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ナチスの第三帝国は「ナショナリズム」か?それとも「グローバリズム」か?

2022-07-05 23:48:23 | 政治
今回の日記は、グローバリズムと反グローバリズム、どちらが正解なのかを判断するうえで、避けては通れない考察になります
もちろん、私は反グローバリズムが正しいと判断しているわけですが
その理由は後ほど語るとしても、「ナチスドイツ」によるアウシュビッツ、つまり強制収容所とユダヤ人ホロコースト(大虐殺)が
ヨーロッパ人にどんな影響を与えていて、彼らがなぜEUというグローバリズム連邦国家を作ったのか?
それを考察し、理由を知ることで、日本の保守派と言われる人にも大きな影響を与える、と思うからです

日本の保守には、いまだに単なる「保守」と「左翼」という、2元的なものの見方をしている人が多く
グローバリズムと反グローバリズムの違いがよく分からず、今回のウクライナ紛争において、誤った見方をしている人が数多くいます
そうした方は、おそらくナチスが国家社会主義という、国家(民族)至上主義を掲げて、他民族を迫害したと思っていると思います
実は、第二次大戦後のヨーロッパの指導者の多くもまた、そのように考えたわけです
つまり、「ナショナリズム(国家主義・国民国家)こそが、ナチスを生んだ元凶」だというわけです

こうした戦後のナチス史観によって、「ナショナリズムとは野蛮なものなのだ、未発達な政治思想なのだ」という考えが広がりました
そして「国民国家(ナショナリズム国家)は、まだ野蛮で未発達な国家形態なのだ」という風潮がヨーロッパに広がりました
しかし昨今では、その「ナチス=ナショナリズム説」は本当に正しいのか?が見直されつつあります

ドイツ出身のユダヤ人で哲学者のハンナ・アーレントは、著書「全体主義の起源(反ユダヤ主義)」を著し
その中で、なぜユダヤ人が迫害されたのか?について、客観的で詳細な分析を行っています
ユダヤ人であるアーレントの分析は非常に参考になるものです

16~17世紀以降のヨーロッパにおいて、ユダヤ人は主に金融業、銀行業として特殊な地位を与えられており
時の権力者(国王など)たちの金庫番として、きわめて自然な形で権力と一体となっていました
「権力と一体」と言うのは、いまの私たちが考えるような、”国民として”の特権階級ではありません
「富を独占する富裕な”国民”」ではなく「権力機構と完全に一体化した特殊な”異国人”」というような立場でした
つまり、ユダヤ人は、富を独占して他人に威張りたいとか、権力を持ちたいとか、そういう世俗的な欲を持つ人種ではなく
ただ純粋に、職業人種として、その生き方以外の生き方を知らない”純粋な異邦人”として、存在していました
例えて言うなら、ユダヤ人は、国民にも国王にも貴族にもなれない、ただの忠実な金庫役・財務役の異星人だった
ということなのです。。。他に自分の身の置きどころがなく、普通の国民にもなれない特殊な人々だったわけです

多分この肌感覚は、ユダヤ人であるアーレントだからこそ理解できるものであろうと思います

ユダヤ人が迫害された背景、理由は一つではありませんが
マイアー・アムシェル・ロートシルト(ロスチャイルド)のような、様々な権力と結びついて強大になった特殊事例を除いて
彼らユダヤ人が迫害された理由の一つは、時の権力と一体となりすぎていたために、時代が変わりつつあることに気がつかず
権力構造が変わるときに、旧権力者に協力する者として、象徴的な意味で攻撃の的になった、ということがあります
つまり、ナチスが台頭してきたときに、抵抗していた旧権力者の協力者だったユダヤ人たちが、その人種的偏見もあって
プロパガンダ(政治宣伝)的に迫害の的になった。。。ということです

そして、当時ユダヤ人たちがたくさん住んでいたのが、ドイツ語圏であるオーストリアです
そのオーストリアは元々、1918年までは帝国主義国家でした
ナチス台頭の少し前まで「オーストリア・ハンガリー帝国」という、ハプスブルク家が統治する帝国主義国家だったのです
そして帝国は第一次世界大戦に敗北し、解体され、オーストリア共和国とその他の小さな国々に分割されました
実は、帝国が解体された背景には「拡張欲をもつ帝国主義こそが、戦争の原因であると考えられた」という理由があり
今後戦争を引き起こさないためにも、当時、ヨーロッパで支配的な国家形態である「国民国家」に戻すべきだと考えられたのです

オーストリア・ハンガリー帝国は多民族国家でしたが、分割された後のオーストリア共和国は、ほぼドイツ系民族で占められ
ほぼ一つの民族、一つの言語の、「国民国家」として再スタートしました
ところが、オーストリア共和国は引き続きハプスブルク家の統治する、いびつな「国民国家」としての国家形態となりました
本来なら、「国民国家」となった国の国民は、すべて平等な権利を有する、というのが建前でしたが
オーストリアのユダヤ人だけは、特殊な地位をそのまま継続することになったのです
そしてその後、オーストリア共和国はナチスドイツに占領され、ドイツに編入されます

実は、このハプスブルク家に最後まで仕えていたのが宮廷ユダヤ人。。。つまり、帝国主義から国民国家に変わったにもかかわらず
ハプスブルク家に協力していたのが、当時オーストリアに数多く住んでいたユダヤ人たちだったわけです
ユダヤ人は、「国民国家」の下では、本来なら人種平等の理念によって「解放」される流れにあるはずでした
「解放」というのは、普通の国民としての市民権を得る、ということでしたが
「権力の庇護を受けるため、とにかく権力者に忠誠を誓って生きる」というのが彼らの伝統的な生き方であり
それ以外の生き方を知らなかった彼らは、国が帝国主義から国民国家に変わった後も、ハプスブルク家に忠節を誓う以外に
生き方を知らなかったと言えます。。。だから、多くのユダヤ人が、普通の国民として生きることを受け入れませんでした

ですから、彼らの迫害の背景には、旧体制(国王)の協力者としての特殊な地位が憎しみの対象になった、ということがありました
そしてもちろん、彼らのその特殊な考え方が、非ユダヤ人には受け入れられず、差別の対象となっていたことは否めません
ナチスは、「偉大なドイツの統一を邪魔するユダヤ人」という彼らの特殊で象徴的な立場を、宣伝戦(プロパガンダ)に利用しました
こうしたことがあったわけです

それで、肝心のナチスについてですが、もうその特徴から見ても、明らかに帝国主義思想そのものです

長くなりますので今回はこれで
ここまで読んでくださった方は、次回も是非読んでいただきたいと思います
次回は、ドイツ・ヨーロッパの抱えるユダヤ人への複雑な思いとEU、イスラエルからみたグローバリズムと反グローバリズム
こうした事を考察ののち、最終の結論を述べたいと思っています
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与党に反省させるには今しかない。。それには投票率を上げることが必要です

2022-07-05 03:00:32 | 政治
タックス・クレジットについては、以前にも私の日記で紹介し、説明した覚えがあります
トランプ大統領の政策としてタックス・クレジットを紹介したとき、私自身もこの政策は素晴らしいと思いました


この考え方は、及川さんはミルトンさんと言っていますが、実はMMT派には悪名高いミルトン・フリードマン教授の考えです
実際の名称は Negative Income Tax(マイナスの所得税)というものです
この政策のミソは二つ、「働く者が得をする税制」と、「シンプルな税制」です

「働く者が得をする税制」について
働くことで、生活保護よりも所得が「必ず多くなる」、ということは、働く意欲を上げるためにとても大事です
ただ、このタックス・クレジット税制にも一つ問題があります
問題というのは、以前にも取り上げました「スピーナムランド法」の問題点と同じものです
政府が所得補填をあまりにも手厚くしすぎると、逆に問題が起きる可能性があります
政府の手厚い賃金補填によって、「企業側が法外に低い賃金で労働者を雇用する」、という事が起きる可能性があるのです
その場合、雇用主は安い賃金で労働者を雇えますが、労働者は雇用主が企業なのか政府なのかが分からなくなります
例えば、「年間所得が50万円で、税控除で100万円労働者に返還される」、ということになると、これも問題があるわけです
この状態が増えると、企業が意図的に賃金カットを行い、結果的に政府が生活保護を出すのと変わらなくなります
だから、制度設計には慎重を期す必要があるわけですが、基本的には、この政策を積極的に取り組む価値があると思います

そしてもう一つ、「シンプルな税制」が大事であるのは、働き方に制限を付けることなく豊かになれることが大事であるからです
まず、複雑な税制が家庭の所得にマイナスになっているのは
「パートタイマーの主婦は、所得が多すぎると扶養家族から外れてしまう」、という問題です
この問題を解決するのは、唯一、「シンプルで安い税制」しかないのです
基本的には「フラットタックス」がベストです
夫婦で働いた場合でも、所得がいくら増えようが、税率は一律10%、という事になれば、働く意欲が高くなります
シンプルだからこそ頑張りがいがあるわけです
この考え方は、上智大学名誉教授、故渡部昇一先生も提唱されておられました
「勤勉革命」にぴったりの政策だと私は思います

最後に。。。今回の参院選では、メディアは与党優勢と報じていますが、実は彼らがやっているのは世論誘導である可能性があります
及川さんが言っている通り、「投票率が低ければ低いほど与党有利」は変わりません
ですから、メディアが与党有利を報じることで、有権者をできるだけ投票に行かせないようにしている可能性もあります
だから国民は、投票に行かなければ何も変わらないのです
今回の選挙は、国政の形が変わる選挙ではありません、与党が大敗しても大勢に影響はないのです
逆に、与党に勝たせたら。。。その時は今の「何もしない」日本政府を肯定していることになります
いや、経済を破壊してでも増税し、日本国民の自由を縛る政府を、日本国民が望んでいるという事になります

今回の選挙は、是が非でも投票率を上げ、そして「与党には絶対に投票しない」という強い意志が必要です
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