トモエソウはオトギリソウ科の植物らしい花をつけるが、何よりも特徴なのは、花の名前の由来となった花弁のねじれだろう。巴紋のような捩じれた形が面白い。葉は披針形で、上から見るときれいな十字対生になるのも目立つ。中国名は連翹だが、これは日本では春一番に咲く黄色のレンギョウを指す。
(2019-07 東京都 神代植物公園)
トモエソウ(巴草、学名:Hypericum ascyron)は、オトギリソウ科オトギリソウ属 の多年草。中国語名は連翹であるが、これはモクセイ科の植物の和名となっている。
特徴
茎は、高さ50-130cmくらいになり、直立し、分枝する。葉は茎に対生し、形は披針形で葉の基部は茎をなかば抱く。花期は7-9月で、径5cm、花弁5個の大きな黄色の花を茎や枝の先につける。花は巴形のゆがんだ形をしており、和名の由来となっている。花の中心に雌蕊があり、花柱の先が5裂して反り返る。その周りには多数の雄蕊があり、5束に分かれる。
分布と生育環境
日本では、北海道、本州、四国、九州に、アジアでは、朝鮮、中国、シベリアに広く分布し、山地や河川敷の日当たりのよい草地に自生する。