9月になりまして…
朗読パーティー「STORYBOX」vol.11が近づいてまいりました。
【日時】2011.9.13 19時開演
【場所】乃木坂COREDO(千代田線乃木坂駅2番出口徒歩0分)
6月の終わりから一週間に一度程度のペースで稽古をスタート・・私は演出を4本担当します。
さて、先週の稽古の中で『明治時代に書かれた文芸作品なので鼻濁音に注意してね…』と言いましたら「ビダクオン」ってなんですか?と質問がでました。
「鼻濁音」はwikipediaにもありますよ。私が小学生の頃は(か゚、き゚、く゚、け゚、こ゚)と発音も教科書にありました。もともとは東京方言なのでしょうが、私が劇団に入ったころは「鼻濁音」は厳しく躾けられました。一方、関西方面には「鼻濁音」はないので、広島弁とか鹿児島弁とかの芝居をやるときは鼻濁音を取るのに苦労したものです。
小、中学校の学習内容にないし、今やアナウンサーやナレーターといった日本語を職業とする人の中でも消えつつあるようなので「なんですか?」という質問もでてくるわけですね。
もう一つ、先日これは一般人の方からですが「を」の発音は標準語では「O(オ)」ですか?と質問されました。宮崎の方です。耳で聞いたらほとんど同じでしょうけれど「を」は「WO」、「お」は「O」と発音するものだと思っていました…とおっしゃるのです。なるほどキーボードで打つときも(お=O)(を=WO)と入力します。いま標準語では《を=お》と発音しますが、本来は《を=うぉ》と発音するのでしょうね。『を』という『文字』の発音はWOで『助詞』の『を』の発音はOだそうですが、を=WOと発音する地域は、鼻濁音のように西日本にはない!!という明確な地域分けはなく、混在しているようです。
そういえば発声練習のテキストには鼻濁音の『か゚、き゚、く゚、け゚、こ゚』と一緒に、わ行として『わ(wa)ゐ(wi)う(wu)ゑ(we)を(wo)』というのがあったのを思い出しました。きっと今でもテキストには使われているのではないかしら??
昔の人は微妙な発音の差をきちんと表現できたのでしょうね。言葉も時代とともに変遷しますからね。しゃべるときに楽なように、筋肉を余計に使わない方向に、平板な表現に変遷していくようです。
わずか100年前と今とではだいぶアクセントや発音はかわっているはずです。その辺りを勉強して、せめて時代ものの朗読をするときは、少し昔の発音やアクセントを使ってみると作品に奥行きが出るかもしれません!!