現在使われている点鼻ステロイド薬を列挙してみます。商品名(一般名/添加物)
- オルガドロン点眼・点耳・点鼻液0.1%(デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム1mg/ベンザルコニウム塩化物液、ホウ酸、ホウ砂、エデト酸ナトリウム水和物、等張化剤)
- リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%(ベタメサゾンリン酸エステルナトリウム1mg/乾燥亜硫酸ナトリウム,塩化ナトリウム,リン酸二水素ナトリウム,リン酸水素ナトリウム水和物,水酸化ナトリウム,パラオキシ安息香酸メチル,パラオキシ安息香酸プロピル)
以上は、嗅覚障害の治療や、好酸球性中耳炎の点耳に用いられます。下のケナコルトは点鼻薬ではありませんが、好酸球性中耳炎の鼓室内注入に推奨されていますので、参考のために。保存料には、オルガドロンがベンザルコニウム、リンデロンがパラベン、ケナコルトがベンジルアルコールを用いています。私は使うのであれば、オルガドロンを選んでいます。
- ケナコルト-A筋注用関節腔内用水懸注40mg/1m(Lトリアムシノロンアセトニド/ベンジルアルコール、ポリソルベート80、カルメロースナトリウム、塩化ナトリウム及びpH調節剤)
- フルナーゼ点鼻液50μg56噴霧用(フルチカゾンプロピオン酸エステル/結晶セルロース、カルメロースナトリウム、ブドウ糖、ポリソルベート80、濃ベンザルコニウム塩化物液50、フェニルエチルアルコール、pH調整剤(希塩酸)) 各鼻腔1噴霧1日2回
- ナゾネックス点鼻液50μg112噴霧用(モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物/ベンザルコニウム塩化物,ポリソルベート80,結晶セルロース・カルメロースナトリウム,グリセリン,pH調整剤) 各鼻腔2噴霧1日1回
- アラミスト点鼻液27.5μg56噴霧用(フルチカゾンフランカルボン酸エステル/結晶セルロース、カルメロースナトリウム、ブドウ糖、ポリソルベート80、ベンザルコニウム塩化物液、エデト酸ナトリウム水和物) 各鼻腔2噴霧1日1回
- アルデシンAQネーザル50μg(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル/ベンザルコニウム塩化物、ポリソルベート80、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、濃グリセリン、プロピレングリコール、pH調整剤) 各鼻腔1噴霧1日4回
- リノコートパウダースプレー鼻用25μg(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル/ヒドロキシプロピルセルロース,ステアリン酸マグネシウム,ステアリン酸) 各鼻腔1噴霧1日2回
- エリザスカプセル外用400μg(デキサメタゾンシペシル酸エステル/乳糖水和物)各鼻腔1噴霧1日1回
以上は、主にアレルギー性鼻炎の治療に用いられますが、好酸球性副鼻腔炎に用いられることもあります。
従来の点鼻薬が1日4回ないし2回であったのが、新しい薬(アラミスト、ナゾネックス、エリザス)では、1日1回になっています。
1本で最も長く使えるのは、ナゾネックス112噴霧で、4週間使えます。ナゾネックスには56噴霧用もあります。フルナーゼ56噴霧用(2週間)は、瓶が持ち運びしにくいという欠点があるようです。フルナーゼには、28噴霧用と小児用(1回の噴霧が半量で、56噴霧使える、日本独特のもの)があります。
たいていの薬に、保存料としてベンザルコニウムが使われています。リノコートとエリザスは、粉なので保存料が入っていませんが、霧状の噴霧薬に比べて、使用感の問題なのか、あまり使われていないようです。リノコートにも、カプセルタイプがあります。
フルナーゼには、フェニルエチルアルコールが含まれて独特の香りがありますが、最近は無臭のものが主流になっています。