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中小企業診断士 福田 徹 ブログ

経営コンサルタント・中小企業診断士・ビジネスファシリテーターによる経営者・起業家・管理者向けブログ

埼玉西武ライオンズは進化し続ける

2009年01月09日 | 福田徹の経営
 皆様おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。1月9日金曜日、現在朝0時です。まだ、降り出してはいませんが、今日の東京地方は、夜半過ぎから雪の予報が出ています。


 さて、今日は西武ライオンズの話題です。

 先頃西武ライオンズは、ロゴ・ペットマークの変更を発表しました。また、西武ホールディングスは、西武ライオンズの株式をグループ内で移動させることを発表(PDF)しました。

 ロゴ・ペットマークの変更は、イメージカラーの変更を伴い、球団は変更の意図を以下のように説明します。

  

「30年間の間に変遷を重ねてきたライオンズブルーが、伝説を紡ぐ青「レジェンド・ブルー」へと進化いたします。球団創立60シーズン目にあたる2009年、西鉄時代の黒、そして西武時代の青が融合し、ライオンズは新たな栄光を築いていくことを目指していきます。」

 これは、西鉄ライオンズ以来の「ライオンズ」としての歴史を再認識することで、「西武グループ」もしくは堤義明氏の球団から、より埼玉や九州といった地域に根付いた地域の球団としての新たな出発を誓ったものと考えられます。

 
 また、西武ホールディングスは、今までプリンスホテル(旧コクド)が持っていた株式会社西武ライオンズの全株式を西武鉄道株式会社に移動させた目的を以下のように説明しています。

「西武ライオンズの本拠地「西武ドーム」が西武鉄道沿線にあり、かつ所有も西武鉄道であること、
また、本年、西武ライオンズがチーム名に「埼玉」を冠する等地域密着を強化していることなど、
野球事業と鉄道事業は密接な関係にあることから、西武ライオンズを西武鉄道の子会社にするこ
とにより、両社の連携を深めて、シナジー効果をさらに発揮させるため。」

 これは、西武ホールディングスが球団経営をより、地域密着型にシフトしていると言うことを示すとともに、この企業グループが堤氏の個人経営から株式支配による組織立った経営体制に変化を遂げたことを示しています。


西武線車内の中吊り広告

 No Limit!、こうして新しい組織体制と新しい方向性がはっきりすると、今年の西武ライオンズはアジアを征した昨年よりさらに強くなる。そんな気がしています。


※関連記事:企業が変化する瞬間:西武グループ西武鉄道新CI駅舎~入間アウトレットライオンズ優勝と西武グループの変化本当に変わった西武鉄道、西武ライオンズは進化し続ける

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「ピンチはチャンス」の年が始まります

本当に変わった西武鉄道

2009年01月06日 | 福田徹の経営

 おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。1月6日火曜日、今日の東京地方は晴れの予報が出ています。

 さて、今日の話題は西武鉄道グループについてです。

 このブログでは、昨年8月以来西武鉄道とそのグループ企業の変化について考察してきました。(文末の※注を参照)
 ここまでは、新しい鉄道車両プロジェクト、CI戦略、子会社西武球団の変化について見てきました。今回は、中刷り広告で見つけた西武鉄道の変化について考えてみます。


2009新春スタンプ&クイズラリー(西武鉄道サイトPDF)

 西武鉄道は従来から、沿線のハイキングの案内冊子などを配布したりしています。ハイキングのイベントなども地元との共催などで多く行ってきました。
 このポスターの2009新春スタンプ&クイズラリーは、西武鉄道の単独開催、独自の新しい(一部昨年から)企画です。


新春!大福(おおふく)きっぷ(西武鉄道サイトPDF)

 顧客が自分でシールを貼って、好きな行き先のきっぷを作るという新しいきっぷ企画です。よく言えばまじめ、悪く言うとお堅い鉄道会社であった以前の西武鉄道ではあり得なかったであろうきっぷ。
 このポスターを初めて見たとき、私はこの会社が本当に変わったのだと思いました。





 西武鉄道は、グループ理念に「地域社会の発展への貢献」を謳い、グループ宣言では「お客様の行動と感動を作り出す」としています。

 また、西武鉄道広報要覧によると、「お客様・地域と歩む」ために、イベントや広報活動を行うとしています。

西武鉄道広報要覧(抜粋PDF)


 先述の2枚の中吊り広告を見ると、独自の広報活動やイベント、新しい企画きっぷなどが「顧客感動を創造する」という理念とずれていないことがわかります。
 そして、これまでこの企業になかった発想のきっぷを新たに販売していることは、この企業がかつてのカリスマ・ワンマン経営者のトップダウンの経営から、理念と行動指針に基づいたボトムアップの経営に遷移し、立ち直りつつあることを示しています。


 ここ数年の同社と同グループの変化は、とても興味深いものがあります。今後も注目していきたいと思います。今回は、西武鉄道とグループの変化について考えました。


※関連記事とこの記事のカテゴリー
ヤギが草刈りをする駅~西武鉄道武蔵横手駅
本当に変わった西武鉄道
企業が変化する瞬間:西武グループ
ライオンズ優勝と西武グループの変化
西武鉄道新CI駅舎~入間アウトレット

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「ピンチはチャンス」の年が始まります


仕事始めがチャンスです

2009年01月05日 | 福田徹の経営

 おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。1月5日月曜日、今日が仕事始めの方も多いことと思います。元日にも書いたことですが、今年はピンチではなくチャンスの年です。明るい一年を、仕事始めの今日からスタートしたいものです。

 我が社の将来を切り開くためには、我が社の具体的な将来像と、それを実現するための行動計画が必要です。

 具体的な将来像とは、皆さんの頭に中にある会社の未来の姿を、顧客・取引先・従業員・金融機関にわかりやすく、言葉や数値で具体的に示すものです。行動計画とは、その将来の我が社を実現するために必要な優秀な人材であったり、土地・建物・設備や店舗であったり、それらを得るための資金などを確保する算段のことです。

 このようなことは、年の初めで、世の中が本格的に動き出す前のこの時期に始めるのが一番です。日常に埋もれてしまう前に、将来への算段を始めてみませんか?



※お勧めの参考資料:今すぐやる経営革新(中小企業庁・無料PDFダウンロードまたは冊子請求)


とてもわかりやすく、すぐに取り組める内容です。


「ピンチはチャンス」の年が始まります

2009年01月01日 | 福田徹の経営

 新年あけましておめでとうございます。中小企業診断士の福田徹です。2009年1月1日、私は新しい年を京都で迎えています。
 皆様、昨年は皆様に大変お世話になりました。今年もよろしくお願いいたします。

大晦日の清水寺

 さて新しい年は、昨年末のいやなムードを入れ換えて明るい年にしたいものです。本日はそのための提案をしたいと思います。

中小企業経営者の皆さん、今年はチャンスの年です。
 年末はお疲れ様でした。経済は最悪の様相を示しており、御社の経営も厳しさを増していることと思います。
 しかし、こんな時だからこそできることもあります。たとえば、人の採用です。大企業は、軒並み採用を減らし、人減らしを行っています。こんな時は、我々中小零細企業にとって、優秀な人材確保のチャンスです。新卒でも中途でも、我が社の将来のために採用するなら今がチャンスです。
 不況のただ中では、ものが売れないから価格が下がります。我が社の将来のために必要な設備投資も今がチャンスです。
 また他社が手をこまねいている間は、販路開拓のチャンスでもあります。

 もちろん、現実には資金面などで、採用も設備投資もままならないことが多いと思います。しかしこの時代を乗り越える経営には、このような戦略的発想が必要です。
 戦略的とは、リスクを取って経営を前に進めるということです。つまり、何かを選択することで何かを捨てるという考え方が戦略的な発想です。

 たとえば「今年は先が見えないからじっと我慢」という考え方は、戦略的ではありません。なぜなら、いままでと同じビジネスが今後は成立しない可能性が高いからです。不透明な時代の経営は、変化の中にチャンスを探して、我が社の将来を自ら切り開く発想が必要なのです。

 だからこそ、今年はチャンスの年とお考え下さい。ただし、闇雲に人・設備・販路などに投資しろといっているのではありません。
 今年の「最悪といわれる」状況下にも多くあるはずのチャンスを拾って下さいと言っているのです。

 政府の景気対策に多くを期待できない今、我々中小企業こそが元気に「ピンチはチャンス」だと明るい発想で行動して、暗くなってしまった日本社会を明るくしようではありませんか。


名刺管理ソフト

2008年12月22日 | 福田徹の経営
 おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。12月22日月曜日、今朝11時の東京・小平は晴れ、気温は19℃です。今日は暖かくなりました。皆様のところはいかがでしょうか。

 先週から、少しずつ年賀状の準備をしています。日常から、いただいた名刺の整理をしていれば良いのでしょうが、後回しにしてきたためこの季節になると慌ててしまうのが恒例なのです。
 そこで、日常の名刺整理が可能になる新兵器を導入しました。


名刺やはがきを読み込ませる専用スキャナー

画像から文字を読み取るOCR機能を持つ名刺管理ソフト

 今回導入したのは、名刺から氏名や住所、メールアドレスなどを自動的に読み取って、PCで扱うことができるデータにする名刺管理ソフトです。
 名刺管理ソフトには、スキャナーがついているモノいないモノなど、いろいろあるようです。今回私は、専用のスキャナーがついているタイプの商品を購入しました。
 スキャナーが付属していないタイプの商品でも、使用している複合機のスキャナーを使って対応できるのですが、今回は日常で使うことが目的であるので、極力手抜きができるスキャナー付属のモノを選びました。

 使用感ですが、「これは便利ですよ」とお勧めできます。通常の体裁の名刺であれば、ほぼ間違えなく読み取ることができます。ただし、メールアドレス内のlと1、oと0など、若干の弱点があるようです。そこに注意して使えば十分に使える性能を持っています。

 取り込んだデータは、ソフトの中で使うこともできますが、エクセルなどでつかえるようにエクスポートも可能です。私もこれからこの機能を使って、エクセルにデータを移して、年賀はがきの宛名書きをする予定です。

 また、今後は専用スキャナーをいつも机上に置いておき、名刺管理を毎日の仕事に変えていきたいと思います。

アメリカの所為にしても始まらない

2008年12月12日 | 福田徹の経営
 おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。12月12日金曜日今朝10時の東京・小平は晴れ、気温は12℃です。昨日ほどではないらしいですが、今日も暖かくなるようですね。


 さて今日は、経済状況と中小企業の経営について考えます。

 盛んにニュースで言われている「アメリカのサブプライムローン問題に端を発した世界不況」は、アメリカだけの問題ではありません。グローバル経済の名の下に、金融工学の「恩恵」に預かってきたのはアメリカだけではありません。
 またマクロ経済下でどんなことが起きていようと、実際の市場では売れるものは売れている現実を忘れてはいけません。
 経営者にとって、こんなときに大事なことは、問題の本質を見極めて何を学び取るかです。

 「アメリカのサブプライムローン問題」と言いますが、これを含んだ債権に(結果的に)投資していたのは、日本を含む世界中の国々です。
 また、こうした隠れたリスクを含んだ金融商品で集められた資金の恩恵に預かったのも、アメリカだけではなく、日本を含む世界中の国々です。
 だからこそ、投資した側、投資されていた側つまり今回のことで資金を引き揚げられる側の双方の立場で、日本国内に大きな影響が出ているのです。
 そう考えると、「アメリカの」問題とは言えません。これは日本の問題であると考えるべきです。日本の企業などが投資先また投資元をどう選んできたかが問題なのです。
 
 一方足下では、「経済の影響でモノが売れない」時期に突入していますが、本当にそうでしょうか?実際、生活必需品は売れているし、食品スーパーの業績などは必ずしも悪くはありません。また、エコ関連や安全性を高めた食品などは依然として高くても売れるという状況にあります。
 つまり、財布のひもは固く結ばれてはいても、依然として最低限の支出はしているし、場合によってはひもは緩くなるということです。

 ご承知のとおり、企業活動の本質は環境適応活動です。製造業においても流通・サービス業においても、市場の変化に対応することそのものが企業活動なのです。
 この場合の市場の変化とは、商品単位の売れ筋・死に筋商品の変化から、今回のおおきな経済状況変化までを含みます。

 ところで、状況の変化は視点を変えると様々に捉えることができます。今の我が社にとって不利な状況変化であっても、顧客ターゲットや扱う商品・売り方などを変えて考えてみると、実は我が社に有利な状況になったといえることもあるのです。


経営者の皆さん
 きついこの状況をそのまま受け入れないで下さい。ピンチはチャンス。このような危機こそ、変革のチャンスです。
 環境の変化の影響を受けるのはどの会社もみんな一緒です。環境変化による業績低迷を、環境変化変化の所為にはしていてはいけません。
 なぜなら、上で論じたとおり企業活動とは環境変化に対応することだからです。きびしい環境変化であっても、経営革新を行うきっかけとなるのならば、むしろ安い勉強代となるはずです。
 この状況に対応する企業革新のお手伝いは、いつでもご相談下さい

クレーム対応は顧客と触れ合う貴重なチャンス

2008年12月04日 | 福田徹の経営
 おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。12月4日木曜日、今朝8時の東京・小平は晴れ、気温は6℃です。

 本日のブログは、クレーム対応について考えます。本日のタイトルに書いたのですが、クレーム対応は顧客と触れ合う貴重なチャンスです。これは流通業・製造業を問わずに言えることです。
 日常の対応を超えて顧客と触れ合うこのチャンスを活かすことが出来れば、製品・商品・サービスやその提供方法に反映させることが可能で、さらに顧客との関係をより良好にすることができます。

 クレームを言ってくる顧客は、当品・当社・当店を必要としてくれる人です。当品・当社・当店に期待を抱き、それが裏切られたからクレームを言っているのです。たとえその場は感情的になっていたとしても、また使いたい・利用したいと考えているからこそ怒っているのです。
 そういう顧客の気持ちを静めた上で、いろいろなお話を交わすことによって、普段は聞くことができない顧客の生の声を聞くことができます。また、話し込んだ顧客にこちらの誠意が伝わると、今まで以上に当社・当店のファンになってくれるはずです。
 
 しかし、実際にクレームの矢面に立つ、担当者にとっては辛い面が大きいのも事実です。クレーム対応を、ただただ「辛い、苦しい、面倒なもの」と担当者には映るものです。
 よく使われる「苦情処理」という言葉も間違いの元です。本来の意味では苦情を適切に処理するということなのでしょうが、「苦情処理」という言葉からは、「臭いものに蓋をする」的なニュアンスが感じられてしまいます。私の経験では、「辛い」けど「臭いものに蓋をする」という姿勢で、クレーム対応をするとろくなことはありません。

 だから、当社・当店では、「何のために・何を目標にクレーム対応をする」という、目的・目標の共有が必要です。担当者だけではなく、社長以下、全従業員がこれを共有していないと、担当者が顧客と社内の板挟みになってしまいます。
 つまり、チャンスを活かして「製品・商品・サービスやその提供方法に反映させ、顧客との関係をより良好にする」ためには、全社的な方針とその教育が必要なのです。


経営者の皆さん
 クレーム対応には、「方針」が必要です。また、それを浸透させる「教育」も必要です。これからの右肩下がりの時代を生き抜くためには、製品・商品・サービスやその提供方法の改善と顧客との関係強化がどんな業界であっても必須です。「クレームをいかに活かすか」で、企業の未来が大きく左右されると言えるでしょう。
 クレーム対応とは、「クレームという足下の課題を、将来に活かすこと」です。従業員にとって、足下の課題は足下の課題でしかありません。こういうことは、あなたにしか始められません。社長が率先して、今すぐ始めて下さい。


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「ピンチはチャンス」の年が始まります

中小企業庁広報冊子の奨め

2008年11月21日 | 福田徹の経営

 おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。11月21日金曜日、今朝7時の東京・小平は晴れ、気温は2℃です。寒いです。今朝は寒さで目覚めました。

 本日のブログは中小企業庁が出している、わかりやすくて便利な広報冊子のご紹介です。

 中小企業庁の広報冊子シリーズは、とてもわかりやすくてできていて良いと思っています。この冊子シリーズは「創業」「事業承継」「経営革新」などテーマ別の冊子になっています。
 また、それぞれのテーマについて事業主や企業経営者が主体的に取り組むための考え方や手順がくわしく書かれており、そのための支援施策もよく整理されています。

 たとえば、「夢を実現する創業(平成20年度版)」では、創業の心構えや準備から、事業計画作成、各種手続き、支援施策の活用の仕方までをわかりやすく説明してあります。

 創業をお考えの方、事業承継、経営の改革をお考えの方には、それぞれ「夢を実現する創業」「事業承継ハンドブック」「今すぐやる経営革新」の一読をお奨めしたいと思います。

 また直近では、「中小企業税制48問48答」「中小企業の会計31問31答」の20年度版が発行されました。税制や会計の基準は、常に変化しています。網羅性があるこうした冊子で最新情報を、押さえておけば安心です。

 これらの冊子については、中小企業庁の中小企業庁広報冊子のご請求についてをご覧下さい。冊子を請求することもできますし、PDFファイルをダウンロードすることもできます。



 なお、診断士1次試験を目指す方には、試験科目「中小企業政策」※の対策用に上記と同じページから「中小企業施策利用ガイドブック(平成20年度版)」を一度請求しておき、今の時期からどんな冊子か見ておくと良いかもしれません。(5月くらいにできあがる新年度版を再度請求入手して下さい)

※試験科目「中小企業政策」とは

受験校LECの科目ガイドより


経営革新計画とは?

2008年11月04日 | 福田徹の経営
 おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。11月4日(火)午前8時の東京・小平は晴れ、気温が15℃です。東京地方の日中は、連休明けのけだるさを吹き飛ばす快晴となるようです。


 先週に引き続き、今日から2日間山形県酒田市の商工会議所主催の経営革新塾にうかがいます。

 変化の激しい時代の企業経営は、その企業環境の変化にいかに対応するかがポイントです。先週のブログで紹介したとおり経営革新塾では、新事業展開等を目指す既に事業を営んでいる方や若手後継者の方などが、経営戦略、組織マネジメント等の知識・ノウハウを学びます。その知識・ノウハウは、環境変化に対応するための経営革新計画の作成につながっています。

 経営革新計画の作成(山形県の例)は、経営革新塾主催者と受講者の共通目標です。経営革新計画は、経営革新を具体的な計画まで落とし込み、書類にして申請し審査を受けることにより、都道府県または国の承認を得ることができます。

 この承認を得ることにより、下記の支援策を受けることができます。



(1)政府系金融機関による低利融資制度
(2)税制面での支援措置
(3)中小企業信用保険法の特例
(4)中小企業投資育成株式会社法の特例
(5)ベンチャーファンドからの投資
(6)特許関係料金減免制度
(東京都産業労働局WEBサイトより)

 見てわかるとおり、融資や税金、出資、手数料などの優遇、減免など、お金関係の施策が並んでいます。勘の良い人はわかると思うのですが、経営革新計画承認=支援実行ではありません。
 税制や特許料減免は条件が合えばそのまま適用されますが、融資や投資に関してはそれぞれの審査があって初めて実行されます。

 もっというと、融資や投資に直結しない承認制度だから審査が甘くなっています。形式審査(書類の不備がないかを調べる)に近いとさえ言われています。

 審査が甘いのだから力を入れて作る必要がないという考え方もあるかもしれませんが、その考え方は間違っています。 なぜなら、新事業を展開することよりも、むしろ経営革新計画を作ることそのものに意味があり、力を入れてしっかり作ることによってその効果が高まるからです。

 その効果とは、一言で言うと「成り行き経営からの脱却」です。これこそが経営革新の本質であり、新事業を考えることをきっかけにして、革新塾で学ぶ経営戦略、組織マネジメント等の経営に関する知識・ノウハウを活かして計画的な経営をおこなうことこそが重要なのです。


経営革新計画を作成される経営者の皆さんへ
 人・組織のこと、設備投資、資金計画など、頭の痛くなったり、面倒になることもあるかもしれませんが、ここは正念場です。気合いを入れて取り組んでください。
 なにも、融資を受けるためのきれいな形通りの計画書を作る必要はありません。たとえ見栄えやが悪くても、真剣に具体的な計画を作成し、それに基づいた行き当たりばったりではない経営を始めると、金融機関や取引先など周囲の信頼を自ずと勝ち取ることができます。
 重要なことは、具体的な計画に基づいた計画的な経営をおこなうことです。経営革新は単なる新事業展開ではありません、新事業をきっかけにした企業全体の脱皮だとお考えください。この点を強く認識された上で取り組んでいただき、近い未来に御社が新しいステージに立っていることを願っております。


※酒田商工会議所経営革新塾に関連する記事:
酒田商工会議所経営革新塾経営革新計画とは?続・経営革新塾@酒田
寝台特急あけぼの号車内より続々・経営革新塾@酒田


「ジョイ・オブ・ワークによる生産性向上」セミナー

2008年09月19日 | 福田徹の経営
 おはようございます。9月19日金曜日、東京・小平の朝2時の気温は21℃、外は雨です。

 昨日9月18日の午後は、吉田耕作氏の「ジョイ・オブ・ワークによる生産性向上」セミナー(中小企業者向けセミナー)を聞いてきました。デミングの直弟子である吉田氏は、長年アメリカで生活してきましたが、ある目的があって約10年前から日本で暮らしています。興味深い講演内容でしたので、要旨をまとめておきます。


 吉田氏は成果主義・非正規雇用といった人事政策の弊害を排除して、人間尊重と協調精神を基本に、CDGM(後述)などの小集団活動を活用し、個々の勤労者の能力や想像力を最大限に発展・発揮させることによって、組織の競争力をつけようとするジョイ・オブ・ワークの考え方を提唱しています。
 

 成果主義については、労働経済白書において労務コスト削減がその導入の主目的であったと総括されています。吉田氏は「成果主義こそが働く人の満足度を低下させ、意欲の低下を招いている。これに加えて非正規雇用の増加が意欲低下に拍車をかけている。」と指摘します。
 
 吉田氏は、「80年代に日本の低賃金との競争に対峙したアメリカは、生産性(製造業に限らない)を高めて競争力を回復しようとした。そして、見事に復活を果たした。
 それに対して、中国の低賃金との競争に対峙する現在の日本は、正規社員数を減らし残業を増やす人件費削減策でこの状況を切り抜けようとしてきた。」と分析を進めます。
 しかし「日本の生産性は上がらず先進7カ国中11年連続最下位となっている。さらに、日本人の会社へのロイヤリティや仕事への熱意は先進14カ国中最下位の状態である」ことから、先のコストダウン政策は有効に働いていないばかりか大きな弊害をもたらしていることがわかります。

 一方、東京商工会議所のアンケート調査では、今後重視する経営課題として「人材の確保・育成」をあげる企業が6割近くあります。また、3年連続で8割を超える企業が今後なりたい企業イメージとして「従業員が働きがいのある企業」を挙げています。
 また、労働政策研究・研修機構の調査によると、勤労者の側も終身雇用を86.1%、年功賃金を71.9%の人が支持しています。
 つまり、雇用者側も労働者側も、長期雇用で人を育てることができる企業を目指し求めているといえます。

 吉田氏は、日本企業の人的コストダウン政策の破綻と、人と企業が目指す将来像を見据えて、「これからの日本企業は、正規雇用、終身雇用を増加させて、人を育て、仕事のやりがい(Joy of Work)を育て、(とくにホワイトカラーの)生産性を上げて、国際競争力をつけるべきだ」と話します。


 吉田氏はそのための方法論として、旧来のQCサークルにかえて、CDGM(クリエーティブ・ダイナミック・グループ・メソッド)という小集団活動を提唱されています。
 CDGMは、CDG(クリエーティブ・ダイナミック・グループ)とRT(ラウンドテーブル)で構成されます。CDGは、職場の問題をブレスト等をして週一回半年かけて解決していきます。複数のCDGで構成されるRTでは、月一回講師が付いて講義と各SDGの発表・討論がおこなわれます。

 旧来のQCサークルとの違いは、QCのやらされ感に対してCDGMはやりがい、顧客満足優先に対して従業員満足優先、(従業員間の)競争に対して協調、建前で語ることに対して本音で語ることなどが求められていることです。
 従業員の参加は強制ではなく、やりたい人が勤務時間中にやる、楽しくやることが重要視され、みんなでわいわいやって自ら参加したくなるような、人間らしい感情を自然に引き出す仕組みです。

 吉田氏は「人間は興味のあることや楽しいことしか続けられない。だから、小集団を楽しくしてしまえばよい。」「楽しくすることで、自然に皆が集まり、その力が発揮され生産性が向上する。生産性の源は人です、機械と違って人は無限に生産性を向上できる資源なんです。」と語ります。


 事例企業として挙げられた理科教材を販売する中村理科工業株式会社(現ナリカ)では、通常業務に優先してCDGM活動がおこなわれているそうです。CDGMで決めたことは即実行されます。なぜかというと、CDGMで扱う事柄の方が収益につながるからだそうです。
 たとえば、社内の「IT革命団」グループが企業ホームページをカイゼンしWEB経由の売上を3年間で10倍にしたり、「アダモニ」(アダルトモーニングオヤジ)グループが在庫管理をカイゼンし倉庫の効率を大幅に向上したりという具合に大きな成果を上げています。
 そして導入以来、業績向上により度々年度末臨時(年3回目の)ボーナス支給がなされ、だたひとりのリストラもおこなわれず、自主退職者も少ない状態が続いているそうです。
 講演ではその他の成功事例、大企業(NTTコムウエア、データ、NEC他)での導入例、アメリカ企業とアメリカ政府での成果も紹介されました。


 90年代にデミング氏のチームに参加し「アメリカの復活」を手助けした吉田氏の今の願いは、「日本の復活」です。そのために、アメリカでの終身教授の権利を捨てて日本に帰国したということです。
 吉田氏は「日本企業が競争力を高め復活するためのは、人の力を引き出し、発揮させることが重要なのだということ、そのための方法論は人間尊重型の小集団活動=CDGMである」ということを日本で教えることをご自分のミッションとされています。私は吉田氏のその思いを受け取りました。

創業とリスク

2008年09月13日 | 福田徹の経営
 おはようございます。9月13日6時の東京・小平市は曇り、気温は22℃です。土曜日の住宅街は静かな朝を迎えています。
 本日は、多摩地区(日野・国立・国分寺・東大和・武蔵村山・昭島)商工会主催の創業塾にうかがいます。創業をこころざす、意欲ある方々とお会いすることが楽しみです。


 事業を興す方々は、大きなリスクをとってご自身の人生の舵をきることができる、つまりご自身で人生を切り開く意欲がある方々なわけです。
 事業計画(資金計画、利益計画など)を練って、勝算を計ることできます。しかし、事業には必ずリスクがあるため、最後の最後は「ご自身の意思でリスクをとって」事業を始めなければなりません。

 経営者はリスクをとって事業を始め、リスクをとって事業を拡大します。リスクをとって何かを選ぶということは、選ばなかった道を捨てることです。平穏な道を捨てて大海原に一人こぎ出すんです。創業とは、なんて夢のあることなのでしょう。

 この夢を紡ぎ、大きく育てるためには、事業計画(資金計画、利益計画など)の練り込みが有効です。本日からのお世話になる皆さんにも、夢の実現計画づくりをお伝えしたいと思います。
 

BCP(Business Continuity Plan)とは?(1)

2008年09月03日 | 福田徹の経営
 先日、友人の診断士ブログにBCPについて書かれていました。また昨日も別の診断士の方にBCPについて話を振られました。しかし、私はこれまでBCPとは何の略でどんな概念なのか恥ずかしながら知りませんでした。
 そこで今回は、私の勉強におつきあいをいただいて、BCPについて学んでみましょう。


中小企業庁のサイトには
 「BCP(事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。」とあります。


(中小企業庁サイトより) 

 BCPの導入効果をあらわした上の図を見て下さい。図の縦軸はモノやサービスの生産能力をあらわす操業度です。上図では横軸に時間の経過をとって、緊急事態が起きる前の操業度を基準に、緊急事態の前後の事業の縮小や拡大の様子を表しています。
 図左上の赤く示されたところで緊急事態が起きると、BCP導入前では図の紫や赤の線があらわすように、一気に操業停止状態になり、事業縮小や廃業に直結します。
 これに対しBCPを導入してあらかじめ対策を打っていれば、緑や青の線のように事態発生後も一部事業を継続させ、顧客の信頼を維持しつつ中核となる事業を早期復旧させる、また操業度の100%回復、顧客の信頼を得て事業の拡大をもねらうことができることを上図は示しています。

 さて、BCPの具体的な計画とは、操業継続や早期復旧を前提とした対策を打っておくということです。たとえば、従業員や取引先(仕入れ先、顧客とも)の安否確認や顧客や社会への情報発信、損害保険などの取り扱いをあらかじめ決めておくことです。これらは、操業の継続・早期再開、また顧客からの信頼の維持につながり事業の継続に必要です。

 ところで、BCPの策定と運用は、基本方針の立案と運用体制の確立、さらに日常的に策定・運用のサイクルを回すことがポイントとなります。
 中小企業庁のサイトでは、現状の理解~基本方針策定から具体的な計画(たとえば避難計画・顧客情報・企業連携づくり)まで、手順を踏んで行うことができるコースが設定してあり、経営者の方や担当社員が簡単な操作で策定できるようになっています。なかなか便利なサイトですので、お薦めします。


 こうした計画は立てた方がよいと誰しも思うものですが、実際の計画づくりはなかなか進まないことが多いと思います。次回は、中小企業がどのようにBCPを導入するかについて、中小企業診断士の2人の会話を通じて考えていきたいと思います。

西武鉄道新CI駅舎~入間アウトレット

2008年08月31日 | 福田徹の経営
 

 西武鉄道武蔵藤沢駅からバスで、三井アウトレットパーク入間に行きました。西武鉄道は、新CIでイメージが一新されようとしています。4月にオープンしたアウトレットは、規模が大きくて様々な業態を内部に取り込んでいました。

武蔵藤沢駅は、西武線の駅とは思えないほど明るく開放的なデザイン





西武鉄道とファミリーマートが提携した駅のコンビニ「Tomony」




三井アウトレットパーク入間





様々な業態が相互に集客に貢献していることが容易に想像できます


 併設されたホールセールのCostcoを含めたモールは、コンビニや飲食店などの業態が取り込まれて、その顧客吸引力は巨大です。
 

 アウトレットパーク入間に限らず、こうしたモールに車で来れば、日用品から買回品、一部専門品までそろいます。ブランドものを選び、ゴハンを食べて、ホールセールで一週間の買い物を済ませる、周囲のファミリーの消費生活の大きい部分を一つのモールが持っていくということが現実に起こっているようです。
 これでは、個店もチェーン店でさえもさらに厳しい状況が続くのは目に見えています。ロードサイド店飲食店の不振は現実のものであり、外食産業の一部大手企業は出店の対象をフードコートへシフトしつつあります。

 巨大な掃除機のように顧客を吸引するモールに個店が対抗する方法は、違いを明確に出すことしかありません。モールには何でもありますが、「ここにしかない」ものは一つもありません。また、モールでは「ここにしかない」売り方もできません。つまり、商品の差別化か売り方の差別化がポイントです。中小小売店の皆さん、相手の弱点は明確です。答えは弱点を責めることにあります。

※関連記事:企業が変化する瞬間:西武グループ、西武鉄道新CI駅舎~入間アウトレット、ライオンズ優勝と西武グループの変化本当に変わった西武鉄道

企業が変化する瞬間:西武グループ

2008年08月27日 | 福田徹の経営

 最近、西武鉄道にイメージが変わりつつあります。新CIが導入されて、シンボルマークや駅での表示などが青を基調としたすがすがしい色合いに変わりました。電車の色も、黄色から青に変わってきています。

 最近は、少し変わった顔をした電車も走っています



ウィキペディア
より  

 実はこの電車は、西武鉄道と西武グループの変化の象徴といえる新開発車両なのです。

 西武鉄道は、明治中期から昭和初年にかけて設立された3つの鉄道会社を、近江出身の堤康次郎が数回の企業買収を経て現在のかたちにしたものです。非常に、カリスマ性の高い創業者と2代目:堤義明のもとで、鉄道や沿線宅地開発、ホテル、観光事業と業容を拡大し一大グループを形成しました。(西武流通グループ=後のセゾングループも、義明氏の兄清二氏(作家辻井喬)のもと別に発展しました。)

 カリスマ堤義明氏は、2004年に発覚した総会屋利益供与事件、西武鉄道株式に関する有価証券報告書への虚偽記載事件により失脚しました。
 カリスマ性のあるワンマン経営者を失い上場廃止となった西武鉄道は、みずほコーポレート銀行から送り込まれた取締役社長後藤高志氏のもと再建への道を歩んできました。
 後藤社長が最初にしたことは、グループビジョンの制定です。以下は、グループビジョン中のグループ宣言です。

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 このように宣言することで、社会に対しては企業の変化を約束し、グループの社員に対しては「お客さまの行動と感動を創りだす」プロであれと求めました。

しかし、いままでワンマン社長のもと何でも「トップダウン」で決められていた西武グループでは、これまでの企業文化をかかえたままであり、いままでと同じ社員達が働いています。急に「お客さまの行動と感動を創りだす」ための行動を起こすことはできません。
 「創りだす」ためには、社員自ら考え自分の責任で行動する「ボトムアップ」の企業文化を創ることです。組織のなかの風通しをよくして、社内・グループ内の容易な連携を促すことも必要です。

その象徴が、新しい電車のプロジェクトです。たまごの様な顔をした冒頭の写真の電車は、部門横断型のプロジェクトチームによって企画されました。さらに、西武鉄道でははじめて新製車両プロジェクトに女性が配置されました。鉄道会社の現業部門は典型的な男性社会といわれており、これは画期的なことでした。リンクの西武鉄道の30000系 スマイルトレイン誕生までの軌跡をご覧になると、このあたりのことがよくわかります。鉄道の専門家以外の社員、女性の声を聞き、社員からの「ボトムアップ」によって新しい車両をつくり、「お客さまの行動と感動を創りだす」ことは、この企業にとって全く新しい経験であったはずです。そして、この経験は次を「創りだす」ことにつながるはずです。

 ところで、最近のニュースでは、埼玉西武ライオンズがクライマックスシリーズの一戦を(西武球場以外に)埼玉県民球場で行うという発表がありました。西武球団は今年から、球団名に「埼玉」をつけるなど地元密着の姿勢を明確にしています。こうした動きなどは、「堤義明の球団」時代にはあり得ない話でした。
http://www.seibulions.jp/news/detail/688.html


 こうしてかんがえると西武グループの変化は、見た目のCIだけではないようです。
 大きな企業が変貌を遂げようとしています。興味深いですね。今後も、西武グループの動きに注目していきたいと思います。

※関連記事:西武鉄道新CI駅舎~入間アウトレットライオンズ優勝と西武グループの変化本当に変わった西武鉄道


いま読みかけている本:診断士の本棚

2008年08月25日 | 福田徹の経営

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 今回は私が読みかけの本を、紹介しようと思います。読む本を並べるとその人の興味の対象やめざす方向性が見えてくるものです。こうして本を並べて見てみると、最近の私は診断士の仕事に興味が集中しているようです。


○問題解決ファシリテーター
 組織のパワーを引き出し、優れた問題解決に導くにはどうすればよいかをテーマに、ファシリテーションという新しい概念を紹介しています。章だては、知識、技術(スキル)、応用(ツール)、実践(プロジェクトのかたち)と順を追って構成されています。本書の特徴は、数多くの事例です。著者の経験が惜しみなく語られているので、ファシリテーション現場のイメージがつかみやすいと思います。

○「先読み力」で人を動かす
 正直いってまだ「積ん読」状態で、よくわかりません。パラパラとめくってみると、先読み=プロアクティブ・マネジメントを実践したプロジェクトのかたちが、多くの図で語られています。読むのが楽しみです。

○教育研修の効果測定と評価のしかた
 同じ著者のシリーズ本「教育研修プラン推進マニュアル」とともに、必要に迫られて購入しました。両書を通じて、教育研修の全般知識を学べます。特に、研修により直接的な「経営成果」を求められてきている現状に対応して、教育研修の成果をより具体的に測定する考え方については興味のある部分です。

○ベンチャーキャピタルからの資金調達
 この本も必要に迫られて購入しました。キャピタリストと経営者、つまりお金を投資する側と投資されて事業を伸ばそうとする側の2つの視点で書かれた良著です。前半はキャピタリストがベンチャーキャピタルからの資金調達の基本的知識とキャピタリストが企業を見る視点を具体的に示し、後半部分は投資を受けたことのある経営者が今後投資を受けたい人のために具体的なアドバイスを展開します。全体に、わかりやすく読みやすい良著です。

○IT経営可視化戦略
 これも「積ん読」状態で、まだよくわかりません。「見える化」とITに興味があり、またamazonで評価が高かったこともあり購入しました。ITコーディネーターのテキストでもあるようです。

○論理トレーニング101題
 論理の力を身につけるトレーニングブックです。例題をつかって接続表現、議論の骨格、論証の方法を解き明かしていきます。ところで、診断士の仕事の大きな部分は納得させた上で人の行動を変えることです。論理的な説得力をもつことは人を納得させる一つの方法ですから、この本の内容は本業ど真ん中です。それでいて私は、論理的に話したり書いたりすることがあまり得意ではないのです。このブログを読んで下さっている方は、すでにお気づきとは思いますが・・・。勉強していきたいと思います。



 さて、並べてみるまで自分では気付かなかったのですが、かたい本ばかりですね。今後は、もう少し読む本の幅を広げて、人生をゆたかにできるような読書をしたいと思います。