ロシアンセージ「タイガ」は、ちぐはぐな名前をもらった花だ。ロシアンというがロシアとはかかわりなく、中東からヒマラヤに自生する。セージというが、サルビア科のハーブ植物のセージとはかかわりなく、たんに姿かたちが似ているというにすぎない。それでも唇を伸ばしたような美しい花をつけるので、愛好されているようだ。
(2019-07 東京都 神代植物公園)
ロシアンセージは、アフガニスタンを中心に、パキスタン、ヒマラヤ西部に分布するシソ科ペロフスキア属の亜低木です。
分布域は岩場や砂利地などにあり、日当たりの良い場所に自生しています。
美しい花を咲かせ、幅広い環境に適応することから、観賞用として世界で広く栽培されています。
ロシアと名前に付きますが、ロシア原産の植物ではありません。
ロシアの名前は、19世紀にロシアの地方長官だったペロブスキーが本種を広めたことに由来しています。
また、セージの名前は草姿がセージに似ていることに由来しており、一般的にセージと呼ばれるサルビア属の植物ではありません。
ロシアンセージの花期は7月~10月。
花期になると、茎の上部に花序を出し、小さな花を多数咲かせます。
花序は多数分枝して30㎝以上の長さになり、花はシソ科やゴマノハグサ科に多く見られる唇形花です。
唇形花とは、筒状になった花の先端が上下に分かれ、唇のように見える花のことです。
ロシアンセージの唇形花は、上唇が浅く4裂しており、下唇は楕円形で、上唇とほぼ同じ長さとなっています。
花の基部はカップ状の萼で覆われており、萼には白または紫色の毛が密生しています。