国産定番万年筆 最弱インプレ

実用上十分、ほとんど最強と考える実売1~2万円の国産万年筆をレポート。カスタムパーツ製作も左下BOOKMARKで紹介中。

[ 028 - 貸与された国産万年筆 ]

2007年07月31日 | Weblog
■更新が遅れているのを心配した、県外の万年筆愛好者の方が、よかったらこの万年筆のインプレを書いてみないかと
プラチナ万年筆の古いモデルを送ってくださいました。
ありがたいことです。

■書き味については、私の手に合わないようで、かすれがしばしば発生してしまい、気難しいものでした。
この町の老店主の店に調整に出してから返却させていただこうかと思います。

■でもこの万年筆のルックスはなかなか良いですね。
中園宏氏の「世界の万年筆」などを眺めると、このモデルが販売されていた当時には、よくある基本デザインの一つであったようですが、長いキャップ表面に描かれた飾り線が、ちょっとだけ締まった印象を与えているようです。

[ 027 - 田舎百貨店の万年筆売場 ]

2007年07月31日 | Weblog
■この街は、数年前まで人口15万人でした。市町村合併によって市域が広がって19万人となりましたが、
街の実質的な賑わいは、15万人のそれです。
駅前に唯一 「百貨店」 と名乗っている店舗があります。
その5階、腕時計売り場に隣接して、万年筆コーナーがありました。
長さ1.4m位のショーケースが2つL字型に置かれていて1万円前後の万年筆が並んでいました。
そこの店員さんは腕時計と万年筆の両方を担当していて、万年筆に詳しい人ではありませんでした。

■最近、久しぶりにそのフロアに行ってみると、万年筆コーナーが無くなっていました。
腕時計売り場の店員さんに恐る恐る 「万年筆の販売はもうやめたのですか」 と尋ねると、
「アッチに移りました」と言います。
行ってみると、紳士物の革ベルトや財布を売っているコーナーに
例のショーケースが1個だけ置かれていました。
以前はL字型でしたので、I字型となって売場面積の50%を失った計算になります。
万年筆ブームのはずなのに、この店での万年筆は斜陽商材のようです。

■気を取り直してショーケースを覗き込むと、

 ・Pilot カスタム74が11本、742が4本。
 ・Sailor プロフィットが 13本
 ・Plutinum プレジデント等が10本ほど
 ・国産各社の5千円前後の筆記具がバラバラっと。
 ・Montblanc が2本

が置いてありました。全体に、黒い軸で金色トリムの、"いわゆる万年筆" ばかりです。
なんとなく、万年筆とは使う本人が自分で買うものではなくて、誰かに贈るのにのベルトやネクタイを買いに来た
家族らが 「そういえば万年筆という手もあるわね」 と思い直して買うものだ、
と位置づけられているように感じられました。

■コンビニの売り場スペースは限られているので、
メーカー各社はなんとか棚のスペースを確保して自社の製品を置いてもらおうと熾烈な戦いをするそうです。
この田舎の百貨店に営業に来る国産3社の営業マンの方々も、
この小さなショーケースに自社の商品を潜り込ませようとして、なかなか苦労されているのではないでしょうか。
今の所、面積で見る陣地争いでは、パイロットが優勢のようでした。

■想像ですが、この売り場の担当者・責任者の方は恐らく、ちまたで 「万年筆がブームだ」
という言葉が語られるのを耳にされたり目にされたり、万年筆関連のムック本を手にしたことは無いのではないかと思います。
でもこの街のこの店が特別に気合が入っていないというわけではなくて、
人口30万人未満の地方都市の百貨店の万年筆売り場なんて、大抵はこんな感じだと思いますが。

[ 026 - キャップは交換できます ]

2007年07月31日 | 比較
■パイロット社のカスタム742、743、823。
2兄弟と親戚、のような3本です。
少し離れると、一瞥して区別するのはそれほど簡単ではない3本ですが、
後者2本のキャップを他の2本に入れ替えても大丈夫だということはご存知でしたか。

■もしも、ペン先が小さいカスタム742のキャップのインナーが小型で、
743や823の大きなニブを収めようとしてペン先がつかえて曲がったりすると困るので、
742のキャップは途中までしか他の2本にはめてみてはいませんけれど。

■暗灰半透明の823に、743の黒いキャップをはめてみたところそれほど違和感がなく
「これもアリかな」 と思えました♪

[ 025 - 国産2社ヒット件数 ]

2007年07月21日 | 比較
■老店主の店の応援サイトの、連動記事です。
万年筆メーカー名や、万年筆モデル名が、どれだけ世間に浸透しているのかを知るのに、そのような名詞がどれだけインターネットサイトやブログに出現するかという 「検索ヒット件数」 が、いくらかは指標として使えるかも知れないぞ、ということで、やってみました。
■上表はセーラーとパイロットに関わるキーワードを Google に入れてヒットした件数です。
全体的に、パイロットに関する検索の方が多くなっています。やはりパイロットが国産メーカーの盟主なのでしょうか。
ただしセーラーの "プロフィット" の方が、 "カスタム" よりもよく使われているようです。

■とはいえ、これで何かが分ったり勝ち負けが決まったりする訳ではない、ただのお遊びです。
ヒット件数が多いことは良いことだと思えますが、「カローラはよく見かけるけれどもフェラーリはあまり見かけない」 という例に例えると手放しで喜ぶことはできない結果かもしれませんし。ふ~ん、あ、そう。 と読み捨ててください。

連動記事: http://fish.miracle.ne.jp/mail4dl/05-topic-news/AB9-14.htm

[ 023 - 万年筆関連グッズを近日ご紹介 ]

2007年07月19日 | カスタム化
■上の写真の万年筆関連グッズを、近々ご紹介します。

■幾人かの方から、インプレ記事の目指す方向性について、メールやお手紙でアドバイスを頂きました。

・ある方は、国産インプレというならば次々にもっと多様な国産を紹介して比較し倒してはどうかとおっしゃいます。

・別の方は、1本の国産万年筆だけに集中して使い込んで初めてその万年筆の真のよさが分ってくる、AとBを比較して分ることはAとBの差でしかなくそれぞれの良さではないはずだ、とおっしゃいます。

・ある方は、ある基準万年筆をしばらく使ってから、別の万年筆Bに持ち替えた瞬間の感覚こそが、万年筆を理解するコツだ。長期間使うと慣れから感覚が麻痺して真の姿が逆に見えなくなる、とおっしゃいます。

・また別の方は、国産万年筆は見慣れているので寸法形状その他の情報は求めておらず、文学的・情緒的な評論文をこそ読みたい、とおっしゃいます。

・ある方は、自分は万年筆店が無く百貨店も遠い田舎で暮らしているので基礎的な情報だけでも助かります、とおっしゃいます。


■どの方のお話にも確信と説得力がこもっていますが、こうした助言の全てを同時に実行はできないので、考えてしまいます。

ともかく、5月から現在まで、パイロット社カスタム2本と セーラー社プロフィット2本の、計4本を中心に使っています。
この4本を使い倒す合間には、色々な味の寿司を握ってもらう時の口直し、いわばガリやお茶的な役割の書き味の「口直しペン」として、
ウオーターマン社のエクセプションを使っています。

こうして環境を透明に公開しておいて、今後半年・1年と、使ってみようと思います。研究( ? ) の路線を変更する場合にはまた変更をお知らせします。

※ 記事 022 も新しい記事です。

[ 022 - パイロット社 カスタム 海外の購入者 ]

2007年07月19日 | 海外サイト勝手に翻訳
■以前に記事 016 でご紹介した米国のサイト [ Stylophiles ] の、パイロット社カスタムを紹介するマイク・スティーブンス氏の記事は、万年筆に対する愛情と理解に溢れ、説得力のあるお話でした。
Stylophiles は人気のあるサイトのようですから、あの記事に感化された方は少なくなかったのではないか、という気がします。実際に、あの記事を読んだ後でカスタム823を手に入れたという投稿を幾つか見つけました。
■その内の1つ、[ The Fountain Pen Network ] に投稿された RyanL27 氏 の記事を、Web 自動翻訳サービスにかけたものを、以下にご紹介します。
http://www.fountainpennetwork.com/forum/index.php?showtopic=12771&st=0
日本製万年筆の評判は、やはりなかなか良いようです。野茂やイチローなど海外で活躍した日本人をアイドルとして崇拝している筆者としては、なんだか嬉しくなってくるような記事です。

----------------------- 以下 RyanL27 氏の記事 ----------------------

僕がこのペンに最初に惹きつけられたのは、Stylophiles マガジンのレビュー記事を読んでからだった。その記事の評論者は、"このペンは、いささか保守的な見た目と大容量の吸入システムを持つ、素晴らしい筆記具だ" と語っていた....そして言うまでもなく、僕はこのペンに興味を持ったよ。で、このペンに関する幾つかの質問をここ 「The Fountain Pen Network 」 と 「 Pentrace 」 に投稿し、このペンについて良い評価をする回答を得た。ある回答者からはカスタム823のB(太字)ニブとF(細字)ニブを持っていてFを気に入っているのでBの方を僕に売っても良いという申し出を受けたので、僕は当然彼のペンを購入することに決めて、今日の午後それが届いたってわけさ。ペンが届いてから徹底的に使ってみた。その結果を以下に記すよ。

[ 見た目と仕上げ:評点5 ]
このペンは、大きくて重いボール箱で届いた。箱の中には素敵な布のクッションが入れてあって、そこにペンと70mlのPilot黒いインク瓶が包まれていた。最初の印象は、なかなか良かった。823が確かに良質なペンだということは、それを最初に手にとって、キャップのスクリューがほんの少しの抵抗もなくどれだけ滑らかに回るかを味わっただけで、もう明らかだと思われたよ。キャップのリングには、" CUSTOM 823 *** PIILOT MADE IN JAPAN *** " と読める文字が、ちょうどリングを一周するように彫られている。クリップは、ボール形状の末端を持ち、"PILOT" という刻印がある、シンプルな外観のもの。 軸の色は半透明の暗灰色。半透明だから、内部の真空式インク吸引機構と、一旦インクを入れた場合には内部のインク残量を、見せてくれる。

[ 寸法/重量/快適さ:評点5 ]
823の寸法とサイズの両方が僕を驚かせた。パイロット社823は、ペリカン社M800よりもおよそ1/4インチほど長くて、そのぶん重いようだけれども、筆記感まで重いというわけではないし、このペンが重すぎるという感じは全くない。僕は尻軸にキャップを挿さない時のこのペンの筆記感と寸法が好きだ。多くのペンとは違って、尻軸に挿したキャップによる余分の長さなしでも、十分な長さがあって、快適なんだ。尻軸にキャップを挿すと、823は僕の好みよりもちょっと重くて長いと感じられる。いずれにしても、尻軸にこすり傷をつけたくないから、僕はもともと机の上にキャップを置いて書くのが好きなんだけどね。

[ パイロット社 823、ペリカン社 M800、ベクスリー社 美しきアメリカ ]
この823の取り回し易さは素晴らしい。これはその部門での最高の評価に値するよ。こいつは、手にとった感じの良さにおいて僕の新しいお気に入りになった。このハンドリングの良さは、以前に僕が評点5を与えたベクスリー社の「美しきアメリカ」を打ち破るほどだ。

[ ペン先と筆記感:評点5 ]
この823のペン先は、少なくとも僕が読んだ資料によれば、Pilot社最大のペン先である15号ニブのB( 太字 ) のようだ。 みんなも知っているように、日本製万年筆の線太さは、アメリカの基準に較べると、その表示よりも大抵は細めに書ける。更に、このパイロット社823のB( 太字 )は、既に持っていたパイロット社 Vanishing Point のB( 太字 ) よりも細い線なので、最も似た線幅で書けるのは、ペリカン社M800のF( 細字 ) だ。 さて、このペン先は滑らか! それは、僕がこれまでに使ってきた万年筆たちと較べても規格外にベストなペン先の1つであることは疑いない。これまでのところ、その優雅で豊かなインク出は完璧に信頼できて、紙に歯を立てることなど全くない。このペン先は硬めだけれども、豊かな表現力も持っているから、日常の筆記やメモ取りに使うのに完璧だよ。
もし君が万年筆界でも最高の筆記具の1本を探していて、カスタマイズされたスタブペン先やイタリックペン先などを望むわけではないならば、もうそれ以上色々探さないで、Custom 823を注文していい。きっと、書く道具としてこの万年筆に失望することはあり得ないから。

[ インク吸入機構:評点5 ]
吸入機構は、現代の万年筆界の中でも特に独自性があるペンとして823が引き立つポイントだ。このペンは、真空プランジャー機構によってたらふくインクを吸入する。インクを吸入するには、尻軸のネジを外して金属製の棒とピストンを引き出すことによって軸の中のピストンを一旦引っ込める。それから、ペン先をインクに漬けたあとで、軸の後ろに向けてすばやく、尻軸キャップ/金属棒/プランジャーを押し戻す。 尻軸の金属棒が出入りする穴は気密のシールになっていて、なおかつプランジャーが壁に対して封をするので、軸内部のプランジャーを押し戻すと真空が生まれる。 押し戻されるプランジャーがその降下の最終点に達すると、そこでは軸内部の空洞径が大きくなっているのでプランジャーが壁から離れて真空の気密が破れ、それによってインクに浸されたペン先から軸内にインクが吸い込まれる。

これは本当に効率的なシステムで、ずいぶんと多量のインクを吸入できる。ピストン機構の類が軸の内側に無いから、823の場合は軸の内部の全ての空間がインク吸入に使われるわけで、僕は、一回満タンに吸入した万年筆だけで書き上げなくてはならない重大な仕事を引き受ける、なんていう場面を想像した。
そしてこの内部のプランジャーは、スポイト吸入式 Danitrio社 eyedropper万年筆 の機構にも似て、ストッパー弁としても動作する。尻軸のネジが締められると、内部のプランジャーが栓をして軸内からペン先へのインク流を完全に止めてしまう。だから飛行機旅行中に上空で気圧が下がるためにインクがあふれ出したりすることもなく、そういうことを考慮に入れると、素晴らしいオールラウンダーだと言える。そして筆記時に尻軸のネジをわずかに回せば、インクの流れはペン先へと戻され、すぐに1行目から滑らかに豊富なインクで書き始めることができる。

もし君がシェーファー社の古い 真空吸入式万年筆 と接したことがあるならば、既にこのような吸入機構の負の側面を知っているだろう。いつかは、気密部品がすり減って、真空吸入ができなくなってしまう。しかし、Stylophiles の記事で述べてあった通り、823で使われる現代の気密部品材料は、昔の真空吸入式万年筆の気密部品が見せたような故障の発生にはきっと抵抗してくれるだろう。しかしながら依然としてこの点で、823が最高に良いペンであるかどうかに関して僕は判断を保留したい。気密部品がいかれると、インクは尻軸からも漏れだすので、それは上等なシャツを台無しにすることさえできる。気密部品が漏れ始める場合に備えて、予防処置としてほんのちょっとのシリコーン油を尻軸のネジに塗っておくことを僕は検討している。そうしておけば、インクのすべてをシャツに浴びることはないだろうからね。
真空吸入機構の寿命に関する保留はあるものの、今のところこのペンは完璧に動作して、かつ大量のインクを保持でき、将来なにか1つでも問題が発生するという確信も無いので、僕は823に評点5を与えることにする。

[ 結 論 ]
この万年筆はすごいペンだと言えるから、少々価格が高いと思いつつこのペンに手を伸ばした自分の判断をうれしく思っている。このペンは大きくて、ちょっぴり魅力的で、素晴らしい筆記具だ。それにも増して、巨大なインク能力を持っていること、独自性のある真空吸入機構を持つこと、アメリカではまだ直接は購入できないので珍しいこと、が特筆される。 またインク流の停止栓を持っているので、飛行機旅行に携帯するのにも向いている。全般的に見て、これは私のトップ3本の万年筆のうちの1本で、そしてカスタマイズされていないペン先の中では特にお気に入りの1本だと言える。君が、良質で滑らかな日常使いする筆記具を手に入れたいと思っているならば、僕はパイロット823を考慮に入れるように強く勧めるよ。

----------------------- 以上 RyanL27 氏の記事 ----------------------

[ 021 - SAILOR プロフィット21 写真練習 ]

2007年07月04日 | Weblog
●しばらくはBBや特太で書くことに慣れようとしています。少しコツが分った気がしてきました。その分、中字( M ) のプロフィット21とカスタム742の出番が減っています。
●しばらく前から万年筆を使ってみたいと言っていた知人に1週間プロフィット21の中字( M ) を貸すことになりました。初めて金ペンを使う人ですが、なにか不具合があってもこの町には調整をしてくれる老店主の店があるので、心配はしていません。
なんでも、万年筆を使ってみたいのが一番の理由だけれども、近日中に上司の大切な打ち合わせにお供するので、その席で万年筆でメモを取ってビシッと決めたいという野望もあるのだそうです。
●というわけで、しばらく貸し出す前に写真を撮ってみました。
先日のマイク・スティーブンスさんの記事以来ときどき海外の万年筆関連サイトを眺めていたところ、写真が綺麗で感心することが多かったので、真似をしてみようと、とりあえずそうしたサイトで万年筆に敷いてあったような布を手芸店で買ってきました。
・光沢のある青い布 ・ざっくりとした麻布 ・ベージュの合皮、 などです。
とりあえず、青い布の上に置いたプロフィット21の写真を掲載します。室内で撮ると照明が難しいですね。
もう少し写真が上手くなったら大きい画像を載せてみたいと思っています。
●私のプロフィット21の書き味は、良好です。 紙質と書く内容によって、悪くない ~ 良い ~ とても良い の間で感覚が変わるのは他のペンといっしょですが、その幅が少し広めである気はしています。私のカスタム742も日によって感覚が違うのですが、その変化の幅は、プロフィット21よりは少し狭い気がします。
もちろん、私が手に入れた特定の個体を、私が使う場合の気分のお話です。決して絶対評価ではありません。

[ 020- 丸いペンポイントをひねる ]

2007年07月01日 | ペン先に注目
■私は限定解除世代のバイク好きで、以前は教習所を借り切りパイロンで1方通行のコースをつくってタイムを競う ジムカーナで遊んでいました。狭くてクネクネなので最高速度が上がらなくて安全ですし、日常スピードでのテクは要るしで、楽しんでいました。
 バイクのタイヤはクルマのタイヤと違って断面が円弧を描いているので、接地面はごく小さなものです。コーナーリング時にはその小さな面の持つ一定の摩擦力が、
 1) 横滑りに耐えるコト
 2) 前進しようとする駆動力に耐えるコト
に配分されます。だから目一杯バンクしている時には摩擦力がほとんど 1) に使われて 2) のための余裕が無く、アクセルを開けられません。チョイとハンドルをこじってでもなるべく車体を早く起こして 1) の仕事を減らし、アクセルを開けている時間をできるだけ長くするように工夫したものです。一時、タイヤの摩擦力のキャパ自体を増量するために、接地面を増やすべく特太のタイヤのバイクを持ち込むという手も流行りましたが、すぐに下火になりました。あまりに太いタイヤだと、直進時は良いのですが、カーブでバイクを傾けていくと、タイヤの接地点が車体の中心線からどんどん遠くなって( 上図 )、 車体を引き起こそうとする力が働くようになります。その違和感が好きでないという者が少なくなかったのです。
■話が脱線しすぎですね。でも極太の線を書く多くのニブが平たいのは、バイクのタイヤではなくて、クルマのタイヤのように設計する方が合理的だということかもしれないですね。
丸い特太も、丸いからといって上図のように傾けて切り割りが紙から離れては具合が悪いでしょう。実際はマイク・スティーブンス氏が言うように "いろんな方向に傾けたりひねっても良いニブ" ではなくて、玉さんのおっしゃるように紙に真っ直ぐ当てて書くモノかも知れません。ただし丸いとハネやハライで紙から持ち上げて次の線に飛ぶときに角が引っかからないので運筆の自由度が少し高まる気がするとか。・・・まだ良く分りませんが、書きながらそんな( 無駄にコ難しい ) ことを考えています。