国産定番万年筆 最弱インプレ

実用上十分、ほとんど最強と考える実売1~2万円の国産万年筆をレポート。カスタムパーツ製作も左下BOOKMARKで紹介中。

[ 016 - 海外サイトのインプレ - Pilot カスタム 編 ]

2007年06月10日 | 海外サイト勝手に翻訳
■下記の海外の万年筆に関するサイト「STYLO PHILES」に、パイロット・カスタムのインプレ記事が載っていました。
http://www.stylophilesonline.com/01-06/01823.htm
無料Web翻訳ソフトで訳した引用文を、以下に示します。セーラープロフィットのインプレも見つけて次回掲載します。
欧米人は書き味に鈍感だという通説がありますが、華美を避ける日本人的な用の美を理解する風な感性を持って分析していると思います。自動翻訳の誤りには責任を持ちません。勝手に引用している点についても何卒ご容赦ください。

---------------以下マイク・スティーブンス氏の記事を翻訳して引用----------------
本稿では、万年筆の群れ中に埋もれて特にあなたの目を引くことも無いような1本について取り上げます。それは、伊モンテグラッパ・ドラゴンのように華やかなモデルの正反対にあるペンです。一見したところ、それは質素でごく普通の、よくある黒く紡錐形で金色のリングやクリップのついた万年筆に見えます。なにも目を引くところの無いペンだ ~ あなたはあるいはそのように考えるでしょう。

Pilot Custom 823 は、その過剰さを排した控えめな外見の中でうまく自己主張するペンであることがわかってきます。様々な点、至る所で思いもかけない美点をこのペンは垣間見せます。そして、1~2日をこの万年筆と過ごせば、あなたは、質素であるからといってこの万年筆を忘れ去ることなどできない、と思うことでしょう。

まず、よくないニュースから。Pilot Custom 823は、ちょっと角の商店へひょいと入って買うことができるペンではありません--ここアメリカでは! Pilot Custom は日本市場だけで売りに出されているようで、ここアメリカでそれを手に入れるには、少し手間がかかります。私は昨年あたりに Pilot Custom について耳にしました。私は誰が Pilot Custom を手にしてそれに夢中になっているかも知っていて、それは私に Pilot Custom を手に入れたいと思わせるのに十分でした、そして、我々の尊敬するビル・ピプル が中古品を売りに出したとき、私はそれをゲットしました。

Pilot Custom が到着してすぐに、これはまさに書くための道具として「"機能" が "デザイン" を決定する」 という好例だと分りました。一見して、「万年筆は紙にインクを乗せるために設計された道具である」 という事実をぼかすような、華々しいファンファーレも賞賛の口笛も鳴らず、派手な光物もありません。 Custom 823 には、パッと見た姿以上の何かがあるという最初の手がかりは、箱から出して明るい光の下で眺めたときに得られました。最初、質素な当たり前の黒軸万年筆のように見えたのが、実はダークスモ-ク色の半透明な軸とキャップを持っていると分ったのです。そう、Custom 823 はデモンストレーターなのです!

その軸素材は、ほとんどの明かりの下で黒色に見えます。しかし少し明るい照明にむけてかざすと、透けて見える光によってインク残量がよく分ります。キャップの下半分も同様に半透明です。上半分は黒色のインナーキャップのせいで透けませんが。

光にむけてこのペンを掲げて眺めるとすぐに、Custom 823 は近年よくある普通の万年筆ではないという第二の兆候に気づきます。このペンは軸内にプランジャー真空吸入式機構を持っているのです。言い換えると、軸の内部空間全てがインクを蓄えることに利用されるのです。
キャップをとると、第3の意外な事実が分ります。ペン先が、ここアメリカでも販売されている同じ軸サイズの「ナミキCustom」の10号サイズ よりも大きい、15号サイズペン先なのです。それはモンブラン149ほど大きいわけはありませんが、823をちょっとばかり目立たせるのには十分立派なペン先です。

といわけで、、Custom 823 は一見質素に見えるけれど、いくつかの点でカッコイイ万年筆だと分ってきました。そうなると、インクを満タンにしてみて、更に驚かせてくれるのかを調べたくなります。もう、このペンを測って調べつくすのを待てません。私は、インクのコレクションから、ヴィスコンティ社のラピス色を選んで、吸入しました。

Custom 823にインクを吸入するのは、この単純で効果的なプランジャー式メカニズムを持つ他のペンたちと全く同じです。プランジャー真空吸入式では、細い棒の先端にワッシャーがついていて、軸内に真空を作ります。作った真空が開放されるときに、軸内一杯にインクが吸い込まれます。この吸入方式の最大の利点は、軸内の全ての空間がインク貯蔵に使われるので、とにかく大量のインクを吸入できるということです。もしあなたが、インクを入れたのを持って出かけた先で万年筆をよく使い、インクは帰るまで補充しないのであれば、プランジャー式が最適です!

この吸入方式の使い方は単純です; まず尻軸エンドキャップのネジをまわして外し、予備操作としてプランジャー棒を一杯に引き出します。次に、ペン先をインク瓶に入れます。そして、引き出していたプランジャー棒を押し戻します。それからゆっくり10数えて、ペン先をインク瓶から出して、ペン先をよく拭きます。このプランジャー式(このペンを含む!)では、使わないときや携帯時には、インク漏れを防ぐために、エンドキャップのネジを締めてインク室を閉鎖しておきます。書くときには、エンドキャップのネジを少しだけ緩めて閉鎖を解いてから、使います。

プランジャー棒の端のワッシャーは軸内部の壁に押し付けられて栓をしていますので、それをペン先に向けて押し下げていくと、軸内の空気を追い出すことになります。プランジャーを押し込んだ最後のところで軸内の空間の径がわずかに大きくなっていてワッシャーが内壁から離れ、真空が開放されます。それによって、インクが軸内に吸入されるのです。インクの吸入容量がほぼ軸の寸法一杯に等しいという、大きなインク吸入能力を持つ、シンプルだけれども優れたシステムです。過去にはシェーファー社やオノト社やウォール-エヴァーシャープ社を含む幾つかの一流メーカーも採用していました。ただ、この方式の深刻な欠点は、真空を保つためのシール材が磨耗してしまうということです。軸尻のプランジャーロッドを出し入れする穴の箇所のシールが劣化すると、インクが漏れ出します。白いシャツの胸に挿して携帯していてそのトラブルが起こると悲惨なことになります。けれども状況が変わりました。現代の最新のシール素材を用いることで、インク漏れトラブルはまず生じなくなったのです。

一旦インクを満タンにしたら、いよいよ佳境に入ります。...紙にインクを乗せていく作業に。それについて、Custom 823 は、筆記するということに関する全てを満たしていると判明しました。インクの出具合は優れているという言葉では足りないくらいで、まったく驚くほどでした。結局、軸内のインクがなくなるまでの間一度もかすれたりインクが途切れたりすることが無かったのです。少しの間キャップをせずに放置したあとであっても( 一晩中放っておいたわけではありませんよ。普段の生活の中で筆記しているとしばしば起こるような10~15分程度の所用の間という意味です ) です。

私が手に入れた Custom 823 のペン先には中字<M> の刻印があります。しかしアジア製の万年筆ではよくあることですが、実際は太目の細字<F> と呼ぶべきだと思います。ともかく、この14Kのペン先は、インク出が非常にスムーズで、私はこの滑らかさをどう表現すべきかしばらくの間古典的な比喩を思い返していました。「絹のように滑らか」 「ガラスの表面のように滑らか」 「バターを熱いナイフで切るように滑らか」「検察の質問に答える下院総務長の口先より滑らか」...ま、ともかく、まったくもって滑らかなペン先であると言っておきます。

そのすばらしい滑らかな書き味は、この万年筆が、よそ見をせずただただ紙によく線を記すことを目指して設計されたのだと明確に示しています。これもまた紙に書く道具のありかたとして優れた一つの方法ですが...ともかく一度使われないことにはその良さも伝わらない。現在の最新の万年筆の多くは、人に印象づけることや、限定版としてのテーマに合致したがっているように見えます。だからこそ、ただ「書くこと」のために存在する Custom 823 を見つけることができてうれしく思います。ウルトラスムースなペン先。巨大なインク容量。かすれを知らない信頼できるインク出。それから...そうそう! インクを吸入してちょうど1オンスという、適度な重さを感じさせつつ決して重過ぎないパーフェクトな重量も。同様にその寸法も完璧です。長さはキャップを閉めて 5 3/4インチ。そして、キャップを尻につけて長さ 6 1/2インチ。尻軸はキャップに半インチまで刺さります。その後ろ部分は3/8インチまで先細になっていて、ほとんどの人の手にフィットする位置でホールドされるようになっています。

華々しいファンファーレも賞賛の口笛も鳴らず、過度のデコレーションや派手な素材も奢られていない、一見質素な、ただただ「書くための機械」としての万年筆。あなたが万年筆に望むものが「ステータス」や「ポケットの宝石」であるならば、Pilot Custom 823 に満足はできないでしょう。一方、あなたが信頼できてよく書ける道具としての万年筆を望んでいるならば、Pilot Custom 823 を探す手間はきっと非常に価値がある投資となることでしょう!
---------------以上翻訳して引用----------------

参考:http://fish.miracle.ne.jp/mail4dl/05-topic-news/Pick10.htm

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2 コメント

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Unknown (stylustip)
2007-06-11 06:06:31
こんにちは。
いつも楽しく拝見させていただいております。
823は最近常用を始めましたが、良くできた万年筆だと思います。
たまにインクが降りてこない時も有りますが、あばたも笑窪。
日本メーカーへのエールを送る気持ちで、常用万年筆は国産現行品に置き換えつつある今日この頃、これからもこちらのサイトを参考に楽しく万年筆選びをしたいと思います。
独特の切り口での情報発信を楽しみにしています。
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振りますか。 (Fineman)
2007-06-12 23:04:15
Stylustip さま

ありがとうございます。

> たまにインクが降りてこない時も有りますが、

そうなのですか?
プランジャーロッド先端の栓→ペン芯→ペン先
という流れの、栓から先の部分に非使用時はインクが供給されないからでしょうかね。
昔の人ならそんあ時はペンを振って床にインクを飛ばしたのでしょうか。

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