好酸球性副鼻腔炎

好酸球性副鼻腔炎について知っていただくために開設したブログです。現在更新は行っていません。

なぜ鼻副鼻腔炎が一番多いのか

2011-08-22 20:54:59 | 好酸球性副鼻腔炎一般

アスピリン喘息、好酸球性中耳炎、好酸球性副鼻腔炎のうち、副鼻腔炎が最も多く、また最初に発症することが多いのはなぜでしょうか。その理由は不明です。血中の好酸球が増えているのに、炎症を起こすのが気道だけなのがなぜかも、不明です。

似たような粘膜ですが、この三者の粘膜は全く同じではありません。鼻副鼻腔の粘膜が一番厚く、おそらく血流や細胞成分も一番多いということも、理由のひとつかも知れません。

好酸球性炎症が悪化する引き金になるものは、食べたり飲んだりして、消化器で吸収され、血流を介して局所に届く場合と、空気といっしょに吸い込んで直接気道に入る場合と、二通りあります。

鼻は、吸い込んだ空気が一番はじめに入る場所です。鼻はもともと、空気の中の有害なものを、粘膜の表面の粘液に吸着したり、空気に適度の温度と湿度を与えたりして、下気道を守るためにあるのです。鼻は、三者の中で、最も大量の有害なものに曝されて、自らが犠牲になって気管支や肺を守っていると言ってもよいでしょう。好酸球性副鼻腔炎が一番多く、最初に起きることが多いのは、そのせいかも知れません。そうであれば気道の好酸球性炎症は一般に、外界から空気と一緒に入ってくる何者かが、重要な原因になっている可能性が高いことになります。

また、鼻副鼻腔で起きている好酸球性の炎症は、気管支と比べると桁違いに強くなります。鼻茸は究極のリモデリングかも知れませんが、気管支でそのようなものができたら、それだけで息ができなくなってしまいます。副鼻腔でも気管支でも、杯細胞が増えて粘度の高い分泌物が貯まりますが、気管支炎で副鼻腔炎で起きているような貯まり方をすれば、やはり息ができません。

好酸球性副鼻腔炎の粘膜です。赤紫色に染まっているのが、杯細胞から分泌されるムチン(高粘性分泌物)です。

幸い副鼻腔は息の通り道としては脇道ですし、鼻腔は気管支に比べると、とても広いですし、鼻呼吸ができなければ口呼吸ができますから、鼻副鼻腔で強い炎症が起きても、それで窒息することはありません。しかし口呼吸では、鼻が本来持っている気管支を守る働きがないまま、有害なものが直接奥まで入ってしまいますから、鼻を治すことは、気管支喘息の改善にもつながると考えられています。

 

 

 

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6 コメント

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Unknown (GON)
2011-08-22 21:49:20
好酸球。私にとって《生命を脅かす敵》と認識致しました。
見えぬ敵とどのように戦っていくかは、参謀に任せますが、
城主たるものも、ある程度敵を知っておかなければ・・・

毎回、勉強させて頂いております。ありがとうございます。

でも、何故、敵の襲来は夜と朝方に多いのでしょうか?
お風呂上がりの襲来も多かったなぁ・・・
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Unknown (himawaritomte)
2011-08-22 23:33:10
 花粉症やハウスダストアレルギーの鼻炎症状が朝出やすいのは、モーニングアタックと呼ばれ、朝起きたばかりのときは、鼻を含めた体の調節をする自律神経がまだ目覚めていないために、起こるとされています。アレルギー性鼻炎の患者さんは、入浴時などの温度変化で、くしゃみが出やすい方も多いです。
 アレルギー性鼻炎ではよくあることなのですが、副鼻腔炎あるいは喘息の症状が、出るということでしょうか。
 GONさんは、夜、朝方、あるいは風呂上がりにどんな症状が出るのでしょうか。さしつかえなければ教えてください。
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Unknown (GON)
2011-08-23 20:17:46
>夜、朝方、あるいは風呂上がりにどんな症状が出るのでしょうか?

一番酷い時期を思い起こすと、入浴後、くしゃみが引き金となって
鼻水、くしゃみが酷い状態になることが多かったです。
尋常でない鼻水の量でした。
点滴の早めのポタポタ状態がおよそ3時間続き、
鼻をかむとティッシュが3枚重ねでも、対処できないぐらいドバッと・・・
口の中では、上顎が下がってきているのではないかと思うくらい
もったりと口内上部が重くなっていました。
氷を口内に投入するとちょっと楽になったかなぁ・・・
気休めだったのかも知れませんが。
それが毎日毎日。夜になるのが億劫でした。
そうこうするうち日中でも、
ちょっとしたことが引き金で、同様の症状が続くようになり、
イライラして思いっきり鼻をかんでかみまくり
中耳炎まで発症。ってな具合です。

私の場合、喘息の発作も同様にして起こることがありました。
不思議と喘息がひどい時は、鼻の症状はそれほど酷くない印象があります。

朝のくしゃみ・鼻水は、
今でも『おはよう』挨拶代わりにちょくちょく出現します。
不安定な状態にあると、朝のくしゃみが引き金となって
凄いことになることもありました。

先生のおっしゃる通り、鼻は放置していても、窒息することはないし
『鼻の調子が悪るければ、代わりに喘息は落ち着いていられる』なんて
変な自負もあり、鼻の治療が遅れてしまいました。
今となっては、反省しきりです。

汚らしい表現で長々とすみません。
患者として何でもオープンにコメント致しますので
何なりとご質問くださいませ。

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Unknown (himawaritomte)
2011-08-23 23:46:06
GONさん、ありがとうございます。朝や入浴時の症状は、鼻炎の症状が主のようですね。喘息も、鼻炎と同じ理由で、早朝出ることがあるようです。鼻の調子が悪ければ、喘息は落ち着いていられるというのは、比較的珍しいことのように思います。
いずれにせよ、今は、一番酷い時期を脱したとのこと、よかったですね。
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Unknown (GON)
2011-08-26 21:38:18
>鼻の調子が悪ければ、喘息は落ち着いていられるというのは、比較的珍しいことのように思います。
そうですよね。気管支はステロイドの吸入で炎症が抑えられていたので、
鼻に症状が現れていただけなんですよね。

点鼻ステロイド休止17日目にして、
就寝前のくしゃみ、鼻水状態が復活してしまいました。
少しだけ何か臭うこともあった嗅覚もゼロになってしまいました。

喘息同様、鼻にも定期的な点鼻ステロイドが必要なようです。

余談ですが、ちょっと書かせて頂きます。
私はお風呂上がり蕁麻疹が出現するという症状もあります。
(今は薬を飲んでいるので、抑えられておりますが・・・)
左右対称に主に太もも部分を中心に現れていました。
ある日、『また痒くなるんだったら入浴前に痒みどめを塗ってしまえー』と思い立ち
入浴前に《オイラックス》を太ももに塗布致しました。
そしらたですね、塗布した所を避け、上下に蕁麻疹が広がりました。
お尻には普段は蕁麻疹ができないのに驚きました。
患部は治療しているところは避け、移動するもんなんだぁ・・・と思いました。

完全に治療している気管支を避け、
患部が未治療の副鼻腔に移動するということはあり得るのでしょうか?

気管支も副鼻腔もしっかり治療してしまうと
患部が他の部分(中耳など)に移動するのではないかと、ちょっと考えてしまいます。
返信する
Unknown (himawaritomte)
2011-08-27 22:57:52
”患部は治療しているところは避け、移動する”、というのは、一般的ではありませんが、そのような考え方もあります。
近年アレルギー性の病気が増えているのは、細菌や寄生虫の感染を減らし過ぎて、その分、体の防御反応がアレルギーに向かってしまったからだという主張は、証拠がないものの、根強いようです。
しかし、鼻を治した方が、中耳炎も喘息も軽くなるというのが、一般的な考え方で、実際そういう方の方が多いです。
”気管支も副鼻腔もしっかり治療してしまうと患部が他の部分(中耳など)に移動する”、というよりも、本来全身的な病気なのに、局所の治療しかしていないので、治療していない部分の症状が出る、というようにも考えられます。
いずれにせよ、GONさんの症状は、この病気の治療を考える上での、ヒントになります。コメントありがとうございました。
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