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旧★キャバリアのふく★ブログ

ニセモノとホンモノ。

2006年06月24日 | 子供プロジェクト
みなさんこんにちは!
ワンポイントストアドットコムスタッフブログへようこそ!

以前、インスタントは所詮インスタント。
という記事を書きました。
そうしたら「インスタントもおいしいのよ~」という意見を
チラホラといただきました。

確かに。
「所詮」という言葉は、適切でなかったかもしれません。

インスタントコーヒーは素晴らしい飲み物であるが
コーヒーではない。というようなことが言いたかった訳です。


以前、書道家の吉川壽一氏が
ブログ開運ひと文字
こんなお話に触れてらっしゃいました。
うろ覚えなので、正確ではないかもしれませんが・・・。

パリのチャイニーズは殆どが南米や東南アジアからの移民が作っている
「中華風」の食べ物であって、中華料理とは程遠い。
これはどうにもこうにも食べられない、というツーリストに、
料理人の方が、
「確かにそうなんだけれども。○○風というのは、その国で
毎日料理を作り続けている料理人によって、独自の進化を遂げ、
○○風とは別の、オリジナルになって行く」と言う様なことを
仰ったそうです。

吉川氏は、模倣が本物を越えて別の本物になるということは有る、と
締めくくっていらっしゃいました。

わたしもそう思います。

が。注意したいのは、
模倣が本物を越えたときには、“別の”本物になるという部分です。

例えば。
先ほどの吉川氏のエピソードなら、
パリの中華は、中華料理のスピリッツを持たない人が
似たようなモノをつくるところから始まるのですが、
彼らなりの工夫や修練、経験によって、
パリの風土に適応した「パリのチャイニーズ」として独立する。
ということだと思います。

ですから、パリのチャイニーズはパリのチャイニーズであり、
これを食べたからといって、中華料理を経験したとは言えない。
それは別のモノなんだ、ということです。

また同時に。
模倣が別の本物として独立(確立)した時には、
「これはホンモノか?ニセモノか?」
「本場の中華と比べてどうだ?」といった議論は成立しない、
そんな会話はナンセンスってことになります。

わたしがキライなのは、
「本格シェフの味」を、あたかも「これさえ食べれば“わかる”」のような
印象を与える「広告」であって、
インスタントそのものを否定している訳ではないんです。

食品の開発の大変さは、よくいろんなところで聞きますし。
おそらく、「本格シェフの味」に協力するシェフは
開発担当者さん達の熱意に、「ではやってみましょう!」と
思わずにいられないんだと思います。
本当に大変ですもの。
日本の高い高い技術が、それによって育まれて行くことも事実。

真摯なメーカーの取り組みと、シェフの心意気なくして
商品化はありえないでしょう。

それは賛同です。
食べる時には、有り難く頂きたいと思います。

それがホンモノと比べてどうとか、
そんなことは言いませんし、
それを食べたからといって、
お店に行くのが馬鹿馬鹿しいなんてことは
ナンセンスだと思っていますけど。

そんな感じです。

伝わりますか?