月11日 | 映画
2007年 ポーランド作


ポーランドが、独立国家になったのはごく最近だ。
東欧が崩壊して、どこの政治的影響も受けなくなったのは、共和国となった
1989年だ。

ポーランドは、昔は繁栄を極めていた国だったけれど、18世紀に
若い頃には帝政ロシアの「エカテリーナⅡ世」の恋人だった「スタニスワフⅡ世」時代にその国を失って、
プロイセン・帝政ロシア・オーストリーによって
分割されてそれぞれに統治される形になったのだ。
その時から、ポーランドは分断された国家になったのだ。
有名なショパンの「別れの曲」は故国を離れる時に書いたもので、
これ以降帰国できなかった彼の気持ちはどうだったのだろう・・・・。

80年代のポーランドからのニュースは、「連帯」を指揮している
「ワレサ委員長」だ。
ニュース映像で、彼が民衆に向って演説していた姿は今も記憶に残っている。
子供だったので、何がなんなのかよく判らなかったが、投獄されても
戦う・・・のはすごいと思ったのを覚えている。
とにかく、ソビエト連邦が不気味で恐ろしく感じられていた私には、
ポーランドと言う国名を持ちながらも、ソビエト影響下で反政府運動を
することが素晴らしく思えたのだった。

で、この時期民主化の象徴として「ワレサ委員長」と「アンジェイ・ワイダ監督」
が、世界のニュースで取り上げられていた。
監督の代表作は「灰とダイヤモンド」ただ、私が学生の頃は、映画よりも
彼が国内に帰れず外国で映画を作っているというイメージが大きい。
常に民主化を訴えていた。

今回見た映画「カティンの森」は、実際に起きた大戦中の事件で、
ソビエトによる捕虜の大量虐殺のお話。
虐殺の命令を出したスターリンとそれを執行していく人たちの
残忍さに悲しみを覚えつつ、この人たちと自分が多分大して変わらない人間で
あることを考えれば、自分に自分が恐ろしさを感じたのでした。

そして、残された家族も又全く自由を享受できない中で、
戦中・戦後をどう生きていくかのそれぞれの選択がとても難しく、生きていくことの
困難さを、また、この状況で「信じて待つ」ということの残酷さ・・・改めて感じ入った次第です。

※監督のお父様も「カティンの森」の犠牲者で、このことを描くまでに
政治的な背景だけではなく、きっとかなり時間を要したのだろうなぁ~と
勝手に想像しています。


ボルベール〈帰郷〉

2009年11月07日 | 映画
2006年のスペイン映画。ペドロ・アルモドバル監督


自分の中では、当たり外れの大きいアルモドバル監督。
この映画は、自分の中ではヒット。

物語は、スペインの田舎町で暮らしている主人公がとある事件に
遭遇して、自分の母親との関係や子供との関係を見直す・・・と、
まあ、単純だといえば単純なんだけど、それをちょっと複雑に
見せてしまうのはこの監督らしい・・・と思う。
どこの国でも母親が娘を心配する姿が、微笑ましい。

母娘三世代が織り成す展開。
主役のペネロペは、この役の為に6キロも太ったと言うが、
正直これくらいの方が綺麗なんだけど・・・。(笑)

彼の映画の特徴である色使いの綺麗さはこの映画でも発揮されていて、
原色と原色のコラボは美しいです。それに負けていない、ペネロペは
もっとすごいですが・・・・。

2009年ネスカフェのCMでのペネロペ

美しい妹

2009年11月02日 | 映画
2001年 フランス
憎しみさえ持つのでは?と思う双子の姉妹の話。

お堅い姉と、ちょっとクレイジーで軽い女と思われている妹。

自殺した妹の代わりに、妹をかたって歌手への道をめざしはじめる姉。
妹の真似をしようとしても、誤魔化しきれない自分との葛藤が
最初はあるようにも感じたけれど、ちょっとCDをだしたり成功し始めた辺りから
妹と大して違わない行動をとる姉。

けれど、最後にはやっぱり妹にはなれず・・・。
当たり前の話といえば話なんだけど、ちょっとストーリーがこんなことを
描きたいんだろうな・・・と、想像させるのだけど、イマイチ
消化不足な感じ。

みどころは・・・・、主役を演じたマリオン・コティヤールの若いときが観られる・・・くらいかな?(笑)

彼女は、「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」でアカデミー賞をとった女優で
フランス人ではシモーヌ・シニョレ以来約50年ぶりの受賞となった女優。
ハリウッド的ではないので、これからの動向が楽しみといえば楽しみ。


ただ、今、無料で配信されている同年のフランス映画「アメリ」がほっこりする。(笑)
GyaO!

宮廷画家ゴヤは見た

2009年11月02日 | 映画
2008年公開

宮廷画家ゴヤは見た

スペイン王の宮廷画家でありながら、民衆の絵も描いているゴヤ。
西洋での絵は、貴族のものだったから神や貴族を描くものだったけれど、
強固なカトリックの戒律に縛られていたなかでもルネサンスな要素を
個人的には感じているゴヤ。

そんなゴヤの目を通してみる全くのフィクション映画。

宗教裁判を推し進め異端審問を推進する神父と、異端審問にかけられた女性の
数奇な運命の恋物語。

なんだけど、監督がチョコ出身で確か「プラハの春」の騒動でアメリカに
行った経緯がある人?(うろ覚え)・・・とにかく、東側の出身の人なので、
異端裁判の描き方は、東ドイツの「シュタージュ」などの市民を縛る機関そのものに
見える。

まあ、神様というものに一言一句逆らってはいけない・・・、と言う部分と、
旧東側の革命の信条という誠に不確かなものに一言一句逆らってはならないというのは、
似ているのかもしれない。
そういや、昔のポーランド映画の「尼僧ヨアンナ」もカトリック修道院に
舞台は設定していたけれど、観た人間が感じたのは東側の持つ生活上の
閉塞感と重苦しさだった。

そして、今も世界にはこんな国が存在している。
息をするもの苦しいそうな国があるのだ・・・・と、ちょっと考えさせられる。

で、映画に話を戻すと、とても極めて人間的な聖職者の生き様が興味深い。
これを恋物語というのか私は、最初に断定してしまったけれど、
ちょっとためらいが出ちゃう・・・・ようなお話。

沈まぬ太陽

2009年08月08日 | 映画
今、テレビで「クライマーズ・ハイ」をやっている。

御巣鷹山に墜落した日航機事故の報道に関わった地方新聞社の
お話だ。
大マスコミに対する苛立ちとジレンマ、そして自社に対する
苛立ちを描いている。

この前代未聞の航空機事故は、記憶に残っている人も多いだろう。
次々と送られてくるテレビの映像や、新聞を読んですごいなぁ~
と、感心することしきりだったことを覚えている。

この感情が変わったのは、震災を経験したとき。
こっち、着たきりすずめで先が見えない中にいるのに、とある新聞社の
記者は黒塗りの立派な車に乗って取材に来ていた。
おまけに、当時の私が見ても私より若い若造だったのを見て、
何がわかるねん!!と、思ったものだ。

それに、無遠慮に向けられるカメラの数々。
一番イヤだったのは、テレビカメラに捕まっている時だった。
私は、若くて色んな場面をうまく対処できなかったし、そんな場面になると
必ずどこかからテレビカメラが湧いてきて、自分の一言が
怖くて、何も言えずにただただ、黙っているだけだった。
結果的には、良かったのだと思うけれど、あの経験でマスコミの存在の
あり方に疑問がわくようになった。

報道のされ方も、必ずその会社のバイアスがかかることも
この時知った。
それでも、自分に関係の無い問題は、マスコミ報道に頼るしかなく、
自分の経験を踏まえて、もっとこうなのかなぁ~と、想像するくらいで
それから先に考え方が進むわけではない。

でも、「クライマーズ・ハイ」を観ていると、こんなことを忘れさせてくれる。
あ~~こんなに現場の人は頑張っていたんだなぁ~と、素直に
感動してしまう。
多分、そこには、事故と言う事実を踏まえながらも、小説であり、
映画だからだと思う。

で、この秋には「沈まぬ太陽」が公開される。

この本が出版された時、先輩に勧められて読んだ本だ。
日本航空で、労働組合活動のおかげで外地に飛ばされて、あげくアフリカに
赴任していた主人公(実在している)は、この事故の時、急遽日本に呼び戻されて
会社から、遺族に対する対応を求められて彼はそのことに従事するのだ。
500人からの遺族の対応は、本当に大変だった思う。
航空機事故だったので、遺体の破損がひどく、また無かった人もいたし、
夏の暑い盛りだったので、1日で4~5センチの蛆がわく・・・過酷な検視
(このあたりは、当時検視をしたDrが取りまとめて数年前に出版している)
を終えたご遺体なのだ。

こんな状況に投げ込まれたら、私ならどうしただろう・・・・。
家族に寄り添いたいと思いながら、自分の未熟さに、自分に失望してしまうだろうな。
でも、この秋の映画は楽しみだ・・・。

原作の山崎 豊子の「沈まぬ太陽」も良いので、是非!!

それでも恋するバルセロナ

2009年07月12日 | 映画
今日は、午前中は洗濯とお掃除。
お掃除は、ここ何年もしっかりしていないから、ほんと恥ずかしい限り・・・。
でも、四角い部屋をま~るく掃除する。

お昼から、ウッディ・アレン脚本の「それでも恋するバルセロナ



スカーレット・ヨハンソンやペネロペ・クルスが繰り広げるラブコメ。
ストーリーは、三人の女性と一人の男性を中心にまわっていく。
三角関係ならぬ、四角関係。

見所は、タイトルにも入っているバルセロナの風景。
まるで、観光案内ビデオのようだ。(笑)
きっと、行かれた人や、行ってみたい人には堪らない!!景色が広がる。

そしてハリウッドを代表する女優の一人、スカーレット・ヨハンソンの美しさと、
ペネロペ・クルスのスペインを代表するような美しさ。
ペネロペに至ったては、あの綺麗なお顔で「くそったれ」とか「売女」とか
他にも訳せないくらいの言葉を使っての熱演ぶり。

ストーリーは、考えれば重い話題なのに、軽妙なところがウッディらしい。

使われている音楽も、スペインギターやちょっと軽めのテーマ曲なのも
この映画をあらわしているような気がする。

ベンジャミン・バトンとマルタのやさしい刺繍

2009年06月21日 | 映画
去年公開された、「ベンジャミン・バトン」をやっと観た。

ご覧になられた方も多いと思う。このストーリーの面白さは、
生まれたときは80歳の老人のような赤ちゃんで、段々若くなり、
子供になっていく・・・という、発想の面白さに惹かれていたのだけど、
これが公開されていたときの休日は、外に出る元気すらなく、
家でぼ~~っと過ごしていたので、DVDで、みようかなぁ~と、
思っていた。
ちょっと古い映画や、単館ものを扱っている映画館で
上映しているのを見つけて、今日は朝から映画鑑賞となった。

ベンジャミン・バトンは、80年の人生を2時間40分で描くので
本当にあっという間に流れてしまってのだけど、途中私には単調に感じられた
部分もあったりして、少しウトウト。(笑)
気がついたら、話が飛んでいた。(笑)

でも、家に居たらぐっすり寝てしまって、また、夜寝られなくなるので、
良かったかな?

もう一つの「マルタのやさしい刺繍」が今日のお目当ての映画。
初めて見るスイス映画。
スイスは、スイスドイツ語・フランス語をはじめ数種の言語が
一つの国に存在しているので、ドイツ語圏に行けばドイツ語、
フランス語圏に行けばフランス語表記・・・・という、誠に
ヨーロッパ的な地域。
映画も、中々国中をあげてヒットすることが難しい地域と言われているのだけど、
この映画は、06年スイスでハリウッド系を押さえて1位になったと
聞いていたので、これを見たかったのだ。

夫を亡くして、何もかもやる気をなくした80歳のマルタが、
昔から夢だったランジェリーショップを始めようとした時から、
彼女の人生が変わる。
田舎の村の人たちの冷たい目や、家族の無理解に戸惑いながら、
どんどん毅然としていく彼女。

ストーリーは、全然ちがうけれどイギリス映画の「カレンダーガール」に
通じるユーモアを全編に感じるほのぼのとした作品でこちらの
映画の方が私には好みで、断然良かった!!

マンマ・ミーア!!

2009年02月22日 | 映画
今日は、友人と映画鑑賞。

本当に、休みの日に注意はいるけれど、お出かけできるように
なったのは、幸せ。

見た映画は「マンマ・ミーア!!」
70年代世界を席巻した、アバの名曲の数々にあわせて進む、
ラブコメデイー・ミュージカル映画。

ダンスミュージックを聞くと、踊りだしたくなるディスコ世代。
友人に今日は、踊らないのよ!!映画よ!!と、諭される私。(笑)

主役は、メリル・ストリープ

彼女は、59歳なんだそう。
でも、とってもキュートでダンスも上手い!!と、思ったら、
ブロードウェイ出身だったんだ。

わたしの中の、イメージは、優等生的な女優。
私が、見た最後は、マディソン郡の橋・・・・だったような・・・。
ハリウッド系の、異常なボディの鍛え方でないのも、私は好きだな。
ハリウッド系は、私からみるとサイボーグにみえる。(笑)

でも、でも、今回のストリープは、全然違う!!
めちゃお茶目。
それでいて、母親としての感情がよく現れていて、素敵だった。
娘役の女の子が可愛くて、作者を忘れたけれど、とある画家の
描いた「アフロディーテ」に似ているな・・・、と思うのだけど、
作家が思い出せない。(笑)

ギリシアロケも素敵で、エーゲ海に又行きたい!!
海の色って、その場所その場所に色と香があるんだよね。

あ~~また、旅行行きたくなったよぉ~~。

DANCING WITH LIVES

2009年01月17日 | 映画
今日は、神戸にとっては忘れられない震災のあった日である。
あの日から14年。

神戸では、各地で追悼イベントが行われているが、
私は、今はまだ行けない。
自分の許容量をはるかに超えることが、色々あって、
今もまだ整理されていない。

カウンセリングでも、この件は避けたいと申し出て、今まで
話したことがない。

個人的には、忘れたいという気持ちと、ほっておいて欲しい気持ちが交錯し、
それでいて、震災を忘れてはいけないと言う気持ちもあって、
なんとも言えず複雑なのだ。

で、朝は中心地を避けるように、須磨の多井畑へ行ってきた。

写真は、こちらで・・・・。


昼からは、同級生を追ったドキュメンタリー映画を鑑賞。
久しぶりに、降りた新長田駅近所は、再開発が進み、
震災当時のあの光景は想像できないほどに変わっていた。

映画は、DANCING WITH LIVESと言うタイトル。

彼女は、震災当時、NYに住んでいたのだが、震災で、両親と弟の
家族すべてを失っってしまったのだ。

映画の後、監督がどうしてこの映像を作ったのかお話をしてくださった。

監督と彼女の出会いは、それ以前に遡り、ルームシェアをしてくれる人を
募集したところ、彼女が連絡してきたらしい。
で、NYというところで会ったにも関わらず、生まれ育った所が
歩いて20分もかからないことに、お互いびっくりして、
すぐに決めたのがはじまりだったという。

そうして、震災があったとき、監督は何も知らなかったらしい。
彼女から、神戸でなにか大変なことが起こったみたいだけど
何か知らないか?という連絡で初めて震災があったことを知ったのだそうだ。
すぐに領事館に行き、1キロにわたって家が燃えているとか、という
外電の束をみて、即帰国を決意したのだが、監督の家族とは連絡が
ついて、家族から今は帰ってくるなといわれたらしい。

でも、彼女の家族とは連絡がつかないので、監督は自分の家族を
その住所地に行って調べてくれと頼んで、自分の家族から戻ってきた情報を
彼女に言えずに、「とにかく、日本に帰れ!!」ということで帰国を
促した。

そして、彼女はとても辛い現実を突きつけられた。
神戸で色々あった彼女は、NYで初めての舞台へ向けての練習中で
公演に間に合うようにNYに戻ってきた彼女の姿をみたとき、悲しいとか
そういった人間の感情がないのを感じたことと、
マスコミが流す情報に疑問を感じて、カメラを向けるようになったらしい。

その後の、彼女はマンハッタンで暮らしながら、日本にいるより
(NYにいると自分と家族が離れているのが当たり前のことだったので)
NYがいいと、語っていた。

でも、NYのテロを経験した彼女とご主人は、飛行機が低く飛んでいるだけで
不安になった・・・。
今は、週末を子供と一緒に郊外で過ごしているらしい。


私は、その撮影を受け入れた同級生がとても強く感じられて、羨ましかった。
そして、彼女が映像の中で語った「人生は厳しい」という言葉と、
彼女のお母様が、言葉や態度で示した人生に対する考え方を彼女が
そのまま実行しているように思えて泣けてしまった。

最後に、ご主人が子供に「思うようにいかないこともある」
と語っている言葉に深い意味を感じた。

いい作品なので、チャンスがあれば見ていただきたいです。