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Living separately by choice? Stop joking, Mrs.Sono(Mar 8, 2015)

2015-03-08 21:38:40 | おかしな人たち
先月のことになるが、3K新聞で曽野 綾子(三浦 知壽子(Chizuko MIURA))氏が移民政策に関するぶっ飛んだコラムを掲載していた。
内容を1行でまとめると、南アフリカを引き合いに「移民を受け入れ、人種で分けて居住させるべき」というアパルトヘイト政策導入を匂わせるもの。

内容が内容だけにこのコラムには各方面から非難が殺到した。
当然というか、南アフリカ政府も3K新聞と曽野氏に抗議した。
↓この辺は以下参照(手抜き)
・Ayako Sono:(Un)expected mouthpiece of the Japanese government(Feb 11, 2015)(2015年2月11日 flagburner's blog(仮))
・DId Ayako Sono and The Sankei Shimbun contempt Nelson Mandela?(Feb 14, 2015)(2015年2月14日 flagburner's blog(仮))

自身のコラムへの批判に対し、曽野氏は妙な喩えや論理を持ち出して正当化を繰り返している。
そんな中、先月20日には、Japan Timesの取材に対しペルーでの事例を持ち出していた。
・Outrage grows over Sono ‘apartheid’ column(2015年2月20日 japantimes.co.jp)

これに対し、ブラジルのアンドレー・コヘイア・ド・ラーゴ(André Aranha CORRÊA do LAGO)駐日大使が、曽野氏の見解を批判するコラムを Japan Times上で公開していた模様・・・。
・曽野 綾子氏に在京大使反論=日本移民は文化残して統合=駐日ブラジル大使=アンドレー・コヘイア・ド・ラーゴ(Andre Correa do Lago)(2015年3月7日 nikkeyshimbun.jp)
・Brazilians, Japanese and the virtues of integration(2015年2月24日 japantimes.co.jp)

一体どこまで騒動が拡大するのか、と疑問に思ったのは俺だけ?
とりあえず、2015年2月20日分 japantimes.co.jp『Outrage grows~』から曽野氏のコメント部分を(略)

---- 以下引用 ----
(中略)
She also said she never intended to praise the apartheid system.

Instead, Sono said, her intention was to encourage people of different races to live “separately by choice.”
In South American cities such as the Peruvian capital of Lima, there are dedicated colonies for Japanese “nikkei” immigrants where both the Japanese language and culture are kept intact, she said.

“Likewise in Japan, there are communities for Brazilian immigrants. These communities sprang up almost spontaneously, but none is actually segregated. People live in such areas if they want, and come in and out of them as they wish,” Sono said.
“I don’t think there is anything wrong with such a style of living separately by choice.”
(以下略)
---- 引用以上 ----

自分達の意思で(ブラジルの人達の)コミュニティに住んでる、か。
色んな意味で論点ずらしになってる気がするのは俺だけ?

そもそも、CORRÊA do LAGO駐日大使に言わせると、このような認識自体が大きく実態とズレている模様。
それを指摘するために、コラムの前半で日本からブラジルに渡った人達の辿った歴史に触れていた。
以下、2015年3月7日分nikkeyshimbun.jp『曽野 綾子氏に~』から前半部分を(略)

---- 以下引用 ----
(中略)
一世紀以上も前に日本人がブラジルに移住し始めてから、彼等はより恵まれた環境を求めて特定の都市または地域に向かう傾向を見せた。

ブラジルに渡った日本人移住者は全国に散り、ブラジルの文化を身に付け、現地の人と結婚して子孫をなした。
要するに彼等は祖先の文化を放棄することなくブラジル社会に溶け込んだのである。
日本を含む海外各国から移り住んで来た人々は、外国人が各々の祖国の文化遺産を保ちつつも完全なブラジル人となり得る、真の意味での多文化国家としてのブラジルを築き上げる事業に貢献したのである。

現在、150万人を上回る数の日系人がブラジル社会の良き市民として暮らす。
彼等は完全なブラジル人であると同時に日本のルーツに誇りを抱く。
日本人移住者は当初、農業の働き手としてブラジルに渡った。
努力とブラジル社会への溶け込みと通じて、子孫である日系ブラジル人たちは今ではエンジニア、芸術家、医師、公務員、実業家として各分野で活躍するに至った。

ブラジルで最も権威のある名門サンパウロ大学で、日系人の若者達が学生総数の12%を占める。
社会として、ブラジルは国内に住む全ての人々をより良く迎え入れることに努めている。
この様な努力は国家の政策にも影響を及ぼしており、その一例として人種平等政策推進局が進める重要な一連の取り組みが挙げられる。
(以下略)
---- 引用以上 ----

CORRÊA do LAGO駐日大使の言うように、ブラジルに移民した人達が元の文化を保ちつつ完全なブラジル人になったとは限らないわけだが・・・。

ともあれ、日系人の人達は相当厳しい扱いを受けながらブラジル社会で活路を開いていった。
・台頭するブラジル(仮題 BRAZIL ON THE RISE)(7)人種的なパラダイスと言う神話~その1(2011年4月25日 熟年の文化徒然雑記帳;再紹介申し訳)

以下、2011年4月25日分熟年の~『台頭するブラジル~』の終盤部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
 さて、ブラジルには、日系ブラジル人など、世界中から多くの移民が集まっており、人種の坩堝と言うべき人種民族混交のマルチ国家であるが、実際には、人口的には、原住民のインディオを含めても、夫々極めて少数のマイノリティであって、ブラジルでの人種問題は、あくまで、白人と黒人との間の問題なのである。

私たちが、ブラジルに大挙して行ったのは、1970年代のブラジルブームの時であって、先進工業国日本からの企業進出であるから、日本人に対する人種差別は、それ程なかったであろうし、私自身も、あまり感じたことはなかった。

尤も、一度だけ、秘書が、役所への提出書類に、私の人種欄に、白と黒の区分だとと考えてブランコ(白)と書き入れたところ、アマレロ(黄色)と訂正されて突き返されたことがあった。
調べもしないで、日本人の名前だから、黄色人種だと言うことである。

現実には、NHKで放映された「ハルとナツ 届かなかった手紙 」で、その片鱗が見えるのだが、多くの日本人移民は、大変な迫害や差別を経験させられたようで、私も、そんな苦難の生活経験について、サンパウロで聴く機会があった。

レストランに入ったら、ハポネの来るところじゃないと罵倒されて叩き出されたと言っていた人もいた。
何故、日本のTVのコマーシャルは、白人のモデルを使うのか、バカじゃないかと、日系ブラジルの友人に言われたことがあった。

しかし、日本人移民たちは、必死になって頑張って活路を切り開いてきた。
いくら貧しくても、子供たちに教育を付けるために学校へ行かせたお蔭で、人口1%にも満たない日系人が、最高学府のサンパウロ大学の学生の10%以上を占めるなど、その教育水準の高さと勤勉さを示した。
そして、日系ブラジル人が、原野を開墾して生み出した野菜や果物など農作物が、如何にブラジルの生活文化を豊かにしたか、柿をカイゼイロと言うのもその名残で、結局、実力を示すことによって、人種差別を突破して来たと言うことであろう。

私は、この血を分けた日系ブラジル人と言う貴重な存在が、日本の将来を切り開くための最も貴重な財産であり、BRIC’s展開への最も信頼に足るパートナーであると同時に、最高の架け橋だと思っている。
---- 引用以上 ----

もしかしたら、曽野氏はブラジルにおける人種差別の実態も知らないというオチだったりして・・・。


話を戻す。

CORRÊA do LAGO駐日大使は、さっきの引用部分の後、日本に居住するブラジルの人達の取り組みについて触れていた。
2015年3月7日分nikkeyshimbun.jp『曽野 綾子氏に~』から後半部分を(略)

---- 以下引用 ----
(中略)
一方では約17万人のブラジル人が現在、日本国内に居住する。
その大部分が日系人であり、「自ら進んで隔離して住む」わけではない。
ブラジルが日本人移住者に提供したのと同様の機会と度量を求めて彼等は来日したのである。

 大部分が就労を認める査証を得て来日し、何年か働いてからブラジルに帰国することを夢見ていた。
しかし年月が過ぎるにつれて多くの人々が日本と深い絆を結び、家庭を築き、事業を始めた。

幾多の困難にもかかわらず、これ等の在日ブラジル人たちは日本の社会に尊敬の念を抱きつつ当地に溶け込もうと努めている。
日本の社会と隔てる壁を設けることなく、むしろ同化し、貢献することを追い求めている。

 ブラジル人たちが日本の社会に同化し、溶け込めるように多くの関係者が尽力している。
東京、名古屋、各浜松の総領事館だけではなく日本側の政府、地方自治体、一般社会、企業等々の参加が見られる。

 これ等の取り組みに何等かの形で加わっている全ての人々が認識する一つの明白な事実がある。
日本は、当地に在住するブラジル人の才能、文化、努力を上手く取り込んで活用する絶好の機会に恵まれている。
日本が「分離」を主張する意見を退け、自らの未来をより強くより豊かにし得るこの様な好機を活かすであろうと期待し、且つ確信する次第である。
---- 引用以上 ----

日本社会が、ブラジルから日本に来た人達に日本人移住者(ややこしい)に提供したのと同様の機会と度量を与えてるとは思えないが・・・。
いずれにしろ、曽野氏がブラジルから日本に来た人達の実態を無視してる感は否めないかと。

果たして、曽野氏に抗議するのはどこの国の大使か・・・(不謹慎)。


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