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発達障害の人達(特に子ども達)が「失敗作」と言われたら笑えないんだが

2012-05-08 19:56:14 | おかしな人たち
少し前のことになるが、大阪府と大阪市で猛威を奮っている政党こと 大阪維新の会大阪市議団が、「家庭教育支援条例」という条例案を作成していた。
しかしこの条例案、色んな意味で血の気が引くものだった・・・。


↓問題の条例の全文。
・家庭教育支援条例 (案) (自由法曹団)


↓問題の条例に対する突っ込み。
・大阪維新の会のエセ科学的「家庭教育支援条例(案)」逐条批判(2012年5月2日 絵文禄ことのは)

維新の会が出した「家庭教育支援条例」案は、前文から最後まで危険なにほひが漂うブツだった。
特に危険なのは、『第4章 発達障害、虐待等の予防・防止』のくだり。
以下、自由法曹団『家庭教育支援条例 (案)』から『第4章 発達障害、虐待等の予防・防止』を(略
読む前に煙草の火を消しておくのを忘れないように!(謎)

---- 以下引用 ----
(中略)
第4章 (発達障害、虐待等の予防・防止)

(発達障害、虐待等の予防・防止の基本)
第15章 乳幼児期の愛着形成の不足が軽度発達障害またはそれに似た症状を誘発する大きな要因であると指摘され、また、それが虐待、非行、不登校、引きこもり等に深く関与していることに鑑み、その予防・防止をはかる

(保護者、保育関係者等への情報提供、啓発)
第16条 予防、早期発見、早期支援の重要性について、保護者、保育関係者およびこれから親になる人にあらゆる機会を通じて情報提供し、啓発する

(発達障害課の創設)
第17条
・1項 発達障害の予防、改善のための施策は、保育・教育・福祉・医療等の部局間の垣根を廃して推進されなければならない
・2項 前1項の目的達成のために、「発達障害課」を創設し、各部局が連携した「発達支援プロジェクト」を立ち上げる

(伝統的子育ての推進)
第18条
わが国の伝統的子育てによって発達障害は予防、防止できるものであり、こうした子育ての知恵を学習する機会を親およびこれから親になる人に提供する

(学際的プロジェクトの推進)
第19条 保育・教育・福祉・医療等にわたる、発達障害を予防、防止する学際的研究を支援するとともに、各現場での実践的な取り組みを支援し、また、その結果を公表することによって、いっそう有効な予防、防止策の確立を期す
(以下略)
---- 引用以上 ----

発達障害を防止・予防、か。
維新の会の方々が、発達障害の人達を「危険人物」とみなしてるのを端的に示してる条例案だわな。

というより、「わが国の伝統的子育て~」って何?
そんなんで発達障害を防止・予防できるなんて、「日本の伝統的子育て」に幻想を抱きすぎてるとしか思えない。
むしろ、「発達障害は予防、防止できる」って言いたいがために、「日本の伝統的子育て」を持ち出してきたフシすら否めないというね・・・(呆)

それと、この条例案で気になるのは、俺みたく成人を迎えた後で発達障害だと診断された人達のこと。
問題の条例案ではあえて触れてないけど、そうした人達(俺含む)への視線も(今以上に)厳しくなるのは必至と思われる。
特に、問題の条例案では「発達障害は予防、防止できる」なんて触れてる以上、そうした人達は発達障害と診断された時点で「失敗作」として扱われるオチが予想できる。
今まで「普通の人」として暮らしてきたはずなのに・・・。
これでは、発達障害の人達が社会から排除されるのを助長するとしか。


・・・と、余りにも酷い内容の条例案について、専門家の方々から批判が出たのは言うまでもない。
これに対し、維新の会の元締めである橋下 徹大阪市長は何喰わぬ顔で条例案についてコメントをしていた。
・「発達障害は親の愛情不足」 維新の会の条例案に批判(2012年5月7日 asahi.com)

以下、2012年5月7日分 asahi.com『「発達障害は親の愛情不足」~』から後半部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
これ[引用者注:例の条例案]に対し、日本自閉症協会(東京)は6日、市議団あてに内容の修正を求める要望書を送った。
書面では「愛着形成の不足が原因でないことは医学的に確立している」と指摘。
さらに「わが国の伝統的子育てで予防・防止できる」といった記述に対して「脳の機能的な障害である」と誤りを指摘した。
ネット上でも今月初めから「もう少し勉強したほうがいい」「正しい理解が広がってほしい」という声が相次いでいた。

 橋下 徹市長は7日、「発達障害の子どもを抱えて苦労する母親に、それはあなたの愛情欠如ですと宣言するのに等しい」と批判。
条例案について「行政体が、こういうやり方で子育てしましょうと網をかぶせるのはどうなのか。僕が市民の側に立ったら『大きなお世話だ』と言うんじゃないか」と報道陣に語った。
市議団副団長の辻 淳子市議は「条例案はたたき台。内容は再検討する」としている。
(太田 康夫、坂本 泰紀)
---- 引用以上 ----

問題の条例案に関する橋下市長の責任はどこに行ったのやら(呆)
それどころか、まんまと自ら条例案の修正を求める「指導者」としてのイメージを売り出すのに成功してるというね・・・。

どうしてこうなった。


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