関吟譜名表の20番 通称「中上(ちゅうじょう)」
正式名称は、
中上引上げ揺り
11番への私個人のこだわりを前に書きましたが、それと同じ考え方の箇所が20番でも出てきます。
その前半の五から六へ至る音の変化は、上の写真にあるように、音階表には、なみなみの線で表していて、五六五のはっきりした音階は、書かれていません。
ですが、私は、「五ーー六五六」 と波打たせた音階で、吟じるのが好きです。
会員さんには、自立の時が来ましたから、私の通りにと強要するには根拠が、必要です。
20番の譜名表を見た限りではどこにもその吟じ方は、有りません。
確固たる意志をもっていても、これだと説明する根拠がありません。
それでも、わたしは、緩やかな音階で、吟じてほしいなぁ。
この考えは、大山の腰鰍ヘいけませんと、言い放っているわたしの日頃の言動とは、相反しています。
これが好きだからと言うのは、まだ、20番に関しては、許されると思っています。
個性として認めていただけるか、頂けないか、その瀬戸際かもしれませんね。
約束事、好み、選択
この吟じ方が、好きだと思ってくださる人にだけ、このように吟じていただきましょうか。
他教室のお稽古を知らなかったときは、私の吟じ方が唯一無二と思ってきたと思いますが、他教室の先生の吟じ方が、様々なニュアンスを持っていることに気づいた会員さんは、これから大いに迷うことでしょう。
五の音階での揺りが上揺りか下揺りかによって、六への上がり方にもひと工夫を要します。
それをきちんと理解して、選択できるには、やはり支えられた音が、出せることが、一番大事です。
支えられた声は、腹式呼吸が、その源です。
腹式呼吸ができるようになったら、出来るだけ遠くに息を吐く練習をします。
その息を吐いている途中で、声を出そうとします。
最初はできなくても、そのうち声が出せるようになったら、腹式発声ができたということになります。
その時に、腹式呼吸で大事なのは、息を吐くときもお腹をへこまさないということです。
簡単に腹式呼吸ができるようになったらといいますが、なかなか、一筋縄ではいかないものです。
筋肉に支えられてない、横隔膜を下げて、素早く肺に息を入れるテクニックは、気長にやりましょう。
最小限の息で、最大限の声を出せるようになりましょう。