以前は、キャンプをすること自体が楽しかった。キャンプそのものが目的だった。キャンプは手段にすぎない、楽しみはほかにある、などとしたり顔でほざくビギナーを憐んだものだった。
いまも同じだと断言できる自信がない。もう一度、アウトドアライフを心底楽しめる精神の余裕を取り戻したいものだ。
ほかの人はいざ知らず、ぼくにとっての楽しいキャンプは簡素な装備でいかに野遊びを充実させるかだった。簡素であるためには孤独でなくてはならない。孤独こそが野遊びがくれる愉悦の源泉だ。
孤独を捨てたとき、くだらないたくさんの装備に埋もれて楽しかるべき野遊びがどんどんつまらなくなった。