国産定番万年筆 最弱インプレ

実用上十分、ほとんど最強と考える実売1~2万円の国産万年筆をレポート。カスタムパーツ製作も左下BOOKMARKで紹介中。

[ 019 - ズームとコース - 2 ]

2007年06月27日 | ペン先に注目
■前回の記事に対して 玉さん から頂いたコメントによって、少し考えたことがあります。

■とがった鉛筆の先を紙に当てたままで軸を30度ひねっても大したことは起こりませんが、
お好み焼きを返すヘラを鉄板に当ててもち手を30度ひねると鉄板に接していたヘラの一方の端は鉄板から離れて数センチほども持ち上がります。

■最初は恐ろしく難しいと思えたのに慣れると自然に扱えるようになるモノゴトは沢山あります。
補助輪の無い自転車。逆上がり。テレビゲームの1面クリア。キーボードのブラインドタッチ。クルマの運転。限定解除の一本橋。スキーやスノボー。などなど。 さて、万年筆は最初から上手く書けてあたりまえの道具なのでしょうか。
記事 017で米国人の方がズームを試して 「 ズームにおいてそれがすごいのは、最大限角度を変えて色々な持ち方をしても、常に凄く滑らかであり続けるというその事実なんだ! 」 と語っておられるわけですが、私は "M越え" から間が無いので、どうもまだ特太ニブの乗りこなしが下手である気がします。常に滑らかとは言いにくい。
お好み焼きのヘラのように接地面が広いペンポイントなのに、恐らく軸をひねってしまっているのでしょう。運筆の途中でかすかにキュッとブレーキがかかるような感触が、ズームとコースの双方で起こります。
「A.万年筆での書きかたは人それぞれによって個性がある( 単なる違い )」
「B.万年筆の書き方には慣れ不慣れ や 上手下手がある( 技量の優劣 )」
という表現でいうと、もしかしたら、接地面がやたら広い特太で書くことに関しては、Bが言えるのかもしれないという気がします。少なくとも私にとってこの2本は最初から「最高!」という感じはしません。あまりに自分の手に合わないと感じれば行きつけの店の老職人に調整を頼むと解決すると分っているのですが、最近は「ま、いいか」と思ってとりあえずしばらく使ってみることが多くなっています。今回も、ペン先が馴染む予感か、書き方が上手くなる予感か、ともかく使ううちに良くなるだろうな、という気がして特に落胆はしていません。

■またPILOT コース に関しては、前回記事へのコメントにも書きましたが、私の普段の持ち方よりも立てて書くとかなりスムースでほとんどブレーキも感じないで済みます。玉さんがパイロット社の方から聞かれたという話では、コースは首軸を持って書く角度に合わせて調整してあるそうなので、その意味では設計どおりの性能なのでしょう。

[ 018 - ズーム と コース-1 ]

2007年06月20日 | ペン先に注目
■セーラー社とパイロット社の、極太の更に上、"特太" のペン先である「ズーム」 と 「コース」。
海外製万年筆のBB( 極太 ) 以上のペン先は平べったいペンポイントをつけていることが多いように思います。イリジウムは白金族の高価な貴金属なので紙に触れない内部の質量は無駄だから削るということなのか、イリジウムにすり付く穂先部分の板厚を薄めに抑えたいということなのか。
一方で、これら日本の2メーカーの特太は、丸々とした巨大なイリジウムをドーンとつけています。
■側面からイリジウムを眺めると、どちらも丸い いなり寿司型に研がれています。良く似ていて大きな違いは無いように見えます。ただしイリジウムにすりつく穂先の板厚は少しズームの方が厚いように思います。
■紙に当たる面に正対して眺めると、コースは少し角を丸めた長方形のようなイリジウムに見えます。 ズームはコースと同様な形状を研ぎだした後にもう1工程を加えて、先端の左右( 左下写真の赤矢印の部分 ) を斜めに面取りしたような形です。ズームとコースの違いと言っていいのか、この2本の個体についてはそうだった、というだけの話なのかはまだ分りませんけれど。

[ 017 - 海外サイトのインプレ - セーラー社プロフィット編 ]

2007年06月13日 | 海外サイト勝手に翻訳
●下記の海外の万年筆に関するサイト「STYLO PHILES」に、セーラー・プロフィット( ズームペン先 ) のインプレ記事が載っていました。
http://www.stylophilesonline.com/12zm.htm
無料Web翻訳ソフトで訳した引用文を、以下に示します。
欧米人は書き味に鈍感だという通説がありますが、ペン先や書き味にとてもこだわって評論していると思います。前回のパイロットカスタム823の記事と同様に、自動翻訳の誤りには責任を持ちません。
勝手に引用している点についても何卒ご容赦ください。


---------------以下マイク・スティーブンス氏の記事を翻訳して引用----------------
今回は面白い報告になるよ...。Sailor のズームはまったく興味深いペン先なんだ。しかも今回はそれだけではなくて、とても面白い軸ボディにそのズームが取り付けられていたから、まったくこの万年筆には興味を引くポイントが沢山あったんだ。うまくリポートできるように最善を尽すよ!

さて何から始めようか? そうだな、軸ボディから話そうか。今回の万年筆は Sailor のカタログにあるスターリングシルバー軸のモデルなんだ。これまでは、蒔絵軸の方に目を奪われて銀製軸にはあまり注目してこなかったけど、金属ペンが好きならば有利な点も多いと分ったよ。このセーラーの銀製軸は、これまでに僕が見てきたほかの銀製軸万年筆とは違っていたんだ。

この銀軸の表面は、とにかく滑らか。見れば分るけど、銀の表面に彫刻も模様も機械彫りされて無くって、綺麗に磨き上げられている。雑味が無くエレガントな、スターリングシルバーの良さを引き出す外見のペンとなっているよ。この万年筆のデザインは、輪郭線と素材の質感だけで表現されていて、その他の装飾や飾りや塗装などの小さな要素の助けに頼っていないんだ。まったくシンプルな万年筆だけど、実際に目にすると、電話でこの万年筆についての説明を聞いた時にそういうペンかな、と想像していたよりもずっと、僕はこの万年筆のシンプルさが好きになったよ。

この軸の唯一の欠点は、あまりになめらかな表面がとても簡単に指紋や汚れを浮かび上がらせるということ。それが、この Sailor についての唯一の気に入らない点だね。写真を見ると、銀が曇っていてちょっとした青錆みたいなものが生じていることに気がつくかもしれないな。

こうした軸素材の万年筆について、君には2つの選択肢がある。 1:毎日それをみがく。 2:長年にわたって曇るのを気にしないことにする。 
僕は第2のコースに賛成だけどね。ピカピカに磨かれた銀軸よりも、ところどころくすんでいるほうが味があってイイ感じに見えそうだから。でも、ま、それは人によるだろうけど。磨くかどうかは君の気持ち次第さ。

ともかく、軸とキャップの銀は、貴金属用磨き布でちょっと拭くとピカピカになるから、特段頑張ってこする必要は無かった。日に一度ちょっと布で拭けば十分だろうな。

僕が銀製軸のペンだと聞いて予め想像していたように、というか実は少しだけ想像よりも軽かったけど、気持ちのいい重さを感じさせる万年筆だ。この重さなら、書いていて不快になることもないよ。キャップは軸の後ろにしっかりつけられる。僕の場合は後ろにキャップをつけないと少し短いと思えたので、筆記時にはキャップを後ろにつけていた。これは、いわゆる中間サイズの ~ Sailor 1911 やモンブラン146 や ペリカンM800 と同じ ~ 日常使用に向いた万年筆だといえそうだ。

化粧箱は、シンプルな良いつくりで外側はよく磨かれ、内側は豪華に見える紫のベルベットで覆われている。とにかく包装は魅力的で、万年筆を飾っても良いし、長距離でなければ幾つかの万年筆を入れて運ぶのにもいいと思う。

さてここまでが軸の話。ではペン先はどうだろう?

ズーム・ペン先は、Sailorの「呼び物の」ペン先のうちの1つだ。決してありふれたペン先ではないのだけど、例の難解な長原製ペン先たちと並んでいると、ごく普通のペン先に見えたりもする。ズームは覚えておくべき長所を持つすばらしいペン先なので、周りのせいで目立たないのは残念なことだ。
まず第一に、ズームは君の書き方に合わせて多くの柔軟性を発揮するように設計されている。しかもそれだけじゃないぞ。ズームは単に柔軟性のあるペン先というだけでは無いんだ! ズームはね、幅広いインクたっぷりの線から、非常に細い乾いた線まで、1本でいろんな線が書けるペン先なんだ。それは、イリジウムが研磨される熟練の方法によって作られていて、イリジウムを慎重に整形することにより、 Sailorは、万年筆の持ち方によって線幅を描き分ける使い方を提案しているんだ。

最近のペンでもヴィンテージペンでも、紙に対して持つ角度によって線幅を変えるというのは、別に新しい話ではないよね。でも、ズームにおいてそれがすごいのは、最大限角度を変えて色々な持ち方をしても、常に凄く滑らかであり続けるというその事実なんだ! 裏返して書いたって( すぐに思いつくことだ! ) それは凄くなめらか。 たとえどんな線幅で書くにしても、気持ちよく筆記できるのさ。

ペン先のイリジウムの紙に当たる側を眺めると、基本的に三角形をしている。だから、紙に対して万年筆を浅い角度で持つと、広い線が書ける。角度を立てれば立てるほど、線は細く書ける。イリジウム形状は滑らかなカーブに研磨されているので、書きながら途中でペンの角度を上下に変えることもできる。

ペンを裏返し、通常紙に当たる側を天井に向けて、普通は紙に当てないイリジウムの上面でも書くことができる。こうすると、非常に細い線を書くことができるんだ。インク出は少なくて、正しい側のイリジウムで万年筆を立てて書くよりも更に細く書ける。でもそのときでも途切れたりかすれたりせずに安定して線が書ける。だから僕は帳簿をつけることにさえ便利にこのペンを使っているんだよ!

僕は決して、"でかい軸にでかいニブ" を好むタイプの奴じゃないけれど、自分の普通の持ち方をするといつもの他のペンより太い線が書けるこの万年筆が、次第に好きになっている。このペン先は、普段の持ち方で固定すると 抑揚があるエキサイテイングな線で字が書けるわけでもなくて、どちらかというと単調な太線で書けるのだけれど、インク出が豊かだし、良く書ける万年筆だと思う。

君は、ズームを使えば使うほど、書きながらペンを持つ角度を変えている自分に気づくと思う。書きながら、あちへこっちへ傾けて、線幅の変化を楽しむためにね。

ズーム・ペン先は、誰にとっても気軽なペン先ってわけじゃない。また大型で柔軟性のあるペン先群の中では、例の見た目が普通じゃない「皇帝ペン先」ほどエキサイティングでもない。でも2種類のペン先を行ったりきたりしながら書きたいと思ったことがあるのなら、このペン先は便利だよ。それに、単純に筆記具として眺めて凄くいいペン先だし。 もし君がズームペン先を手に入れて、結局一つの角度でだけ書くことになったとしても、僕が昨年試して最も一貫して良いと思ったペン先の一つを君も手に入れた、という事実は確かだ。

ズーム・ペン先は、セーラー社の、最もシンプルな軸ボディのモデルから、究極の蒔絵軸ボディのモデルまで、大抵のラインアップで選択できるペン先の一つで、それもまた、僕がセーラー社を好きな点の一つ。まず軸ボディを選べて、それから、ズームに限らず、自分に合うペン先を選択できるから。だけど、僕みたいに、いろんなペン先の中からぜひズームを選んで試してみて欲しい。そして一度試し書きすれば、君もそれがすごいペン先だということにきっと同意すると思うよ!
---------------以上翻訳して引用----------------


●前回のパイロット・カスタムの記事の翻訳では主語が "私" でしたが、今回のセーラー・プロフィットでは "僕" となっています。
英語の主語は男女問わず全て "I" なので、私・俺・あたい・うち・オラ・僕・拙者、という日本語の主語の違いが持つニュアンスの差を、英語ではどう処理しているのでしょうね。
日本語でなら "わし" と主語を語るような場面で、英語だと最初に 「彼はひどいアイルランドなまりの方言で次のように話した」と断っておいて、あとは普通にいつも通り "I" で書くのでしょうか。 合理的といえば合理的ですが。"我輩は猫である" の英題が "I'm a cat." だなんて。

[ 016 - 海外サイトのインプレ - Pilot カスタム 編 ]

2007年06月10日 | 海外サイト勝手に翻訳
■下記の海外の万年筆に関するサイト「STYLO PHILES」に、パイロット・カスタムのインプレ記事が載っていました。
http://www.stylophilesonline.com/01-06/01823.htm
無料Web翻訳ソフトで訳した引用文を、以下に示します。セーラープロフィットのインプレも見つけて次回掲載します。
欧米人は書き味に鈍感だという通説がありますが、華美を避ける日本人的な用の美を理解する風な感性を持って分析していると思います。自動翻訳の誤りには責任を持ちません。勝手に引用している点についても何卒ご容赦ください。

---------------以下マイク・スティーブンス氏の記事を翻訳して引用----------------
本稿では、万年筆の群れ中に埋もれて特にあなたの目を引くことも無いような1本について取り上げます。それは、伊モンテグラッパ・ドラゴンのように華やかなモデルの正反対にあるペンです。一見したところ、それは質素でごく普通の、よくある黒く紡錐形で金色のリングやクリップのついた万年筆に見えます。なにも目を引くところの無いペンだ ~ あなたはあるいはそのように考えるでしょう。

Pilot Custom 823 は、その過剰さを排した控えめな外見の中でうまく自己主張するペンであることがわかってきます。様々な点、至る所で思いもかけない美点をこのペンは垣間見せます。そして、1~2日をこの万年筆と過ごせば、あなたは、質素であるからといってこの万年筆を忘れ去ることなどできない、と思うことでしょう。

まず、よくないニュースから。Pilot Custom 823は、ちょっと角の商店へひょいと入って買うことができるペンではありません--ここアメリカでは! Pilot Custom は日本市場だけで売りに出されているようで、ここアメリカでそれを手に入れるには、少し手間がかかります。私は昨年あたりに Pilot Custom について耳にしました。私は誰が Pilot Custom を手にしてそれに夢中になっているかも知っていて、それは私に Pilot Custom を手に入れたいと思わせるのに十分でした、そして、我々の尊敬するビル・ピプル が中古品を売りに出したとき、私はそれをゲットしました。

Pilot Custom が到着してすぐに、これはまさに書くための道具として「"機能" が "デザイン" を決定する」 という好例だと分りました。一見して、「万年筆は紙にインクを乗せるために設計された道具である」 という事実をぼかすような、華々しいファンファーレも賞賛の口笛も鳴らず、派手な光物もありません。 Custom 823 には、パッと見た姿以上の何かがあるという最初の手がかりは、箱から出して明るい光の下で眺めたときに得られました。最初、質素な当たり前の黒軸万年筆のように見えたのが、実はダークスモ-ク色の半透明な軸とキャップを持っていると分ったのです。そう、Custom 823 はデモンストレーターなのです!

その軸素材は、ほとんどの明かりの下で黒色に見えます。しかし少し明るい照明にむけてかざすと、透けて見える光によってインク残量がよく分ります。キャップの下半分も同様に半透明です。上半分は黒色のインナーキャップのせいで透けませんが。

光にむけてこのペンを掲げて眺めるとすぐに、Custom 823 は近年よくある普通の万年筆ではないという第二の兆候に気づきます。このペンは軸内にプランジャー真空吸入式機構を持っているのです。言い換えると、軸の内部空間全てがインクを蓄えることに利用されるのです。
キャップをとると、第3の意外な事実が分ります。ペン先が、ここアメリカでも販売されている同じ軸サイズの「ナミキCustom」の10号サイズ よりも大きい、15号サイズペン先なのです。それはモンブラン149ほど大きいわけはありませんが、823をちょっとばかり目立たせるのには十分立派なペン先です。

といわけで、、Custom 823 は一見質素に見えるけれど、いくつかの点でカッコイイ万年筆だと分ってきました。そうなると、インクを満タンにしてみて、更に驚かせてくれるのかを調べたくなります。もう、このペンを測って調べつくすのを待てません。私は、インクのコレクションから、ヴィスコンティ社のラピス色を選んで、吸入しました。

Custom 823にインクを吸入するのは、この単純で効果的なプランジャー式メカニズムを持つ他のペンたちと全く同じです。プランジャー真空吸入式では、細い棒の先端にワッシャーがついていて、軸内に真空を作ります。作った真空が開放されるときに、軸内一杯にインクが吸い込まれます。この吸入方式の最大の利点は、軸内の全ての空間がインク貯蔵に使われるので、とにかく大量のインクを吸入できるということです。もしあなたが、インクを入れたのを持って出かけた先で万年筆をよく使い、インクは帰るまで補充しないのであれば、プランジャー式が最適です!

この吸入方式の使い方は単純です; まず尻軸エンドキャップのネジをまわして外し、予備操作としてプランジャー棒を一杯に引き出します。次に、ペン先をインク瓶に入れます。そして、引き出していたプランジャー棒を押し戻します。それからゆっくり10数えて、ペン先をインク瓶から出して、ペン先をよく拭きます。このプランジャー式(このペンを含む!)では、使わないときや携帯時には、インク漏れを防ぐために、エンドキャップのネジを締めてインク室を閉鎖しておきます。書くときには、エンドキャップのネジを少しだけ緩めて閉鎖を解いてから、使います。

プランジャー棒の端のワッシャーは軸内部の壁に押し付けられて栓をしていますので、それをペン先に向けて押し下げていくと、軸内の空気を追い出すことになります。プランジャーを押し込んだ最後のところで軸内の空間の径がわずかに大きくなっていてワッシャーが内壁から離れ、真空が開放されます。それによって、インクが軸内に吸入されるのです。インクの吸入容量がほぼ軸の寸法一杯に等しいという、大きなインク吸入能力を持つ、シンプルだけれども優れたシステムです。過去にはシェーファー社やオノト社やウォール-エヴァーシャープ社を含む幾つかの一流メーカーも採用していました。ただ、この方式の深刻な欠点は、真空を保つためのシール材が磨耗してしまうということです。軸尻のプランジャーロッドを出し入れする穴の箇所のシールが劣化すると、インクが漏れ出します。白いシャツの胸に挿して携帯していてそのトラブルが起こると悲惨なことになります。けれども状況が変わりました。現代の最新のシール素材を用いることで、インク漏れトラブルはまず生じなくなったのです。

一旦インクを満タンにしたら、いよいよ佳境に入ります。...紙にインクを乗せていく作業に。それについて、Custom 823 は、筆記するということに関する全てを満たしていると判明しました。インクの出具合は優れているという言葉では足りないくらいで、まったく驚くほどでした。結局、軸内のインクがなくなるまでの間一度もかすれたりインクが途切れたりすることが無かったのです。少しの間キャップをせずに放置したあとであっても( 一晩中放っておいたわけではありませんよ。普段の生活の中で筆記しているとしばしば起こるような10~15分程度の所用の間という意味です ) です。

私が手に入れた Custom 823 のペン先には中字<M> の刻印があります。しかしアジア製の万年筆ではよくあることですが、実際は太目の細字<F> と呼ぶべきだと思います。ともかく、この14Kのペン先は、インク出が非常にスムーズで、私はこの滑らかさをどう表現すべきかしばらくの間古典的な比喩を思い返していました。「絹のように滑らか」 「ガラスの表面のように滑らか」 「バターを熱いナイフで切るように滑らか」「検察の質問に答える下院総務長の口先より滑らか」...ま、ともかく、まったくもって滑らかなペン先であると言っておきます。

そのすばらしい滑らかな書き味は、この万年筆が、よそ見をせずただただ紙によく線を記すことを目指して設計されたのだと明確に示しています。これもまた紙に書く道具のありかたとして優れた一つの方法ですが...ともかく一度使われないことにはその良さも伝わらない。現在の最新の万年筆の多くは、人に印象づけることや、限定版としてのテーマに合致したがっているように見えます。だからこそ、ただ「書くこと」のために存在する Custom 823 を見つけることができてうれしく思います。ウルトラスムースなペン先。巨大なインク容量。かすれを知らない信頼できるインク出。それから...そうそう! インクを吸入してちょうど1オンスという、適度な重さを感じさせつつ決して重過ぎないパーフェクトな重量も。同様にその寸法も完璧です。長さはキャップを閉めて 5 3/4インチ。そして、キャップを尻につけて長さ 6 1/2インチ。尻軸はキャップに半インチまで刺さります。その後ろ部分は3/8インチまで先細になっていて、ほとんどの人の手にフィットする位置でホールドされるようになっています。

華々しいファンファーレも賞賛の口笛も鳴らず、過度のデコレーションや派手な素材も奢られていない、一見質素な、ただただ「書くための機械」としての万年筆。あなたが万年筆に望むものが「ステータス」や「ポケットの宝石」であるならば、Pilot Custom 823 に満足はできないでしょう。一方、あなたが信頼できてよく書ける道具としての万年筆を望んでいるならば、Pilot Custom 823 を探す手間はきっと非常に価値がある投資となることでしょう!
---------------以上翻訳して引用----------------

参考:http://fish.miracle.ne.jp/mail4dl/05-topic-news/Pick10.htm

[ 015 - 海外の万年筆掲示板サイトでの日本製の評判 ]

2007年06月08日 | 海外サイト勝手に翻訳
●Web翻訳ソフトを使ったいい加減な訳ですが、参考までに。検索にヒットする数から推測すると、パイロット製万年筆ではキャップレスが有名で数多く欧米に出回っている印象です。たまたま見つけたセーラーとパイロットの万年筆について語る掲示板では、( 似ているので )モンブランの万年筆と比較されていました。日本製万年筆は、ニブの滑らかさと ハズレ個体の少なさで、定評があるようです。海外の方々が日本製品を誉めてくれていると思うと、うれしいですね。勝手に引用していますが、連絡が有った場合には削除します。なにとぞご容赦を。

■[ D*Y*I Pranner サイト ]
http://www.diyplanner.com/node/2796
( PILOT キャップレス( 海外名 NAMIKI バニシングポイント ) は最高だ )

I've been using a Namiki Vanishing Point for the last year and it is the most wonderful fountain pen! :) Because it's Japanese, the extra fine nib has a wonderful thin line for writing kanji. The nib retracts into the pen so you can keep it in your pocket or purse. It's expensive but worth it. I bought mine from Levenger, but not sure if they carry them anymore.

去年から使っているナミキVanishing Point( パイロットキャップレス万年筆 )は最高の万年筆です! だって漢字を書くためにすばらしい細線を引くことができるようにしつらえてある日本製のEFですからね。ペン先が胴体に引っ込むので、ポケットや財布にさえ仕舞うことができます。高価なペンだけど、その価値はあります。私はリベンジャー社から買いましたが、同社が今も扱っているかははっきりしません。


■[ The Fountainpen netwark サイト ]
http://www.fountainpennetwork.com/forum/index.php?showtopic=13217
( セーラーはモンブランのコピーではない )

A:Sailors are not copies of Montblanc. Their styling is quite similar to MB, that is true, but they are very different pens. As to which writes better, that's hard to say, you will have to judge for yourself. I can say however, that Sailor makes some of the smoothest nibs in the business.
Sailor also makes specialty nibs which are not available from any other pen manufacturer, such as the zoom nib and the Nagahara Naginata-togi series. But these are not everybody's cup of tea
B:Sailors 1911 models in black color does look like MB meisterstuck.
I have pens from both brands and think sailor pens have better nibs, and they are cheaper.
Sailor pens are generally smooth and wet. MB pens are hit or miss. A couple of my 146 and 149 write great out of the box, while some other ones have major problems.
C:Sailor pens are stylistically similar to Montblanc, but in all other respects are very different pens. The nibs are very smooth and a delight to use, but the pens themselves are rather boring looking, the exception being the 'King of Pen' model, which is the premium priced 'top of the range' model. All in all, these pens offer superb value for money.

A:セーラーの万年筆は、モンブランのコピーではありませんよ。見た目がかなりモンブランに似ているのは事実ですが、両者は大きく異なるペンです。どちらがより書きやすいかについては、堅いことを言うようですが、あなた自身で判断すべきことです。しかしながら、私個人は、セーラーは最もスムーズなペン先を作るメーカーの一つだ、と言わせてもらいます。
セーラーは技術力が高く( 例えばズームペン先とか 長原長刀研ぎシリーズのように )、他のどのペンメーカーからも入手できない特殊なペン先を製造しています。ま、皆にとって気軽なペン先というわけではないですが。
B:黒い軸色のセーラー1911モデルは、まさにモンブランの Meisterstuck のように見えるね。
で、僕は両方のブランドのペンを持っているけど、ペン先はセーラーの万年筆の方が良いと思うよ。それで、セーラーの方が安い。セーラーのペンはどれでも滑らかで豊かにインクが出る。一方モンブランのペンには当たり外れがあると思う。僕の持っている何本かのモンブラン146と149の中の、何本かはすばらしくよく書けるけれども、何本かは深刻な問題を抱えているので。
C:セーラーのペンはモンブランとスタイル的に類似しています。しかしスタイル以外の点では非常に異なるペンです。セーラーのペン先は非常になめらかで、書く喜びがあります。しかし、ま、退屈な外見ではあります。ただ例外があって、高価な高級版でトップモデルである『キングプロフィット』は、"貧者のモンブラン" ではない、金額に見合うだけの素晴らしい価値があるペンです。


■[ the Fountainpen netwark サイト ]
http://www.fountainpennetwork.com/forum/index.php?showtopic=29713&st=15&p=278470&#entry278470
( パイロット・カスタム823を買った )

A:Since I like Fine nibs, I got one with the Japanese Medium nib knowing that Japanese nibs tend to run thinner. The nib I received runs more toward being a Medium Fine, putting down a wet line on paper with just a touch. No matter how fast I write, the pen has no difficulty in keeping up with me, laying down ink as fast as I can guide it over paper without skipping a single beat. It's now my daily writer.
B:The idea of custom pens is that they are available with something like 20 different nib grades so it feels like it was custom made for you. The cousin to the 823 is the 743, which uses the no. 70 convertor which is a vacuum fill pump convertor that holds a lot of ink. I have both an 823 and a 743. I love the 823, (the balance is superb) but I can do without the extra step of having to turn the blind cap to write. So the Custom 743 is my everyday pen.
C:Now is it better than a Montblanc? Well dollar for dollar, yes. It performs easily as well as a 146 (I own many Montblancs too) but is priced 40% less than a 146. Not only that, but the nib choices are staggering. The 743 holds about as much ink in its convertor AND takes cartridges if necessary. If you are comparing the 823, it hold more ink than the 146. And the out of the box performance is the best I've ever used. Monblanc's nib is prettier though the clip is better and the star looks nicer. But if we are talking about writing, IMHO the Customs clearly outperform their German cousins.

A:私は細字Fのペン先が好きです。日本製万年筆のペン先は表示より細目である傾向があるということを聞いたので、日本製中字Mのカスタム823を手に入れました。受けとったペン先は中字と細字の中間の Medium Fine と言うべき太さの線です。そして紙に触れるか触れないかで、インク豊かに線を描きます。私がどんなにすばやく書いても、インクがかすれたり途切れることはなくフローは悠々と早書きについてきます。そして、このペンは、現在私の常用ペンとなっています。
B:カスタムシリーズの万年筆は、およそ20種の異なるペン先が選べる点でまるで自分用にしつらえたカスタムメイド万年筆であるかのように感じさせます。プランジャー吸入式のカスタム823の "いとこ" がカスタム743で 70号のコンバータを使用します。私は823と743を持っていて、( バランスが素晴らしいので )823も愛していますが、823を使う場合には尻軸の栓を少し回転させて緩めないと書けないという余分な操作があるので、カスタム743の方が毎日の常用ペンになっています。
C:パイロット製はモンブラン製より良いかって? 円対ドルでは分らんが ドル対ドルで比較する限り、YESだね。( 僕は多くのモンブランの万年筆も持っているけど ) パイロットの万年筆はやすやすとモンブラン146と同じくらい良く書けて、価格はモンブランの4割引程度。しかも、選べるペン先の種類はちょっと悩んでしまうくらい豊富なのだから。743のコンバーターはモンブラン146と同じくらいインクが入るし、必要に応じて念のためにカートリッジを持って出かければ何の心配も無い。カスタム823の方は、モンブラン146より多くのインクを軸内に吸入できる。ま、「すぐ使える性能」ではこれまで使ってきたペンの中で最高だよ。
モンブランの万年筆はペン先が少しばかり頑丈で、クリップがパイロットカスタムより良く、そして例の星マークが確かに魅力的に目に映える。でも、もし僕たちが「書くこと」について話しているのであれば、愚考するに、カスタムはドイツ製の "いとこ" を上回ってるよ。

[ 014 - ペン先11種の比較写真 ]

2007年06月02日 | ペン先に注目
[ 014 - ペン先11種の比較写真 ]
■ブログに載せる画像サイズには制限があるようなので、別のサイトに11種のペン先の比較写真を掲載しました。ご覧ください。
http://fish.miracle.ne.jp/mail4dl/05-topic-news/AB9-06.htm

■この記事の写真は、F(細字)とM(中字)の中間の太さの中細字と、2段階太い極太字のペン先の比較写真です。かなり違います。
仮に、カスタム742のEFとBB、プロフィット21のEFとBB、の4本を書き比べたら、違いを印象付けるのはメーカーの相違でしょうか、それとも線の太さの相違でしょうか。
何というか・・・日本人の赤ん坊とお年寄り & イタリア人の赤ん坊とお年寄り、の4人がいたときに、国籍が違いを最もよく説明するか、世代が違いを最もよく説明するか、という感じ。

■話は変わりますが。
このPILOTカスタムペン11種の試し書きセットは、セットの本体に各万年筆のキャップが固定されて取り外せなくなっていて、書くときには首軸&胴軸をねじってそこから外します。そのままだとキャップ無しですが、本体右端にビヨ-ンと伸びるコードにつながれたキャップが一つセットされていて、"試し書きされる際にはこのキャップを尻軸に挿してからお書きください" という説明が書かれています。
メーカーとしては、様々なテストを経た末に、キャップを尻軸に挿して書くことを基本にして、重心やバランスを設計しているということではないかと思われます。
ゲンコツ握りの方が増えている状況は筆記具メーカーとして当然知っていると思いますが。 

注)万年"筆" の「筆」という字は、姿勢よく座り、手首を紙に着けないで浮かせたまま、寝かせずに立てた筆を持っている手指の様子の象形だそうです。そういえば横棒は指と同じ5本ある。いわゆるペンの書き方とは違う持ち方の象形です。
http://kodo-tamaki.com/log/eid24.html