「単衣(ひとえ)の時期のキモノって、帯や小物の合わせ方が難しい……」
着物を着るようになって「そろそろ夏のキモノにも挑戦したいな」と考えたころ、誰もが悩むことではないでしょうか。私もそうでした。
6月と9月は、裏地の付いていない単衣の着物を着ます。これは、おそらく多くの方がご存じだと思います。
しかし、いざ着るとなると、「帯はどうすればいいの?」「半衿は?」「襦袢は?」「帯揚げや帯締めは?」などと、いろいろなギモンが出てきます。
キモノ本やインターネットで調べてみても、諸説あってどれが本当なのかわからず、ますます悩んでしまうことも。
あるいは、帯や小物のことまで考えずに着てしまって、後からわかって「この組み合わせはマズかったかしら……」と不安になることもあるかもしれません。
私自身、このような経験をしながらこれまで着物を着てきて、最近ようやく、単衣の時期に悩まずにすむようになりました。
本やインターネットで情報を集めることももちろんしましたが、それだけではわからないこともありました。試行錯誤を繰り返し、ほかの方の着姿を観察しながら、少しずついろいろなことがわかってきました。
そんな私の体験をもとに、「単衣の時期のキモノ」についてまとめてみました。
「単衣のキモノを着たいけど、いろいろ難しくて……」という方のご参考になれば幸いです。
★キモノ本やインターネットなどでの情報をふまえたうえで、実際に着ている方々の様子を観察し、それらを総合的に判断して自分なりの(今のところの)結論を出したものです。私自身の考えもあくまで「一説」であり、「これが絶対」というものではありません。
ただ、「本などではこう書かれているけれど、実際にほかの人の様子を見てみるとこういうのもアリ」という観点でまとめておりますので、「実地調査的」な資料としてご参考にしていただけるのではないかと思います。
★ここでご紹介している例は、観劇や日常的なお出かけなど「インフォーマル」のシーンでの傾向を分析してまとめたものです。茶事など、季節の装いが厳格な場面では、専門の方にご相談なさることをおすすめします。
■大原則
「とにかくこれだけは押さえておけば、恥をかかなくてすむ」というポイントをご紹介します。基本はたった3つなので大丈夫です。
(1)半衿、帯揚げ、帯締めの季節感を統一する。
半衿を絽(麻の半衿は盛夏用なので避ける)にしたら、帯揚げも絽にし、帯締めも夏向きのものにします。
6月の前半は、気候によって、半衿や帯揚げを絽にするかどうか決めれば構いません。
絽にしない場合、半衿は塩瀬かビーズ、帯揚げは薄手の綸子(りんず)がよいです。
ちりめんや絞りの半衿、ちりめんの帯揚げは、暑く見えるので避けます。
★呉服屋さんなどが示されているガイドラインでは、絽でない半衿を用いる場合は「絽ちりめん」や「楊柳」「たてしぼ」とされているようです。
ただ、これまで目にしたなかで、楊柳やたてしぼの半衿を使っている方はほとんどいらっしゃいませんでした(おそらく、楊柳やたてしぼの半衿はあまり出回っていないからだと思われますが……)。塩瀬で代用されている方がほとんどのようです。
★「6月前半は単(ひとえ)の帯。半衿や帯揚げは6月に入ったら夏物にする」という考えもあり、「単または塩瀬の帯+絽の半衿・帯揚げ、夏向きの帯締め」の組み合わせでも問題ないようです。
そのため、「帯、半衿、帯揚げ、帯締めの季節感を統一」を「半衿、帯揚げ、帯締めの季節感を統一」に修正しています。
ただ、塩瀬の帯の場合は芯が入って厚みがありますから、半衿や帯揚げが絽になっているとちょっとバランスが悪いかも、と個人的には思います。
6月に入ってすぐに半衿・帯揚げ・帯締めを絽や夏物にしている方は、実際にはあまり見かけません。前半のうちは気候に応じて替えている方が多いようです。
★ここでご紹介している例は、観劇や日常的なお出かけなど「インフォーマル」のシーンでの傾向を分析してまとめたものです。茶事など、季節の装いが厳格な場面では、専門の方にご相談なさることをおすすめします。
(2)6月前半は、気候にあわせて帯を決める。
6月の前半は基本的には単(ひとえ)の帯ですが、暑い日は夏帯でも構いません。ただしその場合、紗など透け感の強いものや麻は避け、絽袋帯、絽塩瀬、絽ちりめん、絽つづれなどにしたほうがよいです。
涼しい日は、単の帯か塩瀬の帯にします。塩瀬の帯は、芯が入っていても単衣の着物に合わせることができます。
(単の帯とは、芯を入れず、裏地をつけずに仕立てる帯のこと。つづれ帯や博多帯などがこれにあたります)
6月後半になったら、夏帯に切り替えます(ただし、麻の帯は盛夏用なので7月になってからになります)。
夏帯にした場合は、半衿、帯揚げなどの小物も必ず夏物にします。
★博多帯は通年可ですので、6月後半以降も締められます(紗献上は盛夏用です)。
★6月前半は単または塩瀬の帯、6月後半は夏帯と明確にわける考えもあるようです。
実際には、6月前半でも暑い日なら夏帯を締めている方も多く見られます。
さすがに5月に夏帯は不自然だと思いますが、6月前半なら、透け感の強い帯でなければ、見た目にも感覚的にも違和感はないと思います。
★ここでご紹介している例は、観劇や日常的なお出かけなど「インフォーマル」のシーンでの傾向を分析してまとめたものです。茶事など、季節の装いが厳格な場面では、専門の方にご相談なさることをおすすめします。
(3)9月のお彼岸以降は夏帯を締めない。
秋のお彼岸になったら、単の帯か塩瀬の帯に完全に切り替えます。お彼岸以降は、重たい雰囲気のものでなければ袷用の帯でも構いません。
■暑さは下着(襦袢)で調節
暑いとついつい薄物(透け感のある盛夏用の着物)を着たくなるかもしれませんが、6月から薄物を着たり、9月の10日を過ぎても薄物を着たりしているのは、見た目にも不自然になってしまいます(透け感がある着物でも、「紗袷」は単衣の着物と同じ扱いです)。
暑いときは襦袢で調節すれば、着物は単衣でもわりと快適に過ごせます。
比較的涼しいときは楊柳(ようりゅう)※1の単衣襦袢が適しています。
暑いときは絽や海島綿(かいどうめん)など夏用の生地にするとよいでしょう。
麻の襦袢は本来盛夏用ですが、紬や御召など織りの着物や、木綿の着物などに合わせるのであれば違和感がないと思います(ただし6月の涼しい日は避け、9月はせいぜい初旬までにしておくほうがよいと思います)。
「うそつき襦袢」(袖の部分がマジックテープで取り替えられるようになっている襦袢)を利用すると、気候にあわせて袖だけ取り替えればよいので便利です。
うそつき襦袢や半襦袢は身頃の部分が木綿になっているので、肌襦袢を着なくて済みますから、暑い日でもわりと快適です。
私は、体に晒(さらし)を巻いた後、肌襦袢を着ないでそのまま半襦袢やうそつき襦袢を着ています。晒は補正のために巻くのですが、肌襦袢の代わりに汗を吸ってくれるので一石二鳥です。
ちなみに、無双(むそう)仕立て※2になっている襦袢は、3月までしか着ません(袖の部分だけ無双で胴の部分だけ単衣になっている襦袢なら、袷の着物になら合わせることが可能です)。市販のうそつき襦袢用替え袖には無双のものが多いので、気を付けましょう。
※1楊柳……縦しぼのある生地。
※2無双仕立て……長襦袢の仕立て方の一つ。袖や身頃の部分が二重になる。
★ここでご紹介している例は、観劇や日常的なお出かけなど「インフォーマル」のシーンでの傾向を分析してまとめたものです。茶事など、季節の装いが厳格な場面では、専門の方にご相談なさることをおすすめします。
■帯締めは、通年使える冠組(ゆるぎ)や三分紐が便利
夏物の帯締めは、レース状のものやメッシュ状になっています。
夏物の帯締めがない場合でも、冠組や三分紐は一年を通して使えますので、それらを活用すると便利です。ただし、濃い色のものは暑苦しいので避け、白や淡い色にします。冠組は、幅や厚みの少ないものにしたほうが見た目にも涼しげでよいでしょう。
いかがでしたか?
大原則さえふまえておけば、それ以外の部分は気候などにあわせて臨機応変に対応して構わないのです。
「こういう場合はこういう組み合わせ」と暗記するのではなく、筋道を立てて考えていけばおのずと答えが出てきますので、それほど難しいことはありません。
臆せずどんどん着物を着て、じめじめした梅雨を明るい気分で乗り切ってください。
(6月10日、★印の注記を追加しました)
着物を着るようになって「そろそろ夏のキモノにも挑戦したいな」と考えたころ、誰もが悩むことではないでしょうか。私もそうでした。
6月と9月は、裏地の付いていない単衣の着物を着ます。これは、おそらく多くの方がご存じだと思います。
しかし、いざ着るとなると、「帯はどうすればいいの?」「半衿は?」「襦袢は?」「帯揚げや帯締めは?」などと、いろいろなギモンが出てきます。
キモノ本やインターネットで調べてみても、諸説あってどれが本当なのかわからず、ますます悩んでしまうことも。
あるいは、帯や小物のことまで考えずに着てしまって、後からわかって「この組み合わせはマズかったかしら……」と不安になることもあるかもしれません。
私自身、このような経験をしながらこれまで着物を着てきて、最近ようやく、単衣の時期に悩まずにすむようになりました。
本やインターネットで情報を集めることももちろんしましたが、それだけではわからないこともありました。試行錯誤を繰り返し、ほかの方の着姿を観察しながら、少しずついろいろなことがわかってきました。
そんな私の体験をもとに、「単衣の時期のキモノ」についてまとめてみました。
「単衣のキモノを着たいけど、いろいろ難しくて……」という方のご参考になれば幸いです。
★キモノ本やインターネットなどでの情報をふまえたうえで、実際に着ている方々の様子を観察し、それらを総合的に判断して自分なりの(今のところの)結論を出したものです。私自身の考えもあくまで「一説」であり、「これが絶対」というものではありません。
ただ、「本などではこう書かれているけれど、実際にほかの人の様子を見てみるとこういうのもアリ」という観点でまとめておりますので、「実地調査的」な資料としてご参考にしていただけるのではないかと思います。
★ここでご紹介している例は、観劇や日常的なお出かけなど「インフォーマル」のシーンでの傾向を分析してまとめたものです。茶事など、季節の装いが厳格な場面では、専門の方にご相談なさることをおすすめします。
■大原則
「とにかくこれだけは押さえておけば、恥をかかなくてすむ」というポイントをご紹介します。基本はたった3つなので大丈夫です。
(1)半衿、帯揚げ、帯締めの季節感を統一する。
半衿を絽(麻の半衿は盛夏用なので避ける)にしたら、帯揚げも絽にし、帯締めも夏向きのものにします。
6月の前半は、気候によって、半衿や帯揚げを絽にするかどうか決めれば構いません。
絽にしない場合、半衿は塩瀬かビーズ、帯揚げは薄手の綸子(りんず)がよいです。
ちりめんや絞りの半衿、ちりめんの帯揚げは、暑く見えるので避けます。
★呉服屋さんなどが示されているガイドラインでは、絽でない半衿を用いる場合は「絽ちりめん」や「楊柳」「たてしぼ」とされているようです。
ただ、これまで目にしたなかで、楊柳やたてしぼの半衿を使っている方はほとんどいらっしゃいませんでした(おそらく、楊柳やたてしぼの半衿はあまり出回っていないからだと思われますが……)。塩瀬で代用されている方がほとんどのようです。
★「6月前半は単(ひとえ)の帯。半衿や帯揚げは6月に入ったら夏物にする」という考えもあり、「単または塩瀬の帯+絽の半衿・帯揚げ、夏向きの帯締め」の組み合わせでも問題ないようです。
そのため、「帯、半衿、帯揚げ、帯締めの季節感を統一」を「半衿、帯揚げ、帯締めの季節感を統一」に修正しています。
ただ、塩瀬の帯の場合は芯が入って厚みがありますから、半衿や帯揚げが絽になっているとちょっとバランスが悪いかも、と個人的には思います。
6月に入ってすぐに半衿・帯揚げ・帯締めを絽や夏物にしている方は、実際にはあまり見かけません。前半のうちは気候に応じて替えている方が多いようです。
★ここでご紹介している例は、観劇や日常的なお出かけなど「インフォーマル」のシーンでの傾向を分析してまとめたものです。茶事など、季節の装いが厳格な場面では、専門の方にご相談なさることをおすすめします。
(2)6月前半は、気候にあわせて帯を決める。
6月の前半は基本的には単(ひとえ)の帯ですが、暑い日は夏帯でも構いません。ただしその場合、紗など透け感の強いものや麻は避け、絽袋帯、絽塩瀬、絽ちりめん、絽つづれなどにしたほうがよいです。
涼しい日は、単の帯か塩瀬の帯にします。塩瀬の帯は、芯が入っていても単衣の着物に合わせることができます。
(単の帯とは、芯を入れず、裏地をつけずに仕立てる帯のこと。つづれ帯や博多帯などがこれにあたります)
6月後半になったら、夏帯に切り替えます(ただし、麻の帯は盛夏用なので7月になってからになります)。
夏帯にした場合は、半衿、帯揚げなどの小物も必ず夏物にします。
★博多帯は通年可ですので、6月後半以降も締められます(紗献上は盛夏用です)。
★6月前半は単または塩瀬の帯、6月後半は夏帯と明確にわける考えもあるようです。
実際には、6月前半でも暑い日なら夏帯を締めている方も多く見られます。
さすがに5月に夏帯は不自然だと思いますが、6月前半なら、透け感の強い帯でなければ、見た目にも感覚的にも違和感はないと思います。
★ここでご紹介している例は、観劇や日常的なお出かけなど「インフォーマル」のシーンでの傾向を分析してまとめたものです。茶事など、季節の装いが厳格な場面では、専門の方にご相談なさることをおすすめします。
(3)9月のお彼岸以降は夏帯を締めない。
秋のお彼岸になったら、単の帯か塩瀬の帯に完全に切り替えます。お彼岸以降は、重たい雰囲気のものでなければ袷用の帯でも構いません。
■暑さは下着(襦袢)で調節
暑いとついつい薄物(透け感のある盛夏用の着物)を着たくなるかもしれませんが、6月から薄物を着たり、9月の10日を過ぎても薄物を着たりしているのは、見た目にも不自然になってしまいます(透け感がある着物でも、「紗袷」は単衣の着物と同じ扱いです)。
暑いときは襦袢で調節すれば、着物は単衣でもわりと快適に過ごせます。
比較的涼しいときは楊柳(ようりゅう)※1の単衣襦袢が適しています。
暑いときは絽や海島綿(かいどうめん)など夏用の生地にするとよいでしょう。
麻の襦袢は本来盛夏用ですが、紬や御召など織りの着物や、木綿の着物などに合わせるのであれば違和感がないと思います(ただし6月の涼しい日は避け、9月はせいぜい初旬までにしておくほうがよいと思います)。
「うそつき襦袢」(袖の部分がマジックテープで取り替えられるようになっている襦袢)を利用すると、気候にあわせて袖だけ取り替えればよいので便利です。
うそつき襦袢や半襦袢は身頃の部分が木綿になっているので、肌襦袢を着なくて済みますから、暑い日でもわりと快適です。
私は、体に晒(さらし)を巻いた後、肌襦袢を着ないでそのまま半襦袢やうそつき襦袢を着ています。晒は補正のために巻くのですが、肌襦袢の代わりに汗を吸ってくれるので一石二鳥です。
ちなみに、無双(むそう)仕立て※2になっている襦袢は、3月までしか着ません(袖の部分だけ無双で胴の部分だけ単衣になっている襦袢なら、袷の着物になら合わせることが可能です)。市販のうそつき襦袢用替え袖には無双のものが多いので、気を付けましょう。
※1楊柳……縦しぼのある生地。
※2無双仕立て……長襦袢の仕立て方の一つ。袖や身頃の部分が二重になる。
★ここでご紹介している例は、観劇や日常的なお出かけなど「インフォーマル」のシーンでの傾向を分析してまとめたものです。茶事など、季節の装いが厳格な場面では、専門の方にご相談なさることをおすすめします。
■帯締めは、通年使える冠組(ゆるぎ)や三分紐が便利
夏物の帯締めは、レース状のものやメッシュ状になっています。
夏物の帯締めがない場合でも、冠組や三分紐は一年を通して使えますので、それらを活用すると便利です。ただし、濃い色のものは暑苦しいので避け、白や淡い色にします。冠組は、幅や厚みの少ないものにしたほうが見た目にも涼しげでよいでしょう。
いかがでしたか?
大原則さえふまえておけば、それ以外の部分は気候などにあわせて臨機応変に対応して構わないのです。
「こういう場合はこういう組み合わせ」と暗記するのではなく、筋道を立てて考えていけばおのずと答えが出てきますので、それほど難しいことはありません。
臆せずどんどん着物を着て、じめじめした梅雨を明るい気分で乗り切ってください。
(6月10日、★印の注記を追加しました)
本当に助かりました。
(眠い目をこすりながら書いた甲斐がありました……うるうる)
私のもあくまで一説だとは思うのですが、
■半衿を絽にしたら帯揚げも絽、帯締めも夏向きのもの
というのはほぼ共通して言えることのようなので、このツボさえ押さえておけばきっと大丈夫ですヨ!
あとは、気候や時期に合った帯になるように気を付ければ十分だと思います。
博多の帯でしたら通年締められますので、6月後半になっても引き続き使えて便利です。
以前は、単衣の時期っていろいろ大変だなあ……と思っていたのですが、実は「気候にあわせてフレキシブルに対応できる期間」なんだなあ、と思ったら結構楽になりました(笑)。
ほとんど線を引いたので、真っ赤になりました~。
よくここまで、まとめてくださいました。
単衣の帯は一本だけ持っているのですが、色が濃い茶色なので、知らずに冬も締めてました。お恥ずかしい。。。
お店で、単衣の帯は博多以外は、あまり見かけません。置いてないのでしょうか?
半幅には単衣も袷もありますが、単衣を店で見ることは少なく、浴衣にも袷の半幅を合わせて売っています。
私はこれまで浴衣には単衣の半幅を締めていたのですが、浴衣=盛夏用=本当は絽・羅・紗の半幅なのでしょうか? 単衣の半巾は、浴衣には誤り? 袷の半巾は、浴衣には絶対ダメなものでしょうか?
袋帯は袋なので必ず裏が付いているから、単衣の袋帯は存在し得ないと考えてますが、それは正しいでしょうか?
なんだかゴチャゴチャして申し訳ありません。
うれしいですーー!
(少し注釈を加えてみましたので、またごらんいただければ幸いです)
帯のお悩み、よくわかります! 私も単衣の着物を着始めたとき、いろいろ調べているうちに「帯ってこんなにいろいろあったんだ……」と、愕然としました(笑)。
博多帯なら、単ですが通年締められますので、濃い色でしたら冬に締めていても全然違和感ないですよ。
単の帯は「芯や裏地を使わず、端をかがるだけで仕立てることが可能な帯」と考えるとわかりやすいかもしれません。
名古屋帯ですと、博多八寸名古屋帯、つづれ八寸名古屋帯、紬地八寸なごや帯、袋なごや帯などですね。
袋帯は、おっしゃるとおり、袋状になりますので単仕立てではないです。
そうなると、「袋帯をあわせるような単衣の着物の場合、帯はいったいどうすればいいの?」と迷いますよね。
私も迷ってこれまでにいろいろ観察した結果(笑)、
・格調高い柄のつづれ名古屋帯をあわせる
・6月前半でも、絽袋帯をあわせる
という方が多いようです。
半幅帯は、袋状(小袋帯)になっていても、夏でも締められますよ(もちろん浴衣にもOKです)。
>「袋帯をあわせるような単衣の着物の場合、
>帯はいったいどうすればいいの?」と迷いますよね。
>私も迷ってこれまでにいろいろ観察した結果(笑)、
>・格調高い柄のつづれ名古屋帯をあわせる
>・6月前半でも、絽袋帯をあわせる
>という方が多いようです。
礼装の場合は、
・絽袋帯をあわせる
・6月前半であまりにも涼しい日なら、袷用の袋帯をあわせる
が無難かもしれません。
5月、6月はいつも迷ってしまいます。
色々と伝授してくれる友人はいるのですが、その都度質問に答えてもらっているので他の着こなしに融通が利かないことも…
こんな風に指針があると助かります。自分で楽しむ際は良いのですが、人の集まるところに出掛けるときは基本を守らないと気後れしますからね。
微力ながらお役に立てて、よかったです
単衣の時期のキモノについてはほんとに諸説さまざまですし、お茶事など厳密なところでなければ、
・暑苦しく見えたり寒々しく見えたりしないように
・着物や帯、小物の季節感がかけ離れていないように
という考え方をベースにして、臨機応変に決めて大丈夫だと思いますよ
「こういう情報も書いておいたほうがいいかな」と、後からいろいろ思いついたので、注記を加えてみました。またご高覧いただければ幸いです。
浴衣には、小袋帯・単半幅・紗半幅どれでも良い、非常に不思議に思うところなのです。
半幅自体が普段のものなので、季節等堅苦しいことは言わない、なんて理由なのでしょうか。。。
半幅帯は、帯締めや帯枕を使わないので、袋状になっていないとしっかり締められない場合もあるでしょうし。
そもそも面積がせまいものなので、あまり暑さを感じなくてすむから夏冬問わないのかもしれませんし。
絽袋帯は夏帯でも袋状になっていますし、絽塩瀬は夏帯でも芯を入れて仕立てますので(そうしないとフニャフニャになって締められませんしね……)、「袋状になっている・芯あり=冬物」「袋状になっていない・芯なし=夏物」「という区分ではないんじゃないでしょうか。
半幅帯や絽の帯以外の帯を、「裏地の有無」で夏冬区別しているのは、単に、面積が広くて生地も厚みがあるので、単衣の時期の暑さを軽減するためだと思います。
それに対して絽や半幅は、もともと暑さを軽減できるつくりになっているものなので、夏物でも袋状になっていて構わない、ということなのではないかなあ……と思います。
(もちろん、「それでも暑い!」という方のために単や紗の半幅帯、紗献上の八寸帯などがあるのだとは思うのですが……)
間違いを恐れ、杓子定規的に袋=冬 等々分類しようとしてしまいます。場数が一番大事ですね。
ありがとうございました!