現在使っているシュラフを引っ張り出してみたら、全部モンベル製だった。
ある程度の品質をもちながら価格がリーズナブルだし、ぼくが住んでいるすぐ近くにモンベルショップがあったから――その程度の理由に過ぎない。
これらのシュラフで満足しているわけではない。不満もある。最新のモデルは知らないが、ぼくが使っている古いモデルは必ずしも丁寧なデザインが施されていたわけではないからだ。よくいえばシンプルだけど、率直にいわせてもらうとおおざっぱ。造りが雑だという意味ではない。たとえていうと、シュラフ内にためこんだ体温を逃がさないようなきめ細かい工夫がもっとほしかった。
写真の下段3個がダウンハガー#3、上段左がスーパーストレッチダウンハガー#0、右がスーパーバロウバッグ#3である。ダウンハガー#3は98年、#0は一昨年に買った。バロウバッグはかれこれ10年以上前になるはずだ。いうまでもないが、「ダウンハーガー」のシリーズのフィル(詰め物)はダウンであり、「バロウバッグ」はポリエステルである。
ダウンハーガー#3をまとめて3個買ってしまったのにはそれなりの理由があったのだが、1個は初夏から初秋に女房が使っているものの、あとの2個はほとんど使っていない。たまにゲストがあると使ってもらっている程度である。
20年近く前にキャンプに目覚めてしまった女房は、一貫してダウンのシュラフを愛用してやまない。ぼくにはあまり違いがわからないのだが、ダウンのもつ温もりがたまらなく心地いいそうだ。ダウンにくるまれて眠るのがよくてキャンプへいくのだとさえいう。だから、彼女は1年中、ダウンのシュラフを使っている。冬場なら#0を、前述したように夏を中心にした季節には#3を……。
#0を購入する前の女房は、わたしがまだひとりでのびのびと野遊びを楽しんでいたころに買って、冬用にだけにしか使わず、大切にしてきた「天山」のシュラフを容赦なく使っていた。さすがに真夏以外、10年以上使い続けたので、数年前から保温力が衰えてきた。冬を前にした一昨年、#0に変えた次第。
#3を使った経験上、#1あたりを買おうと思ったが、型番落ちで#0がバーゲン品に出ていたのでそちらにした。ちょっとオーバースペックじゃないかと心配したが、真冬のみならず晩秋から早春にもちょうどいいそうだ。
おかげで、冬のぼく用のシュラフに天山が戻ってきた。真冬はシュラフカバーを使って落ちた保温力を補っている。スノーキャンプのようなシビアなキャンプじゃないからこれで十分ぬくぬくと寝ることができる。
好みとして、真冬以外ならぼくはフィルが化繊のシュラフのほうがいい。ダウンよりもラフに使えるからだ。湿気の多い状況下でも、化繊のシュラフだとおおむねカラッとした寝心地を得ることができる。
ぼく自身はシュラフを濡らしてしまったことはないが、濡らした経験者の話だと、化繊のシュラフなら吸った水分を絞り、風通しのいいところへ干せば、30分くらいで乾いてしまうという。ちょっと信じがたいが……。ダウンのシュラフだったらそうはいくまい。
ただ、経験者によると、必ずしも化繊はダウンよりも湿気に対してすぐれているとはいえないそうである。濡れた化繊(ダクロンを例にしたとき)のシュラフにくるまって寝た場合、風にさらされているとすさまじく冷たくなるという。まあ、ぼくの野遊びに、そんな苛酷なステージはないだろうけど……。
写真のバロウバッグのフィルは「エクセロフト」という速乾性がウリのポリエステル素材である。そこで、夏を中心とした雨の多い季節、ぼくはもっぱらこのシュラフで寝る。あえてこのシュラフを使い続けているもうひとつの理由に女房の存在が密接にかかわっている。
なんらかのアクシデントで女房のダウンのシュラフが濡れてしまったとき、彼女にこの化繊シュラフを使わせ、ぼくはありったけの服でも着てシュラフカバーにくるまれば一晩くらいはなんとかなるだろうという計算である。だから、冬場でも雨が予想されるとなると、キャンプ地によってはバロウバッグもクルマのルーフボックスに放り込んでいく。
以上がぼくの使っているシュラフの現状レポである。
シュラフを保管しておくには、専用のスタッフバッグから取り出し、大きめの保管用のスタッフバッグにゆったりと詰めてふくらませたままで乾燥した場所に収納しておかなくてはならないというのは常識である。過去に、フィルが化繊(ダクロンだったが)のシュラフを携帯用のスタッフバッグに詰め込んだままにしておくと悲惨な結果になることも経験した。
だから、もちろん、シュラフはすべて大きめのスタッフバッグに移して保管している。とはいえ、10個からのシュラフ全部を最適の状態で保管――#0には約53センチ×80センチのコットン製の保管用スタッフバッグがついていた――していたらそれだけで生活の場が侵される。そこでしかたなく、#0以外は53センチ×38センチのエントラント製のスタッフバッグへゆるめに入れ、つぶさないようにしながら保管している。
よけいなシュラフは持たないほうがいい。しみじみそう思う。
さて、シュラフについて勝手気ままに書き連ねてきたが、まだ、書きたいことは山ほどある。しかし、これだけも書き過ぎてしまったようだ。シュラフについては、とりあえずここでひと区切りつけて、次の機会に今回書かなかったことをぼちぼちと書いてみたいと思う。
ある程度の品質をもちながら価格がリーズナブルだし、ぼくが住んでいるすぐ近くにモンベルショップがあったから――その程度の理由に過ぎない。
これらのシュラフで満足しているわけではない。不満もある。最新のモデルは知らないが、ぼくが使っている古いモデルは必ずしも丁寧なデザインが施されていたわけではないからだ。よくいえばシンプルだけど、率直にいわせてもらうとおおざっぱ。造りが雑だという意味ではない。たとえていうと、シュラフ内にためこんだ体温を逃がさないようなきめ細かい工夫がもっとほしかった。
写真の下段3個がダウンハガー#3、上段左がスーパーストレッチダウンハガー#0、右がスーパーバロウバッグ#3である。ダウンハガー#3は98年、#0は一昨年に買った。バロウバッグはかれこれ10年以上前になるはずだ。いうまでもないが、「ダウンハーガー」のシリーズのフィル(詰め物)はダウンであり、「バロウバッグ」はポリエステルである。
ダウンハーガー#3をまとめて3個買ってしまったのにはそれなりの理由があったのだが、1個は初夏から初秋に女房が使っているものの、あとの2個はほとんど使っていない。たまにゲストがあると使ってもらっている程度である。
20年近く前にキャンプに目覚めてしまった女房は、一貫してダウンのシュラフを愛用してやまない。ぼくにはあまり違いがわからないのだが、ダウンのもつ温もりがたまらなく心地いいそうだ。ダウンにくるまれて眠るのがよくてキャンプへいくのだとさえいう。だから、彼女は1年中、ダウンのシュラフを使っている。冬場なら#0を、前述したように夏を中心にした季節には#3を……。
#0を購入する前の女房は、わたしがまだひとりでのびのびと野遊びを楽しんでいたころに買って、冬用にだけにしか使わず、大切にしてきた「天山」のシュラフを容赦なく使っていた。さすがに真夏以外、10年以上使い続けたので、数年前から保温力が衰えてきた。冬を前にした一昨年、#0に変えた次第。
#3を使った経験上、#1あたりを買おうと思ったが、型番落ちで#0がバーゲン品に出ていたのでそちらにした。ちょっとオーバースペックじゃないかと心配したが、真冬のみならず晩秋から早春にもちょうどいいそうだ。
おかげで、冬のぼく用のシュラフに天山が戻ってきた。真冬はシュラフカバーを使って落ちた保温力を補っている。スノーキャンプのようなシビアなキャンプじゃないからこれで十分ぬくぬくと寝ることができる。
好みとして、真冬以外ならぼくはフィルが化繊のシュラフのほうがいい。ダウンよりもラフに使えるからだ。湿気の多い状況下でも、化繊のシュラフだとおおむねカラッとした寝心地を得ることができる。
ぼく自身はシュラフを濡らしてしまったことはないが、濡らした経験者の話だと、化繊のシュラフなら吸った水分を絞り、風通しのいいところへ干せば、30分くらいで乾いてしまうという。ちょっと信じがたいが……。ダウンのシュラフだったらそうはいくまい。
ただ、経験者によると、必ずしも化繊はダウンよりも湿気に対してすぐれているとはいえないそうである。濡れた化繊(ダクロンを例にしたとき)のシュラフにくるまって寝た場合、風にさらされているとすさまじく冷たくなるという。まあ、ぼくの野遊びに、そんな苛酷なステージはないだろうけど……。
写真のバロウバッグのフィルは「エクセロフト」という速乾性がウリのポリエステル素材である。そこで、夏を中心とした雨の多い季節、ぼくはもっぱらこのシュラフで寝る。あえてこのシュラフを使い続けているもうひとつの理由に女房の存在が密接にかかわっている。
なんらかのアクシデントで女房のダウンのシュラフが濡れてしまったとき、彼女にこの化繊シュラフを使わせ、ぼくはありったけの服でも着てシュラフカバーにくるまれば一晩くらいはなんとかなるだろうという計算である。だから、冬場でも雨が予想されるとなると、キャンプ地によってはバロウバッグもクルマのルーフボックスに放り込んでいく。
以上がぼくの使っているシュラフの現状レポである。
シュラフを保管しておくには、専用のスタッフバッグから取り出し、大きめの保管用のスタッフバッグにゆったりと詰めてふくらませたままで乾燥した場所に収納しておかなくてはならないというのは常識である。過去に、フィルが化繊(ダクロンだったが)のシュラフを携帯用のスタッフバッグに詰め込んだままにしておくと悲惨な結果になることも経験した。
だから、もちろん、シュラフはすべて大きめのスタッフバッグに移して保管している。とはいえ、10個からのシュラフ全部を最適の状態で保管――#0には約53センチ×80センチのコットン製の保管用スタッフバッグがついていた――していたらそれだけで生活の場が侵される。そこでしかたなく、#0以外は53センチ×38センチのエントラント製のスタッフバッグへゆるめに入れ、つぶさないようにしながら保管している。
よけいなシュラフは持たないほうがいい。しみじみそう思う。
さて、シュラフについて勝手気ままに書き連ねてきたが、まだ、書きたいことは山ほどある。しかし、これだけも書き過ぎてしまったようだ。シュラフについては、とりあえずここでひと区切りつけて、次の機会に今回書かなかったことをぼちぼちと書いてみたいと思う。