国産定番万年筆 最弱インプレ

実用上十分、ほとんど最強と考える実売1~2万円の国産万年筆をレポート。カスタムパーツ製作も左下BOOKMARKで紹介中。

[ 019 - ズームとコース - 2 ]

2007年06月27日 | ペン先に注目
■前回の記事に対して 玉さん から頂いたコメントによって、少し考えたことがあります。

■とがった鉛筆の先を紙に当てたままで軸を30度ひねっても大したことは起こりませんが、
お好み焼きを返すヘラを鉄板に当ててもち手を30度ひねると鉄板に接していたヘラの一方の端は鉄板から離れて数センチほども持ち上がります。

■最初は恐ろしく難しいと思えたのに慣れると自然に扱えるようになるモノゴトは沢山あります。
補助輪の無い自転車。逆上がり。テレビゲームの1面クリア。キーボードのブラインドタッチ。クルマの運転。限定解除の一本橋。スキーやスノボー。などなど。 さて、万年筆は最初から上手く書けてあたりまえの道具なのでしょうか。
記事 017で米国人の方がズームを試して 「 ズームにおいてそれがすごいのは、最大限角度を変えて色々な持ち方をしても、常に凄く滑らかであり続けるというその事実なんだ! 」 と語っておられるわけですが、私は "M越え" から間が無いので、どうもまだ特太ニブの乗りこなしが下手である気がします。常に滑らかとは言いにくい。
お好み焼きのヘラのように接地面が広いペンポイントなのに、恐らく軸をひねってしまっているのでしょう。運筆の途中でかすかにキュッとブレーキがかかるような感触が、ズームとコースの双方で起こります。
「A.万年筆での書きかたは人それぞれによって個性がある( 単なる違い )」
「B.万年筆の書き方には慣れ不慣れ や 上手下手がある( 技量の優劣 )」
という表現でいうと、もしかしたら、接地面がやたら広い特太で書くことに関しては、Bが言えるのかもしれないという気がします。少なくとも私にとってこの2本は最初から「最高!」という感じはしません。あまりに自分の手に合わないと感じれば行きつけの店の老職人に調整を頼むと解決すると分っているのですが、最近は「ま、いいか」と思ってとりあえずしばらく使ってみることが多くなっています。今回も、ペン先が馴染む予感か、書き方が上手くなる予感か、ともかく使ううちに良くなるだろうな、という気がして特に落胆はしていません。

■またPILOT コース に関しては、前回記事へのコメントにも書きましたが、私の普段の持ち方よりも立てて書くとかなりスムースでほとんどブレーキも感じないで済みます。玉さんがパイロット社の方から聞かれたという話では、コースは首軸を持って書く角度に合わせて調整してあるそうなので、その意味では設計どおりの性能なのでしょう。