風のこたろう

'05年4月6日~'07年4月7日 ウランバートル生活日記
'09年8月~  詩吟三昧の徒然日記

ザザのしっぽが!

2005年10月20日 | チンゲル亭
ベランダのドアを開けてびっくり!
ザザのお尻に、黒い哺乳瓶洗いがくっついている。

なんだ!これは!
べランダの物音に驚いて、ドアを開けてみるとザザがドアにへばりついていた。
最近、富に優雅に、心持を表すかのように、小首を傾げるがごとくにちょっぴり曲げているしっぽが、まさに瓶洗いのたわしのごとくに直立して立っている。
いつもの5倍ぐらいに太く、荒くなって、しおしおと部屋に入ってくる。

ふとベランダの手すりを見ると、大きな大きなカラスが翼を広げている。
あの物音は、このカラスの仕業だったのか、ザザがぶつかったにしては、硬質な音だった。

カラスがザザを狙ったのだ。
体が大きすぎたおかげか、手すりが高かったおかげか、カラスのくちばしはザザの体を直撃できなかったのです。
それとも、広い部屋を元気に敏捷に遊びまわっていたおかげで、カラスを避けることが出来たのか。

それは、朝のことで、今頃落着いて考えてみると、もしかして、ザザが襲われただけの被害者ではなく、果敢にカラスを威嚇したのかもしれません。

その、名残が、尻尾の毛の逆立ちだったのでしょう。

華奢な、うっとりするほど優雅な動きをしていた尻尾が、あられもないたわしの形になって棒立ちになるなんて。
それを見た直後は、驚きとショックと不憫さで、呆然としたのです。
しかし、モンゴルの草原で拾われたというザザは、野生を少しは持っていたのかもしれません。

夜になって、娘と話をしているときに、ザザのたわしになった尻尾の話をしながら、体に比べて異常に太すぎて、ピンと広がった尻尾の毛の状況を目に浮かべながら話していると、その滑稽さに吹き出してしまいました。

午前中は、もしかしてカラスに食べられたかもと思って、体が震えるほどでした。
数時間後出先から帰ってもまだ、毛先がほんの少し立っているのを見てよほど浮ゥったのかと、こんなとき、猫は何を感じ、どのくらいその感情を持ち越すのかなぁと思ったのでした。

夜になって、何事も無かったように、ハムを盗みベッドの下でぱくついている様子や、夫にじゃれ付いて、ちょいちょいと出す前足のちょっかいの具合や、滑らかに元の細さに戻った尻尾を見ていると、あの騒ぎはなんだったのかなぁと、肩透かしを食うのです。

犬なら、まだ、しょげ返っているのではないかと思うのですが。。。
猫の、この、忘れっぽさというか、いつも同じというか、一番心地よい場所と心のあり方を直ぐに見つけるしたたかさというか、天晴れというしかない。

うらやましいが、これを見習うと、周りの人間には、総スカンを食うだろうなぁ。

  直後は、もっと太く荒く、瓶洗いブラシ状態でした。


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