国産定番万年筆 最弱インプレ

実用上十分、ほとんど最強と考える実売1~2万円の国産万年筆をレポート。カスタムパーツ製作も左下BOOKMARKで紹介中。

[ 074 - 軽量アルミ製尻軸バランスウェイト:赤色 ]

2008年09月01日 | カスタム化
■尻軸に比重の大きな真ちゅう製( 18金メッキ )のバランスウェイトを取り付けていましたが、好みや、筆記時の気分で多少重さや重心を変えられるように、アルミ製( 赤色塗装 )のバランスウェイトも製作しました。
真鍮に金メッキのウエイトはランダムに面取りして多面体な形状にしましたが、アルミに赤色のウエイトは皿に盛ったプリンみたいなシンプルな形状に落ち着きました。

■この金色と赤色の尻軸飾りを、好みや気分で取り替えられるようにします。
筆記感覚は、「そういえばなんとなく重さが変わるね」 などというものではなく、大きく変化します。
手指の感覚は鋭敏なんだなあ、と改めて確認するとともに、ウエイトを交換することの面白さも再確認できました。
物理的な重量の変化だけではなくて、視界に入る尻軸のカラーが金色と赤色とでは、色彩が持つムード・心理的効果も変化するようです。

■さて。これで部品は一通り揃ったのですが、軸色でまたまた悩んでいます。
某自動車メーカーのデザイン部に所属する万年筆愛好者の方が、Center-Gについて感想のお手紙を送ってくださったのですが、せっかくアルミ切削製なのだから、黒っぽい普通な印象の塗装でそれを隠さずに、アルミ地肌の上からクリア装をするバージョンも造ってはどうか? とおっしゃるのです。
私にとってその方の言葉は重いので、「そうしようかな?」 などと気持ちが揺れて再検討しています。

■また、もう一つ全く別の付属品も試作しています。

仕様の決定までいましばらくお待ちくださいませ。

[ 073 - 海外掲示板 "モンブラン社149 vs セーラー社キングプロフィット" ]

2008年09月01日 | 海外サイト勝手に翻訳
●同じ松江の街に住む、万年筆を使うことに深い思い入れを持っているけれども決して私のように暑苦しくは感じさせない、とてもハンサムな愛好者がいます。英語の堪能なその方から、最近読んだ海外の英文サイト記事や掲示板の存在を教えてもらいました。

●その1つを自動翻訳でまたまたご紹介いたします。
http://www.fountainpennetwork.com/forum/index.php?showtopic=64541
この海外の掲示板の投稿者の国籍が様々で、しかしそれが当たり前で誰も驚いたりしない様子なのが、印象的です。日本の万年筆サイトや掲示板の参加者はほぼ日本人だけですので。以下翻訳です。


----------------------------------以下翻訳------------------------------

■タイトル:『モンブラン社「149」 と セーラー社「キング・オブ・ペン」( KOP = キングプロフィットのこと? ) を比較すると、どちらがより良い万年筆でしょうか』。

■[ 質問者 Near Mint  From アラブ首長国連邦 ]
やあみんな。モンブラン149 と セーラーKOP のどちらか1本を購入できる予算があるのだけれど、品質と性能においてどちらを選ぶのが良い選択だろうか。だれか助言をもらえると助かる。モンブランに憧れはあるけれど、ネット上の記事で、モンブラン製品にヒビが入ったとかインク漏れがしたとか、そういう類の話を読んだりしたものだから。実際、モンブラン製品はもろい樹脂製( クラックが入りやすい? ) でKOPはエボナイト製( 樹脂よりも永続的で耐久性が高い? ) という違いがあるようですが...。

■[ James.P from 米国のミシガン州 ]
 双方の万年筆にそれぞれ長所と短所があるので 「あなたにはこっちのペンが良い」 という断定はしませんが、個人的にはこう思います。セーラーの最大の欠点で、裏返せば同時にモンブランの最大の長所であることは、吸入機構だと思います ~ セーラーはカートリッジ/コンバータシステムで、モンブランはピストン吸入式です。従って、モンブランのインク収容量は、セーラーのそれよりもかなり大きいのです。万年筆好きの中には、ピストン吸入式は両用式よりも万年筆として格上で本質的に優れているだとか、万年筆としてより魅力的であるだとか、主張する人もいます。
 セーラーの最大の長所だと個人的に思うのは、ペン先です。セーラーのペン先は、特にKOPのペン先は、驚異的に素晴らしいものなのです。KOPの軸がエボナイト製であることが長所であるかどうかは定かでないと思います ~ 他の軸素材たちと同様に長所と短所がありますからね。たとえば、エボナイトは光を浴びると変色してくすみますし、またH2O・水とも反応して劣化します。けれども一般的な軸素材であるアクリル樹脂はエボナイトほどには光や水に弱くはありません。
 私が考えるモンブランの長所やセーラーの長所以外の最大の判断ファクターは、あなた自身が 「どちらが好きか」だと思います。

■[ OM2  from ユートピア ]
 ネットで目にすることを統計的な事実だと誤解しないでくださいね;ネット上では気軽に不満を書くことが流行りがちなのです。あなたが目にしたモンブランに関する不満投稿を、ペリカンに関する不満投稿、スティピュラに関する不満投稿、ヴィスコンティの不満投稿、その他メーカーへの不満投稿、などと比較してみたなら、どれも似たり寄ったりで大した違いがないことに気がつくと思います。僕は5本のモンブラン製万年筆をもっていて、それらのペンを扱うのに大して気も遣ってないです。2回( 1度はキャップを、2度目は軸を )床に落としたことがありますが、別に割れたりヒビが入ったりなどしていません。職場の会議で同僚がモンブラン万年筆をうっかり床に落としたのを見たこともありますが、何事も無かったようにまたそのペンで書いています。僕が5本持っているどのモンブラン万年筆のどれからも一切インクが漏れたりしません。私の場合は、同じく5本持っているセーラーよりも、モンブランの方が日々の筆記用途には出番が多いです。
 万年筆の軸素材として、エボナイトがアクリル樹脂よりも素敵だということに私は同意します。僕の主観的な意見であってみんなが同意することではないですけれども。エボナイトは、モンブランの硬質アクリルに較べると日々の使用による傷やかすかな凹みがつきやすいという点を気に病んだりしないにしても、やはりその変色( エボナイト製ヴィンテージ万年筆を見たことがありますか?大抵は醜いしみのように茶色くくすんだムラができています )しやすい特性は明らかです。それゆえにエボナイト( 別名ハードラバー ) 軸をペストのように嫌っている人もいるくらいだということを、KOPにお金を投じる前に考慮したほうがよいと思いますよ。
 モンブラン社がセーラー社を告訴したために、セーラー社はKOPのデザインを変更しなくてはならなくなったという件を誰かが投稿していましたが、最後にその件を挙げておきます。セーラーの1911タイプ万年筆は、モンブラン社マイスターシュトゥックの露骨なコピーです。率直に言ってそれは私を悩ませます:数百ドルもする万年筆を購入する際に、私は「そのペンにはオリジナリティがある」という価値を求めます。マイスターシュトゥックのあのデザインを欲しいと思ったなら、私はマイスターシュトゥックを購入します。日本製のイミテーションではなくて。
 もしセーラーブランドの個性ある万年筆を欲しいと思ったら、私ならプロフェッショナル-ギア型の天冠や尻軸がフラットな( セーラー固有の ) ペンを求めます。さらに個性的な日本製万年筆を手にしたいならば、中屋を選びます。質問者さんが比較検討している2本のペンと似たような値段で、漆黒一色塗りを含む様々な伝統的色彩で仕上げられる、素晴らしい漆塗り万年筆が手に入りますよ...


■[ Cellulopille from メタトピア ]
セーラーKOPで筆記したことが無いので、質問者さんの比較検討にアドバイスができないなあ。もしかしたら「 筆記用具フォーラム掲示板」 にこの質問を投稿すると、より多くの助言が得られるかもしれないよ。ここ 「Fountain Pen Reviews フォーラム掲示板」 は、単にあるペンのレビューを投稿する場だからね。じゃ。

■[ Goodguy from カナダのトロント ]
いまだにセーラーKOPを試す機会には恵まれていないけど、モンブラン149の方は持っているよ。
私ならどちらを買うか?それは149だな。149がとにかく好きだってことが理由だけど、最大の理由はピストン吸入式だってことだな。この掲示板で何度か述べたけど、もしセーラーがKOPにピストン吸入機構を与えたなら、そのペンは僕の買いたい万年筆の筆頭グループに入るけどね。

■[ Atl from フランスのパリ ]
僕は両方とも持ってる。僕自身は149で何のトラブルも経験していないけど、インク漏れのする固体を買った知人は確かにいる。セーラーKOPのデザインは、149に較べるといささか簡素寄りだと僕は思う:もちろん個人の主観にすぎないけど。ともかくこの2本の万年筆の大きな違いは、ペン先に関してだと思う:疑いなく、セーラーKOPのペン先は、市場で見つけることができる( ちなみに私のペン先はMF )最も滑らかなものの1つだよ。
ただし、吸入機構について言えば、セーラーKOPのコンバータと比較して、モンブラン149のピストン吸入機構には確かに大きな利点があるね。
質問者さんの尋ねた品質の話に戻ると、僕はいくつかのセーラー製品を持っているけど今まで何のトラブルもなかったよ。一方で僕が持っている149以外のペンを含めたモンブラン製品については残念ながらセーラーと同じことは言えないな。
結論としては、君がデザインを好きであるならば、私はKOPを勧めるよ。

■[ Dfatouros from 英国のロンドン ]
拝啓みんな、下記のURLのサイトに、ここでの話の参考になる議論が沢山載ってるよ:
http://www.fountainpennetwork.com/forum/in...st&p=306812


■[ OM2 from ユートピア ]
わあ、実は僕は Dfatourosさんがリンクを張ってくれた掲示板の議論に参加していたよ。たしか1年以上前だよね!
うん確かに、独創性に関する議論が複雑だということには賛成だ。モンブラン社はそのピストン吸入機構を、先行していたペリカン社製品からコピーしたわけだし、「魚雷」形のデザインについては Pretty Generic から拝借、などなど。万年筆製造会社は、お互いにずっとアイデアを拝借しあってきた歴史があるわけで、だから僕はそのことをあんまり議論はしないことにしているんだ。
 だけどね、それも程度問題だよ。セーラー1911シリーズはモンブラン・マイスターシュトゥックの魚雷型シェープになんとなく似てるってだけではなくて、私の目には、相当意識的に細かい装飾まで正確にコピーしていると見える。セーラーの1911シリーズを、たとえばシェーファーのバランス型シェイプの万年筆と混同することはないし、ヴィスコンティの版ゴッホと見間違うことはない。だけどモンブラン・マイスターシュトゥックとは見間違えないほうが難しい。とくに僕が持っている「モンブラン145」と「セーラー1911」を並べて比較すると、セーラーが相当の几帳面さを持って各部をモンブランに似せていることに気がつかないほうが難しい。というわけで僕の気に障るのはセーラーのコピー根性の厚かましさ。僕は、それぞれの万年筆を眺めるとき、それぞれのペンのブランドがそれぞれ持っている視覚的な象徴要素の違いや個性を楽しむけど、あるブランドのペンのなかで他のブランドの個性を眺めて楽しんだりはしないから。


■[ George Drummond from ? ]
モンブラン製品に関する悪い噂の多くは、王道モンブランのブランド力を妬む人たちによって流されます - そういう悪意のある噂はとても多いのです - だから私はモンブランについての悪い噂を簡単に真実だと思い込んだりはしません。インクの漏る149があるかもしれないけれど、他社の多くの万年筆でもたまにインクの漏る固体はあるはずです。別に149だけで起こる話じゃない、セーラーKOPでだって何かトラブルは起こり得ます。僕はKOPを1本持っているけど素晴らしい筆記具です;そして149も持っているけどこれもまた素晴らしいペンで気に入っています。
 セーラー社の中字ペン先は、モンブランのペン先よりも幅が狭くてとても滑らかです。僕はピストン吸入式信者ではないので、KOPがコンバータ式であることは気になりません。それに必要に応じてカートリッジとコンバータを使い分けることができる柔軟性が好きなので。ところでエボナイトは、必ずしも樹脂より耐久性があるというわけではありません - というかそれは Bull shitt 大嘘です - エボの耐久性は、どのくらい気を配ってケアするかによって変わります。エボナイトはいろんな要素に影響を受けるほど繊細にして弱いので、注意して扱う必要があります。強くありません。

■[ Louisa from ? ]
ピストン吸入式でない万年筆はゴミだなどと言うのは、「窓を開け閉めするのにハンドルをクルクル回さなくてもいい自動車は本物のクルマではない」 と言うのに似て、無意味に俗物的だと思います。カートリッジ・コンバータ式万年筆はピストン吸入式より安く手に入れられるし、旅行の際には補給インクを携帯しやすいし。インクを1リットル保持できるペンが、その半分しかインクを保持できないペンより優秀だということにはなりません。何ccインクを保持できるかという物差しは、そのペンがどれだけ優秀な万年筆かを測る物差しとイコールではないのです。私の場合、見た目と書き味で万年筆を選びます。インク吸入量は万年筆選びのポイントではありません。


■[ Good Guy from カナダ ]
1:私個人はピストン吸入式万年筆がはっきりと好きですが、ピストン吸入式か
  どうかで万年筆の良し悪しが決まるとは思いません。
2:ピストン吸入式万年筆が必ずしも製造コストが高いとは限りません。ワリテ
  ィー社は信頼できるピストン吸入式ペンを10ドルほどで販売しています。
3:長い会議に出席したり、学生で大量にメモを取る場合には、まる1日もって
  途中でインク補給の必要が無い、インク大容量な万年筆が良いでしょう。
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