風のこたろう

'05年4月6日~'07年4月7日 ウランバートル生活日記
'09年8月~  詩吟三昧の徒然日記

専門分野

2006年12月15日 | チンゲル亭裏日記

夫の専門分野は、語学のように目の前で成果を確かめられません。
2年単位で2期勤めた後でも、手ごたえを感じることが出来るのかは、未知数でした。

このところの、国内の動きとあいまって、地球物理教室の卒業生の給料が年々上がってきて外資系ではなくても高額をもらうようになっていること、教室から5人も採用されていることから、私には分からない将来への手ごたえを夫は感じているようです。

指導した人が、条件のよい会社に引き抜かれていったり、知らない間に、アメリカや日本へ留学したり、がっかりすることが重なっていた中で、今、とても期待できる人材が大学に残って成果を上げてきていること、それから、夫がずっと提案してきた、日本では当たり前の産学共同が実現したことが、夫の表情を明るくしているようです。

教師たちの給料が、生活を支えることが出来ず、資産家の道楽か、あるいは賄賂を得るための手段になっている現状で、産学共同によって正しく高額の収入が得られること、学生の就職先をまったく考えないモンゴルの大学の教授連の刺激になること、学生がその将来性について考えたとき、地質の中でも地味な地球物理が脚光を浴びるようになること、そして、その子たちが、夫の指導による教師陣から知識欲を満たされ、将来のモンゴルを担ってくれるようになること。

夫の、目線は、来年には無く、遠いモンゴルの繁栄を今目の前にいる学生たちが一翼を担うようになることにしかないようです。

夫は、3月に終わる活動のレメ[トに次の指導者を要請しないそうです。
なぜなら、せっかく自立をし始めたところに人を送り込むと、彼らはすぐに手を抜いてその人を頼って本当の自立につながらないからと。

次の人が来れば、夫の築いた基礎の重要さが、わかるのに。
このままだと、夫のしたことが、彼らの中に埋もれてしまう。

誇り高いモンゴル人は、「おかげさま」感覚が無いんだから。
自分が頑張ったから、自分だけが偉いと思うはず。

夫の頑張りは、遠い先にしか実を結ばない。生きている間に出来るのだろうか。
それも、誰にも気づかれないまま。

これが、壮大な夫の夢なのね。
感謝だのおかげ様などを、望んではいないのですね。

せめて、私が夫に勲章を贈呈することにしましょう。
私は、毎週子供の笑顔をもらってる。その瞬間で消えてしまうけど。
それが夫と私の手応えのサイズ。
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