言わずと知れた、明治期からの桜の名所。
千鳥ヶ淵の花見は、1881(明治14)年にアーネスト・サトウが、英国公使館前に植えた桜がきっかけだった。
この桜は、1897(明治30)年に東京府(1868~1943:現在は東京都)へ寄贈された。
翌1898年、最初の桜の周りに、さらに植樹がなされて桜並木ができる。
この時から、千鳥ヶ淵沿いは桜の名所として親しまれることとなった。
大正時代に桜はさらに増え、昭和には千鳥ヶ淵緑道が整備され、一層賑わうようになったのである。
参考:環境省「千鳥ヶ淵周辺の景観・サクラの特性、現状」/千鳥ヶ淵周辺案内板
千鳥ヶ淵を、明るく縁取る桜に見とれつつ、足元を見れば、そこにもまた群れる草花が濠を彩る。
斜面に群がる紫の花は、おそらくオオアラセイトウ。
道沿いに群がる蔓のついた草花は、おそらくカラスノエンドウ。
ボート場付近では、背の高い菜の花もあった。
淡い紅と黄色と紫と、花々がそろって出迎えてくれて楽しい。
ちなみに、桜の再生保存のために募金活動も行われていた。
僅かばかり募金箱に入れたら、係の方が笑顔で桜模様の飴を下さり恐縮。
千鳥ヶ淵緑道の端っこでは、寒芍薬がお辞儀している。
酒宴でなくとも、のんびり歩いての花見もいいものである。