かつて、葛西清経が城を構えたという石巻の日和山。
如月の風はさすがに冷たく、市街地にあれども海と川を眼下にした山であることを思い知った。
日和山公園の展望場所に立ち、かじかむ手で写真機を構える。
昨年は、桜の頃にここから海と町を眺めた。
昨年4月と比べて、大きく変わったわけではなく、やはり傷んだ海岸沿いの寒々しい風景が広がる。
(2012年4月日和大橋付近↓:右端の白い建物は石巻私立病院)
(2013年2月↓)
それでも、町全体を一つ一つ良く見ると、少し違っているのが分る。
北上川方面を見ると、対岸の川口町は、工場や魚類冷凍冷蔵庫などの間にいくつか残っていた住宅が無くなっていた。解体が進んだのだ。
(2012年4月:川口町鈴木造船所辺り↓)
(2013年2月19日↓)
鈴木造船所の近く、青い囲いと川ふちにある「震災廃棄物仮置き場」だが、前年はまるで造成地のように積まれていたものが、その10か月後には随分減っている。
(2012年4月↓)
(2013年2月19日↓)
川を左手に右側へ目を移すと、石巻湾に沿った南浜町が見える。今では空き地だらけだ。
昨年残っていた茶色い屋根の2階建てと、青い屋根の3階建ての集合住宅も解体されていた。
(2012年4月↓)
(2013年2月↓)
湾に沿って、長く堤防のように積まれていた町の破片が、今は片付いている。
変わって、護岸のために白い土嚢が積まれているのが見えた。
(2012年4月石巻湾沿い↓)
(2013年2月↓)
少しずつ、少しずつ、新たな町へと向かって動いている。