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安い税金と小さな政府を切望するふきあえずのブログ

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通貨に関する一考察

2025-04-13 23:51:21 | 政治

今日は通貨に関する話です

金投資を推奨している地政学の専門家にジム・リカーズという、元CIA職員で米国政府顧問でもあった人がいます

この方の国際情勢に関する見識は大したもので、割と信頼のおける情報を発信する方なのですが

特に、この方の独自の通貨理論と言いますか、通貨に関する見識は一考に値するものがあります

いま世の中は金価格高騰が話題になっていますが、本当は逆なのではないかという発想がありません

「円が価値を下げている」ことには、あまり関心が向かないんですね

実はこの、「通貨の価値が下がっている」という点において、面白い視点があるんですね

 

以前から私は、「通貨の価値は、その通貨で何が買えるか?によって決まる」と申し上げております

ですから、これまでのブレトンウッズ体制によって、最初は「ドルによって金を買うことができる」

というのがドルの価値を高めていたし、ニクソンショック以降は、「ドルによって石油を買うことができる」

というのが、ドルの価値を支えてきたんですね

ところが。。。。です

こういうドルのような基軸通貨は、それを発行する国を「必ず」衰退させます

それが金融における自然の摂理なんですね

実は、アメリカにおいてドルを発行し続けることこそが、国を衰退させる原因にもなっているわけです

逆説的で面白いでしょ?今からその理由をお話しします

 

この基軸通貨というものは、世界共通の通貨として様々な国において需要が高まります

だからこそ、あらゆる国がその通貨。。。つまりドルを手に入れるために、アメリカへの輸出を増やそうとします

そう、勘の良い方ならもう気がついたでしょう

「ドルが基軸通貨である以上、アメリカの貿易赤字は構造的に増え続ける」

これが基軸通貨を持つ国の宿命なのです

そしてそれが今のアメリカの宿命であり、アメリカの衰退の遠因です

なぜアメリカは衰退する宿命にあるのか?

それは、「アメリカが他国から物を買う事によって、ドルを世界中に普及する事ができるから」です

そして、アメリカが輸入を増やすことにより、産業が空洞化し、製造業が減少し、アメリカ人の収入が減っていきます

アメリカ人のクレジットカード残高が史上最高を更新しているのも、貿易赤字とセットの結論なのです

なぜなら、アメリカでは製造業が減っていて、働き場所はサービス業がほとんどなので収入は増えない

なのにインフレで生活必需品は高騰し続けている。。。支出は増えてクレジットカード残高も増えているわけです

 

通貨というものは、その通貨で買えるものが多くなるほど価値が上がり、逆だと価値が下がります

アメリカにはもう、他国に売るものがあまりなくなってきているのです

産業の空洞化のせいでね

例えば、日本のある種の保守には認めたくない事実かもしれませんが

実は、アメリカはウクライナ戦争や中東での戦争継続もままならないほど、兵站(へいたん)が不足しています

それは鉄鋼産業から始まって、部品加工業などの産業が空洞化し、武器の製造能力が極端に低下しているからです

実のところ、ウクライナ戦争で明らかになったのが、ロシアの兵站能力がアメリカを凌駕している、ということです

ロシアは意外と重工業が発達しており、武器兵站の供給能力が高いのですよ、新兵器の製造能力も含めてね

トランプ大統領は、この事態に非常な危機感を抱いていると思われます

結論を言ってしまえば、そういう状態だからこそ、アメリカを復活させるために、他国に関税をかけようとしているわけです

これ、決して一過性の思い付きじゃないんですよ、産業構造の変革を起こそうとしているんです

他国からの輸入を制限し、アメリカの製造業を本気で復活させようと、トランプは考えているわけです

 

このように、基軸通貨を支える国は、本当は損な面があります

強くなった通貨は、それだけで世界中から求められますので、宿命的に、その国は貿易赤字が増えます

さあ、世界の基軸となる通貨を、アメリカの次に持つのはどの国なのでしょうか?

中国でしょうか?EUでしょうか?それともロシアでしょうか?インドでしょうか?やっぱりアメリカが持ち直すのでしょうか?

ただこれだけは言えるのは、世界の文明の中心国は、その国の通貨の世界的普及によって影響力を強めますが

通貨の普及によって徐々に国力を低下させる運命にあります。。。文明の栄枯盛衰と持ち回りですね

 

そして最後の考察ですが

これからアメリカは、世界の基軸通貨としてのドルの地位を一時的に低下させたとしても

産業構造を本気で改革する大変革時代に入ります

一時的に通貨価値の不安定な時代に入リますから、これから相対的に価値を高めるのは、やはり金だと私は思います

そしてもう一つ新たな可能性として残るのが、暗号通貨、暗号資産の位置づけです

いま、暗号資産の世界では、金の価値に連動した暗号資産が出てきています

アメリカは暗号資産をリードする国としての地位を確保する、とトランプは宣言していますので

ある意味、中央銀行の影響を受けないブロックチェーン技術に基づく世界共通通貨を創ろうとしている可能性もあります

新時代は、我々の思いもよらない方向から開けてくるのかもしれません

 

それでは今日はこれまでとします

ではまた


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