皆様、おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。本日は3月31日火曜日、今日で年度納めという方も多いことと思います。今年度中は大変お世話になりました。そしてお疲れ様でした。
昨日3月30日に西武新宿線に乗ると、電車運転士のOJTが行われていました。(OJTはOn-the-Job Trainingの略で職場の上司や先輩による教育のことを指します。)
昨日乗った電車では、新人運転士が運転席に座り運転を行い、教官役の運転士がその隣に座って停車時のブレーキ操作などを指導していました。
私鉄から新幹線まで、電車運転士の教育は、先輩=師匠からの伝承、つまり徒弟制度が中心だと聞いたことがあります。
大型の手作り機械である電車は、形式による違いだけではなく、同形式でも一編成ごとに変圧器や電動機・ブレーキなどの特性が異なるそうです。また、路線ごとに異なる線形(カーブや高低差などの線路の形)は複雑な運転技術を要求します。
こうした、車両特性と線形を熟知した師匠から直接OJTを受けることで、運転手の技を伝承し安全で快適な電車の運行が継続されているそうです。
昨日のOJTでは、先輩運転手がブレーキ操作をするに新人運転手の手の上に手を添えて、操作のタイミングを教えていました。きびきびととした運転操作の合間に、一言二言のアドバイスを挟みます。
真剣な新人に熱心なベテランを見ていて、とても春らしい清々しさを感じた午後でした。
※写真撮影データ
撮影地 都立小金井公園
撮影日時 2009/03/30 17:51:06
カメラ機種名 Canon PowerShot G10
撮影モード 絞り優先 AE
Av (絞り数値) 2.8
Tv (シャッター速度) 1/80
ISO感度 200
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中小企業診断士福田徹とは?
皆様、おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。3月2日月曜日、今朝0時の東京・小平はくもり、気温は5℃です。今日から北海道に行きます。
今日のブログでは、今回の旅行では最終日に観る予定がある旭川市旭山動物園の成功物語を、私なりに整理しておきます。
いまや大人気の旭山動物園は、最北の動物園にして冬期の入場者も多く、北海道の新名所になりつつあります。
旭山の成功物語の特徴は、その成功の鍵である「行動展示」のアイデアが、ボトムアップで生み出されたことです。
20年前の旭山動物園は、動物の繁殖では実績を残してはいましたが、運営母体の旭川市からは予算を削られ、市民や市役所幹部から期待されていない組織でした。入園者も減り続けていて、廃園も囁かれることがありました。
この動物園には勉強会の伝統があって、勉強会で飼育係達が知恵を出し合って、廃園の危機に際して予算がなくてもできることをいろいろと始めます。
当時飼育係長だった小菅現園長が中心となり飼育係全員を説得して、それぞれが担当の動物のミニガイドを行うようになったことが一つのターニングポイントとなります。
飼育係は、担当動物のミニガイドをすることになって、はじめて直接来園者と触れ合い、来園者が何に興味を持ち何に興味を持たないかを理解することになりました。
こうした顧客とのふれあいの中から、動物園の職員達は旭山動物園の展示についてアイデアを温めるようになっていったのです。
その後の勉強会での話し合いでは、動物園の存在意義の確認から始めて、最後は自分たちの「理想の動物園」「世界一の動物園」を自由に語り合いました。
「ペンギンが空を飛ぶ」などの飼育係達の自由な発想の動物展示アイデアをスケッチに起こしたものが有名な「十四枚のスケッチ」です。
理想の動物園を描いた「十四枚のスケッチ」は、小菅園長の時代になって、市長が代わり市の政策転換によって予算が回ってくることになったときに、役立つことになります。
小菅園長は、この「十四枚のスケッチ」をもとに、旭川市に動物園改革の提案をし、それが少しずつ実現されて、今日の旭山動物園の成功につながっています。
つまり、顧客とのふれあいのな中で飼育係達が得た「顧客に関する知識」と、彼ら飼育係達の「専門家としての知見」が「行動展示」の具体的なアイデアを生み出し、そしてそのアイデアは、園長によってボトムアップされ、具体的な施策として活かされてきたのです。
だから、旭山動物園の成功物語は、市長や市の政策、園長の方針のトップダウンで始まったわけではなく、時間をかけて考えられた飼育係達のアイデアのボトムアップから始まったと言えるのです。そして、このアイデアは動物園成功の鍵でもあったのです。
今回旭山動物園に行く際には、こうした経緯に思いをはせながら、存分に楽しみたいと思っています。
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中小企業診断士福田徹とは?
皆様、おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。今日は、3月1日日曜日です。いよいよ3月、春はもうすぐですね。
今日のブログは、先日超熟は意外においしい、超熟(2):スーパーマーケットの買場という2つの記事で紹介したPasco(敷島製パン)の超熟について、その成功ストーリーを組織面から考えます。
この商品の開発とブランディングのストーリーを描いた「超熟ヒットの理由」によると、「超熟」成功には、敷島製パンにとって万年業界2位体質からの脱却という側面があったようです。
業界2位といっても、敷島製パンと首位山崎パンとの企業規模には大きな差があります。差が大きすぎて、相手にもされないだけではなく、敷島社内にも対抗しようという気概が無かったようです。
そんななか、業績悪化をきっかけにして、開発チームが組織され湯種製法による食パンの開発の命が下ります。湯種製法で作ったパンは小麦本来の香りと甘みが特徴の美味しいパンです。この製法自体は古くから知られる製パン法でしたが、この方法でのパン製造は、ホールセール(工場での大量生産)では不可能というのが業界の常識でした。
しかし、プロジェクトには命が下されました。
業界のどの企業も成功していないことを、常識外れのことをやるということは、開発チームに気概を生み、やがて全社の体質を変えてゆくことにつながります。
開発チームは、それぞれの日常業務の終了後、工場の片隅で秘密裏に試行錯誤を繰り返しました。
やがて、独自の技術で量産化の目途が立ち、1998年10月湯種製法による食パン「超熟」が販売開始されます。他社にはない味のパンは、顧客に支持され売れ行きは上々でした。
さらに発売から1年を待たない1999年9月、社長盛田淳夫氏はまだ伸び盛りの「超熟」の売上に飽きたらずに、新しい経営方針を発表しました。
「『超熟』を食パン市場におけるナンバーワンブランドに育て上げる」この言葉は全社員の士気を一気に高めました。
たとえ食パン部門だけとはいえ「山崎パンを抜くこと」には、万年業界2位の敷島社員の山崎パンにはかなわないという諦観を覆す意味がありました。
社長の言葉で燃え上がった敷島製パンの営業部門は、「超熟」をピラミッド状に陳列して売場でのアピールを強める独自の陳列方法を開発するなどして、「超熟」のシェアをさらに拡大し、2000年1月全国の売上で「超熟」6枚ぎりが部門1位となりました。
こうして敷島製パンは、「超熟」の成功を通じて名実共に業界2位体質から脱却したのです。
ところで、先日の「超熟」食パンに続いて、「超熟」イングリッシュマフィンを試してみました。「超熟」マフィンもまた、風味豊かなパンでした。
「超熟」に対するこの会社の方々の思いを感じながらたべると、さらに美味しくいただくことができました。
※参考書籍(amazonリンク)
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中小企業診断士福田徹とは?
おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。11月10日(月)朝6時の東京・小平は気温9℃、外は晴れているようです。
昨夜は、プロ野球日本シリーズ第7戦(最終戦)が東京ドームでおこなわれました。結果、最終戦で巨人を破った埼玉西武ライオンズが日本一となりました。
今年の西武球団の活躍は、先般の西武グループの組織変革と併せて考えると、必然であると考えられます。
この写真は、昨年末に西武鉄道の駅構内に張られていたポスターを写したものです。2007年シーズンのパリーグ5位(6球団中)という成績や5割を切った勝率が黒く塗りつぶされて、チームカラーの青でRe:setと書かれています。
新たな年度のファンクラブ会員募集に際して、前年度の成績を明らかにして、再起を宣言する。一見当たり前のことのようですが、なかなかできることではありません。
私はこのポスターから、西武グループ内でPlan→Do→Check→Actionのサイクルが回っているとこと、組織内での自由な議論が保証されていることを感じました。つまり、このポスターは球団フロントが前年度の反省を踏まえて来期を自分たちで作ると球団のファンに宣言しているものであり、西武はこういうことが許される自由な組織になったのだと感じました。
今年8月、私は企業が変化する瞬間:西武グループという記事を書きました。記事で紹介したとおり西武グループでは、カリスマかつワンマンだった前経営者の失脚後、それまでのなんでもトップからの指示により動いていたトップダウン型の組織文化を、社員自ら考え自分の責任で行動するボトムアップ型に変革させる努力をしてきました。
その象徴的なプロジェクトが、先の記事で紹介した新型電車です。そして、「T氏(前経営者)の球団」から「ファンの球団」への舵取りが明確にされたという意味で、上のポスターもその成果の一つではないでしょうか。
こうして考えると今年の埼玉西武ライオンズの活躍は、必然であったといえます。
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