国産定番万年筆 最弱インプレ

実用上十分、ほとんど最強と考える実売1~2万円の国産万年筆をレポート。カスタムパーツ製作も左下BOOKMARKで紹介中。

[ 075 - ハブリッド素材低重心化軸がボツに ]

2008年12月29日 | カスタム化
■軸の素材について、知人たちと試行錯誤していました。
自作金属切削軸 Cener - G コンセプトの中心には、重心について『 軸の長さ方向においてマスを集中化する 』 ということがありました。スポーツカーにおいて、重量物は車体の長さ方向においてなるべく中央に集めて配置することで運動性が良くなります。それがマスの集中化。
http://fish.miracle.ne.jp/mail4dl/05-topic-news/Custom/cent-g-03.htm

■スポーツカーにおいて、重心に関してよくあるもう一つの設計目標は 『 低重心化 』 です。
そこで思いつきました。 ペン先が紙に向かって正対しやすくなるよう手助けするかのように、軸の断面を眺めた際に、軸自体が低重心化していたらどうだろうか、と。

■軸尻にキャップをつけないで軸だけをテーブルの上でコロコロ転がすと、外形は真円断面であるのに、起き上がりこぼしのように、必ず重い側を下にして( ペン先を紙に正対させて ) 停まるイメージです。
その低重心度合いが強すぎれば違和感が強いかも知れません。筆記してそれを感じるか感じないかギリギリの隠し味的なレベルの低重心化軸であれば、何か他の軸には無いスポーティな機能性を備えたぞ、と胸を張れるかも知れません。

■そこで考えたのは、上図のように2つの手法です。
1つは、比重の違う2種の金属を溶接したパイプを切削して造る方法です。
もう一つは、外形は真円断面ですが、内部の孔を偏って開けることで肉厚を変え、それによって低重心化するものです。

■いろいろと検討したり試作したりしてきました。
『ハイブリッド素材の低重心化軸!』 という呼称はかなり格好良いぞ、と思ったのですが、技術的に解決が難しい問題があります。またネジが無くキャップが一切できない試筆限定の試作品を造って試したところ、かなり違和感があって別に書きやすくないじゃないか、という 『そもそも必要か 』 という問題が明確になりました。
というわけで、当面この 『 ハイブリッド素材の低重心化軸 』 製作は中止することにしました。

■その他に、"プレストレスト" というキーワードを盛り込んだ企画もボツになりました。

●しかし。もう一つの、ずっとシンプルなアイデアはもうすぐ仕上がる予定です。
いましばらくお待ちくださいませ。