中小企業診断士 福田 徹 ブログ

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経営革新計画とは?

2008年11月04日 | 福田徹の経営
 おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。11月4日(火)午前8時の東京・小平は晴れ、気温が15℃です。東京地方の日中は、連休明けのけだるさを吹き飛ばす快晴となるようです。


 先週に引き続き、今日から2日間山形県酒田市の商工会議所主催の経営革新塾にうかがいます。

 変化の激しい時代の企業経営は、その企業環境の変化にいかに対応するかがポイントです。先週のブログで紹介したとおり経営革新塾では、新事業展開等を目指す既に事業を営んでいる方や若手後継者の方などが、経営戦略、組織マネジメント等の知識・ノウハウを学びます。その知識・ノウハウは、環境変化に対応するための経営革新計画の作成につながっています。

 経営革新計画の作成(山形県の例)は、経営革新塾主催者と受講者の共通目標です。経営革新計画は、経営革新を具体的な計画まで落とし込み、書類にして申請し審査を受けることにより、都道府県または国の承認を得ることができます。

 この承認を得ることにより、下記の支援策を受けることができます。



(1)政府系金融機関による低利融資制度
(2)税制面での支援措置
(3)中小企業信用保険法の特例
(4)中小企業投資育成株式会社法の特例
(5)ベンチャーファンドからの投資
(6)特許関係料金減免制度
(東京都産業労働局WEBサイトより)

 見てわかるとおり、融資や税金、出資、手数料などの優遇、減免など、お金関係の施策が並んでいます。勘の良い人はわかると思うのですが、経営革新計画承認=支援実行ではありません。
 税制や特許料減免は条件が合えばそのまま適用されますが、融資や投資に関してはそれぞれの審査があって初めて実行されます。

 もっというと、融資や投資に直結しない承認制度だから審査が甘くなっています。形式審査(書類の不備がないかを調べる)に近いとさえ言われています。

 審査が甘いのだから力を入れて作る必要がないという考え方もあるかもしれませんが、その考え方は間違っています。 なぜなら、新事業を展開することよりも、むしろ経営革新計画を作ることそのものに意味があり、力を入れてしっかり作ることによってその効果が高まるからです。

 その効果とは、一言で言うと「成り行き経営からの脱却」です。これこそが経営革新の本質であり、新事業を考えることをきっかけにして、革新塾で学ぶ経営戦略、組織マネジメント等の経営に関する知識・ノウハウを活かして計画的な経営をおこなうことこそが重要なのです。


経営革新計画を作成される経営者の皆さんへ
 人・組織のこと、設備投資、資金計画など、頭の痛くなったり、面倒になることもあるかもしれませんが、ここは正念場です。気合いを入れて取り組んでください。
 なにも、融資を受けるためのきれいな形通りの計画書を作る必要はありません。たとえ見栄えやが悪くても、真剣に具体的な計画を作成し、それに基づいた行き当たりばったりではない経営を始めると、金融機関や取引先など周囲の信頼を自ずと勝ち取ることができます。
 重要なことは、具体的な計画に基づいた計画的な経営をおこなうことです。経営革新は単なる新事業展開ではありません、新事業をきっかけにした企業全体の脱皮だとお考えください。この点を強く認識された上で取り組んでいただき、近い未来に御社が新しいステージに立っていることを願っております。


※酒田商工会議所経営革新塾に関連する記事:
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