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メイヨクリニックの紀太先生は、慈恵医大の松脇先生が留学中に指導を受けた先生です。今回の学会でも、いくつかの講演をされました。
松脇先生もシンポジストのひとりだったシンポジウムでは、紀太先生は、TSLP、IL25、IL33といった気道上皮におけるアレルギーあるいは炎症に重要なサイトカインのこと、アルテルナリア(副鼻腔に炎症を起こすカビの代表)とプロテアーゼ活性化受容体の関係、などを話されました。
紀太先生は別の日に、好酸球についての講演もしてくださったのですが、日程の都合で私は聞けませんでした。かわりに、本年のImmunological Reviewsに載っていた、先生の好酸球についての総説を読みました。以下はその内容です。好酸球についての最近の考え方は、1980年以前の好酸球善玉説、それ以降の完全な悪玉説のように単純ではないようです。
好酸球は、外部からの刺激がないときと、サイトカインや抗原の刺激を受けて部分的に活性化したとき、そしてさらに侵入してきた微生物(細菌など)やその毒素などで刺激を受けて完全に活性化したときでは、その働きがちがうということです。
刺激のない状態では、粘膜組織の状態を一定に保つ働きがある可能性があります。部分的に活性化された好酸球は、サイトカインなどを出して、免疫の調節や、組織の修復に関与するということです。そして完全に活性化されると、好酸球の中の顆粒にあるいろいろな物質によって、侵入した微生物を攻撃し、同時に自分の粘膜組織も破壊してしまいます。
すぐ臨床に結びつく内容ではありませんが、好酸球の炎症における働きがもっと詳しく分かれば、いずれは新しい治療にも結びつくはずです。