ヤマホトトギスは昔はごく普通にみかけたものだが、最近ではほとんど目にしなくなった。テッペンカケタカの山ホトトギスはまだ地元でもよく鳴き声を耳にするのだが。この写真は調布の野草園で栽培されていたもの。これからの季節の花なので、登山でもしたときに、山でみつけることを期待したい。
(2019-07 東京都 調布野草園)
ヤマホトトギス 山杜鵑草
[中国名] 油点草 you dian cao .
[学名] Tricyrtis macropoda Miq.
ユリ科 Liliaceae ホトトギス属
葉は互生し、長さ8~18㎝、幅2.5~5㎝の長楕円形、先が尖り、縁が波打つ。花は茎頂や上部の葉腋に散房状に枝分かれして数個、上向きにつく。枝分れが特徴である。小花柄は長さ1.4~3㎝。花披片は長さ1.5~2㎝、強く反曲することが多く、白色に紅紫色の斑点があり、花被片の基部の斑点が大きく密なことが多い。強く反り返った花被片内側が中凹みとなることも特徴である。雄しべは6個、長さ1.5~2㎝、花糸の外面や花柱の基部に斑点があるものやほとんどないものがある。花糸の上面(内面)には斑点はない。花柱は3個、長さ1~1.5㎝、柱頭は2裂。果実は長さ2~3㎝。2n=26。
ホトトギスは全体に大きく、花柱、花糸、葯に斑点がある。
ヤマジノホトトギスは花が葉腋にほぼ単生し、花被片が開出する。ヤマホトトギスも花被片が反曲しないことがあり、花柱の基部に班紋がないとヤマジノホトトギスと混同しやすい。
[花期] 7~9月
[草丈] 40~70㎝
[生活型] 多年草
[生育場所] 山野の林内
[分布] 在来種 北海道(西南部)、本州、四国、九州、中国
[撮影] 設楽町 01.9.24