以前に桜隊の関連でご紹介いたしました、三好十郎作「獅子」がまもなく初日です。
獅子は文化座が創立の翌年(1943年)に築地小劇場(当時は国民新劇場と改称)で上演されました。
配役は一色吉春:山形勲/お紋:鈴木光枝/お雪:河村久子/馬場圭太郎:山形三郎(山形勲さんの弟です)。1945年には満州公演。1948年には京都座で、伊賀山昌三作「結婚申込」と2本立てで上演しています。その後1959年にも「結婚申込」と2本立てで上演。配役は一色吉春:加藤忠/お紋:鈴木光枝/お雪:五月女道子/馬場圭太郎:大矢兼臣。1964年、都市センターホールにて一色吉春:加藤忠/お紋:鈴木光枝/お雪:佐々木愛/馬場圭太郎:外山高士。1970年、一ツ橋講堂にて一色吉春:小金井宣夫/お紋:高瀬はま子/お雪:藤あゆみ/馬場圭太郎:川崎桂。1970年の時は当時の新人公演でして、私は観客として客席にいました。
吉春おとっつぁんの「人間、一生の一大事の時は、自分がホントに正直に、したいと思うことを思い切ってやらならんぞ!」という最後の台詞が心に沁みました。戦争中に戦意高揚のために書かれた戯曲とは思えませんでした。登場人物たちの戦後の暮らしを考えればその苦難が想像できます。
そして1977年に学校公演として一色吉春:小金井宣夫/お紋:/有賀ひろみ/雪:高柳葉子/馬場圭太郎:森居利昭で上演したときに、私も「お節」という役で出演していました。演出は佐佐木隆さんのままでしたが、もう故人でしたので、吉春を務めた加藤忠さんがみてくださいました。稽古がなんだかとても楽しかったのを覚えています。その後、私は長男ができて降板しましたが「獅子」の学校公演は1978、1979年と続いたのでした。
32年ぶりに「お紋」役に取り組む有賀ひろみさんとは文化座研究所の同期生です。佐佐木隆氏の亡きあと1971年に15人で入座して「花の28期生」といわれた私たちですが、40年経って彼女一人となりました。
応援してあげなきゃ!!と思います。
「獅子」公演のお問い合わせは劇団文化座:03-3828-2216までお願いします。
なお16日(日)は完売だそうです。稽古場でもあるアトリエでの公演なのでお席に限りがございます。
文化座のホームページ→ http://bunkaza.com/
トップに「獅子」の稽古風景です。