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そもそも「救世主到来」って誰が決めるんだか(Mar 12, 2015)

2015-03-12 21:35:27 | おかしな人たち
今回は世にも恐ろしい論説をネタにする(汗)。


一昨日のことになるが、Israel National News のヘブライ語版サイトに「イスラエルはドイツとイランに核攻撃を行うべき」とのたまう論説が公開されてたらしい。
・Op-ed calls on Israel to nuke Germany, Iran(2015年3月11日 timesofisrael.com)
・דעה: האיום הקיומי ופתרונו הסופי
(2015年3月10日 inn.co.il;ヘブライ語)

timesofisrael.comの記事のタイトルの時点で出オチな気がする問題の論説。
実際の所は、読めば読むほど異次元に引きずり込まれる感覚にとらわれる恐ろしいブツだった。

timesofisrael.comの記事によると、問題の論説ではイスラエルの使命を聖書で邪悪な存在として描かれているアマレク人[おまけ参照]が絶滅に追い込まれたこと -- 旧王国のイスラエルにとって脅威だったのが理由 -- を世間に思い出させることと定義していた。
その上で、現代でアマレク人に相当する人達としてイランの指導者を取り上げていた。
以下、2014年3月11日分 timesofisrael.com『Op-ed calls on~』からその部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
“If Israel does not walk in the ways of God’s Bible,” author Chen Ben-Eliyahu wrote in Hebrew, “it will receive a heavy punishment of near complete destruction and doom and only a few will be saved.”

One of Israel’s missions is to remember the crimes of Amalek, a tribe representative of pure evil in the Bible, whom Jews are commanded to obliterate.
Among those descended from the band, the author writes, are Iranian leaders Ayatollah Ali Khamenei, former president Mahmoud Ahmadinejad and current President Hassan Rouhani.

“They don’t miss an opportunity to discuss the need for the annihilation of Israel,” he wrote.
(以下略)
---- 引用以上 ----

要は、イスラエルの胸囲脅威となりうるモノは滅ぼされる運命にあると言いたいんだろうが・・・。
こういう表現って、イスラエルがイランを敵視する背景を単純化しすぎてるんじゃ?
まぁ、筆者の Ben-Eliyahu氏的には、聖書に書かれたことをいかに現実にあてはめるかが重要なんだろうね。
そのために現実を歪めることすら厭わない姿勢は(略)


話を戻す。

さっきの引用部分の後、問題のコラムは聖書の記述を持ち出しイランへの核攻撃を煽っていた。
さらに、イスラエルと同盟関係にあるドイツに対しても、かつてナチスが政権を握っていたからという理由で核攻撃を煽るという・・・。
以下、2014年3月11日分 timesofisrael.com『Op-ed calls on~』からさっきの続きを(略)
人生って何だろう(棒)

---- 以下引用 ----
(中略)
To combat this Israel must respond in kind, Ben-Eliyahu declared.
“To an existential threat we must respond with an existential threat,” he wrote, “not with speeches in Congress. We must make it clear to the Iranians that Israel will wipe out their nuclear program and Tehran and Isfahan as well.”

“If [an enemy] rises up to destroy you, rise earlier to destroy him: twenty, thirty nuclear bombs will do to assure the job gets done,” he continued.

He also called on Israel to remember its near destruction at the hands of the Nazis and exact revenge on Germany, now a staunch ally of Israel.

When the Messiah comes, Ben-Eliyahu wrote, Israel will reverse the Final Solution.
“Twenty, thirty atomic bombs on Berlin, Munich, Hamburg, Nuremberg, Cologne, Frankfurt, Stuttgart, Dresden, Dortmund and so on to assure the job gets done. And the land will be quiet for a thousand years,” he wrote.
(以下略)
---- 引用以上 ----

救世主思想バリバリとはいえ・・・。
正直、こういうしょうもない論説を書くBen-Eliyahu氏が痛すぎて憐れみすら感じるレベルの代物だ。

そんな惨状の論説に関し、timesofisrael.comがIsrael National Newsに公開した理由を質問したのは当然と言える。
これに対し、Israel National Newsの回答は・・・。
以下、2014年3月11日分 timesofisrael.com『Op-ed calls on~』からさっきの続きを(略)

---- 以下引用 ----
(中略)
Israel National News refused to comment on the website’s decision to run the op-ed.
(以下略)
---- 引用以上 ----

「このコラムは個人の見解であり~」という典型的な「防犯装置」なんだろうけど・・・。


おまけ:そもそもアマレク人ってのは、聖書の中では「ユダヤ教徒の敵の原型」として扱われてるらしい。
困ったことに、神が「アマレクの記憶を天の下から消し去らなければならない。これを忘れてはならない」なんて述べてたとか。
・アマレク -前編-(bfpj.org)

参考までに、bfpj.org『アマレク -前編-』から『なぜアマレクか?』を長くなるけど(略)

---- 以下引用 ----
(中略)
なぜアマレクか?

アマレク人は、カナンの土地の南部に居住する遊牧民で、しばしばネゲブ(イスラエル南部の地)の牧草地を占拠していました。
彼らの指導者、アマレクは、エサウの孫でエリファズの子でした。
創世記25章29〜34節に、エサウが弟ヤコブに長子の権利を売った有名な物語があります。
長子としてのエサウへの遺産には、祖父アブラハムから受け継ぐ祝福のすべてが含まれていました。
本来、この遺産はヤコブではなく、長子であるエサウが受け継ぐはずでした。
しかし、エサウは一杯のレンズ豆のためにその祝福を譲渡してしまいました。
この出来事を、ユダヤ人はどのようにとらえているのでしょうか。
ラビは、「エサウは少しばかり空腹だったかもしれないが、病気でもなく、ひどく飢えていたわけでもなかった。彼は、裕福な家庭で育った健康な青年で、必要はすべて満たされていた。このような、何でもそろっている恵まれた環境で育ったエサウは、長子の権利を軽視した。こうしたエサウの軽率さは、神を恐れず、物事の重要性を平気で無視する無神経さを表している。」と指摘します。
エサウは父親の教えや民族の伝統を無視し、将来を考慮することもしませんでした。
にもかかわらず、彼は自身の損失のことで弟を非難し、恨み、殺そうとまで決心しました。
そして、ヤコブとその子孫に対する憎しみはエサウから、孫のアマレクに受け継がれたとラビは教えています。

出エジプト記17章8〜16節には、イスラエルと宿敵アマレクとの初めての交戦が記されています。
エジプトを脱出したイスラエルが荒野を放浪しているとき、攻撃を受けるような挑発は何もしていないにもかかわらず、レフィディムでアマレク人に攻撃されました。
この戦いの中で、モーセが手を上げているときはイスラエルが優勢となり、手を下ろすと、アマレクが優勢となりました。
アロンとフルが日没までモーセの腕を支え、結果としてイスラエルは勝利を収めます。
このことは、この戦いが単なる部族間の衝突ではなく、神が戦われた戦いであったことを示しています。
「主はモーセに仰せられた。『このことを記録として、書き物に書きしるし、ヨシュアに読んで聞かせよ。わたしはアマレクの記憶を天の下から完全に消し去ってしまう。』」(出エジ17:14)
また16節では、「主は代々にわたってアマレクと戦われる」とあります。

この事件は、申命記25章17〜19節でも詳しく語られています。
「あなたがたがエジプトから出て、その道中で、アマレクがあなたにした事を忘れないこと。彼は、神を恐れることなく、道であなたを襲い、あなたが疲れて弱っているときに、あなたのうしろの落後者をみな、切り倒したのである。あなたの神、主が相続地としてあなたに与えて所有させようとしておられる地で、あなたの神、主が、周囲のすべての敵からあなたを解放して、休息を与えられるようになったときには、あなたはアマレクの記憶を天の下から消し去らなければならない。これを忘れてはならない。」
ここで主はアマレクのしたことは、集団から外れた人々、疲れ、弱っている者たちを攻撃対象とした悪意あるものだと言っています。
そして、民にアマレクとの出会いを覚えていなさいと命じています。
また、アマレクが神を恐れない、祖父エサウの憎悪の性質を受け継いでいたことを示しています。
イスラエルへの攻撃は、財産、地境、水源のためではありませんでした。
それは、ヤコブの子孫に対する全くの憎悪の結果でした。それゆえ神は言われます。
「あなたはアマレクの記憶を天の下から消し去らなければならない。これを忘れてはならない。」(申命25:19)

アマレクの子孫は、ユダヤ民族の敵の原型となりました。
彼らの存在そのものが、神を崇め、契約のうちに生きることを教えるトーラー(創世記〜申命記)と常に逆行します。
タルムード(ラビの教義注解書)には、アマレクの種である憎悪と悪(罪)の本質が永遠に破壊されるまでは、神の御座は決して完全に建て上げられないとあります。
ラビは、アマレクの持つこうした性質は世界の悪の本質であると明言しています。
(以下略)
---- 引用以上 ----

アマレクの人達に反論の場は設けられなかった模様(違)。


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