好酸球性副鼻腔炎とは
好酸球性副鼻腔炎とは、多発性の鼻茸(鼻ポリープ)で鼻閉と嗅覚障害を起こし、通常の薬が無効で、内視鏡下鼻内手術を行っても再発が多い、難治性副鼻腔炎です。白血球の一種である好酸球が、血液や粘膜で増えているのが特徴です。しばしば喘息(とくにアスピリン喘息)を伴い、好酸球性中耳炎を合併することもあります。アスピリン喘息とは、ほぼすべての解熱鎮痛剤と、着色料や防腐剤などいろいろな誘発物質で喘息を起こす病気です。
この記事は、先週chocoさんからいただいたコメントへの回答です。
私自身には、アスピリンの脱感作を行った経験も、行っている患者さんをみた経験もありませんので、一般的な知識しかありません。
日本では、アスピリン喘息に対しては、誘因となり得る鎮痛解熱剤や他の化学物質を避けることが主体で、脱感作は一般的な治療ではありません。リスクが高いというより、必要性が少ないためであると思われます。
また、日本人にの患者さんに行った臨床的研究はありませんので、脱感作を行う薬の量も行う期間も、鼻ポリープ再発の低減率も、アメリカ人の患者さんのデータに基づくものだと考えられます。
根治的な治療が見つかっていないアスピリン喘息の患者さんにとって、この治療が効果の高いものであると嬉しいのですが。今のことろ、手放しでおすすめできる根拠はありません。
病気に積極的に立ち向かおうとされている方に対して、消極的な考え方を申しあげてすみません。
日本での一般的な考え方は、このブログの先生の考え方であると思います。
しかし、日本にも、みやびさんのブログへのコメントにあるように、積極的にこの治療を受けようという方も、いらっしゃいます。
4月5日、追記:国立相模原病院の先生のこの発表も参考になります。しかし、相模原病院のアスピリン喘息のサイトの治療の項を見ても、脱感作は載せておらず、相模原病院でも、一般的な治療として行われているわけではないのかも知れません。