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"Right war"? "Wrong War"? What's the difference?(Mar 15, 2015)

2015-03-15 21:40:52 | おかしな人たち
今回は小ネタ。


現在日本政府は、戦後70年の節目にあたって発表する首相談話の作成にいそしんでいる。
その作成にあたって、「有識者会議」なるものが大まかな方向性を議論してるらしい。
これに絡めて、天下の3K新聞が妙なコラムを書いてたのだが・・・。
・「悪い戦争」の根拠は?(2015年3月12日 sankei.com)

タイトルの時点でオチてる気がしないでもない上のコラム。
この中では、「有識者会議」の座長こと北岡 伸一(Shinichi KITAOKA)国際大学学長・政策研究大学院大学学長特別補佐・特別教授(長いよ)のコメントをネタに妙なことを語っていた。
以下、2015年3月12日分 sankei.com『「悪い戦争」の根拠は?』を(略)

---- 以下引用 ----
敵対者から「御用学者」と呼ばれる人々がいます。

 戦後70年の首相談話に関する政府の有識者会議で座長代理を務める北岡 伸一氏もそんなレッテルを貼られがちです。
能力があるため自民党だけでなく、民主党政権でも登用され続けたことへのやっかみからでしょう。

 ただ最近、言動がとみに政治的になっているのが気になります。
先日もシンポジウムで「日本は侵略して、悪い戦争をした」「(中国に)誠に申し訳ないということは、日本の歴史研究者に聞けば99%そう言うと思う」と発言しました。

 しかし、「良い戦争」というのが世の中にあるのでしょうか(まさかイラク戦争のことじゃあないでしょうね)。
何の根拠もなく「99%」と断言するに至っては、学者の言とも思えません。
小紙は有識者会議の論議の行方をしっかりと報じていきます。
(編集長 乾 正人)
---- 引用以上 ----

北岡学長が御用学者と呼ばれてることに関する言及はともかくとして・・・。

3K新聞のコラムが触れてる北岡名誉教授の発言については、少し補足が必要っぺぇ。
・「安倍さんに『日本は侵略した』と言ってほしい」 北岡 伸一・70年談話座長代理(2015年3月9日 huffingtonpost.jp;元ネタはasahi.com)

参考までに、2015年3月9日分 huffingtonpost.jp『安倍さんに~』から前半部分を(略)

---- 以下引用 ----
戦後70年に合わせた安倍 晋三首相による「安倍談話」について検討する「21世紀構想懇談会」の座長代理で、国際大学学長の北岡 伸一氏は9日、東京都内で開かれたシンポジウムに出席した。
講師の一人として参加した北岡氏は首相の歴史認識に関して、「私は安倍さんに『日本は侵略した』と言ってほしい」と述べた。

北岡氏は「日本全体としては侵略して、悪い戦争をして、たくさんの中国人を殺して、誠に申し訳ないということは、日本の歴史研究者に聞けば99%そう言うと思う」と指摘した。
会場から「安倍さんが前向きにしたいというのは正しい姿勢だが、何があったか、何がなかったかを否定しようとしている」との意見が出たことを踏まえて答えた。この質疑に先立ち、北岡氏は「日本は侵略戦争をした。とてもひどいことをした。明らかです」とも述べた。
(以下略)
---- 引用以上 ----

つまり、北岡学長の発言は、先の大戦を問題視するという意味合いが強いわけだ。
実際、日本は朝鮮半島や中国・アジア諸国に(「解放」とかの大義名分を掲げて)侵略したわけで・・・。
これを「正しい戦争」と言うのは色んな意味で無理があるのを踏まえると、北岡学長としては苦慮した上で発言したと思われる。
(無論、北岡学長の思想に賛同するかどうかは別の話)


話を戻す。

例のコラムでは、北岡学長の発言に対し「「良い戦争」というのが世の中にあるのでしょうか(まさかイラク戦争のことじゃあないでしょうね)」と述べている。
この「イラク戦争」ってのは、2003年の米国主導による(日本政府も支持した)イラク侵攻と思われるが、確か3K新聞はそれを散々支持してたんだよな。
このイラク侵攻に関する3K新聞の報道は悪い意味伝説になった感もあり、後世に(反面教師として)語り継がれるべきものである。
↓参照(主にイラク侵攻に関する2003年~2004年における各新聞のコラム(の転載モノ))。
・私はこう考える【イラク戦争について】(2003年6月1日 nippon.zaidan.info)

例のコラムで北岡学長に噛みついたのは、3K新聞も「正しい戦争」ってのがあると思っている一方、2003年のイラク侵攻を正当化するためと言える。
まぁ、今に始まったことじゃないけど。


それはそうと。

2003年のイラク侵攻に先立って、ラルフ・ネ-ダーや著名なジャーナリストら36人が連名で、戦争報道の在り方について米国のメディアに公開質問状を出していたらしい。
・イラク戦争報道(中) ー 日本のメディアはイラク戦争をどう報道したか(2003年6月23日 toshiyukimaesaka.com;元ネタは『総合ジャーナリズム研究』 2003 年夏季号)

その公開質問状の内容は、2003年のみならず現在も重い課題をメディアに突きつけている(と思う)。
参考までに、2003年6月23日分toshiyukimaesaka.com『イラク戦争報道(中)~』からその部分を(略)

---- 以下引用 ----
(中略)
戦争報道に必要な視点とは

ところで、戦争報道はどうあるべきなのか。
開戦の直前、米国で消費者運動のリーダー・ラルフ・ネ-ダーや著名なメディア研究者、ジャーナリストら36人が連名で、湾岸戦争報道を反省点として、米国の主要メディアにあて公開質問状を出した。
その内容はニューヨークのメディア監視団体「FAIR」(Fairness Accuracy in Reporting=報道における公正と正確さ)がジャーナリズムに求める必要な姿勢、視点と同じである。

1.もっとも大切なのは正確な(Accuracy)報道である。
そのために幅広い討議(Broad Ranging Debate)の場を提供する。
「幅広い市民や反対者の声を伝える。反戦運動や、政策に疑問を持つ多くのエキスパート、多数の引退した外交官、軍人
からも取材、報道すること」

2. 競馬症候群的な報道と分析をやめる。
「競馬の勝敗予想のような対決、戦争気分をあおり、センセーショナルな戦況報道で、戦術、武器、軍事作戦の詳細に焦点を合わせた報道のこと」

3. 背景(Context)の説明を十分行ない、相手への思いやり(Sensitivity)を持って書くこと。

4. 政府の情報コントロールへの抗議が不足。
「湾岸戦争、アフガン侵攻では徹底したメディアコントロールが行なわれた。ペンタゴンはイラクの死傷者の数を発表しないが、メディアはこの点に挑戦すべきだ」

5. 政府と距離を置き、メディアと政府は対立する関係を保て。
「湾岸戦争では政府とメディアの距離は失われた。退役軍人やCIAなどの関係者が数多くメディアに登場した」

6. 大本営発表へ疑問を持つこと。
「ベトナム戦争で最も素晴らしいジャーナリストは軍の発表を無視した。メディアと愛国心は相反する。ニュースでの愛国心は真実を探索することだ。戦争に関して匿名の政府職員の情報を信頼できると公表することは正当ではない」
(以下略)
---- 引用以上 ----

言うまでもないが、この公開質問状が突きつけた課題はメディアに関わる人達だけの問題じゃない。


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