
新しいジャグを買った。英文だったら複数形で書いているところだ。
つまり、買ったのは1個ではない。たてつづけに2個買ってしまった。バカなことをしてしまったと正直思っている。
長い間使ってきたコールマンのスチールベルトのハンドルが壊れてしまい、キャンプ場の水場から水を入れて持ってくるのに不便をきたしていた。ずいぶん昔に買ったネットのトートバッグに入れて運ぶのだが、満タンだと重いのでバッグから出すのに苦労するし、服をよく濡らした。
だから、新しいジャグを買おうという気はあった。
ハンドルがない以外はどこも悪くない……といいたいけど、満身創痍、つまり傷だらけである。手荒に扱ったつもりはないが、そういや、クルマの積み下ろしのときしじゅう落として転がした記憶がある。ハンドルもそれで傷んだのかもしれない。でも中はきれいだからキャンプで飲料水を蓄えておくのに不便はなかった。
これは、20年ばかり前、誕生祝いに家族からプレゼントされたものだし、長い間使ってきたから愛着もひとしおである。
一度、いきつけのショップで取れたハンドルを修理できるかどうか訊いたことがある。そのときは、コールマンの倉庫が火事に遭い、保存していたパーツがかなり焼けてしまったと聞いたのであきらめた。
最後の手段は自作のハンドルを装着できればいいのだけど、そこまでのスキルとやる気がぼくにはない。

先日、冷やかしで入った中古店の陳列棚の上の古いジャグが目にとまった。コールマン製品が多くが「コールマングリーン」と呼ばれているらしい濃いグリーンだが、コールマンの本家アメリカのお隣のカナダへいくとコールマンのグリーンが薄くなる。
このジャグはコールマンカナダに違いない。ぼくはどちらも好きだが、コールマンカナダの商品はひとつも持っていない。たしかめるまでもなく、迷わず買った。
英語とフランス語で印刷された保証書が入った古い箱もあって、やっぱりコールマンカナダの製品だった。
使った形跡はあるけど、ほとんど傷がない美品である。なによりもハンドルがしっかりしているのが気に入った。これなら少々ラフに使っても簡単にこわれはしないだろう。
ヴィンテージ品だからといってたすら磨き上げ、部屋に飾っておいたり、キャンプ場でこれみよがしに並べて見せびらかす趣味はない。
値段は1万4,000円だった。高いとは思わなかった。
以前買いそこなったというより、まだグリーンのスチールベルトのハンドルが健在だった当時に発売されたので買わずにいて、その後、ほしいと思っても発売されていないボディーがステンレスのジャグもあるが、ネットで探すと2万円以上していたのであきらめた。並行輸入だからしかたないのだろうけど、ジャグに2万円かけるのは気が引けた。

コールマンカナダのジャグを手に入れたので、今度は本気で古いほうのジャグの修理を考えてみようと思いながら、このブログにレポートを書くにあたり、例のステンレス肌のスチールベルトの正式な値段をネットで検索してみた。
目を疑った。新品の製品が、しかも並行輸入とうたいながら、値段は9,800円で出ているではないか。
コールマンカナダのジャグを買ったことを忘れたわけではなかった。だが、1万円を切る値段に興奮し、思わずカートに入れ、さっさと手続きを終えた。
買ってから、家人への三つものジャグを持つ言い訳を考えた。答えは簡単だった。キャンプ用品を新たに買うときの決め台詞はいつも同じである。「災害対策用品として準備した」というやつだ。
今朝、8月のお盆のさなかだというのにそのステンレス肌のスチールベルトが届いた。悩みは9月に予定しているキャンプにどれを持参するかだ。これ見よがしに並べるつもりはないし、もちろん1個あれば十分である。
ここへきて、同じステンレス肌のジャグのリコメンド広告がぼくのパソコンにやたら表示される。値段は税込みで2万6,300円だという。やっぱり得をしたのか? ちょっと複雑な思いでいる。