せかいのうらがわ

君と巡り合えた事を人はキセキと呼ぶのだろう
それでも僕らのこの恋は「運命」と呼ばせてくれよ

鎮魂歌

2007-03-29 19:59:33 | Weblog
なんかちゃっかりDCネタバレ(馬鹿が居る


【 鎮魂歌 】


消えた夜の世界に十字架代わりの剣を突き立てて、ひとつだけ息を吐く。


もう左手の甲に黒印は無い。それは全ての元吸血鬼に言えることだろう。朝日に溶けるようにして、吸血鬼の証は消えた。だから昔にはそんな人種は居なかったのだろう。
赤薔薇は既に枯れてしまっていた。枯木色だけが広がる庭園の奥に、白い白い城が見える。誰があの城を白いと知っていただろうか。当主さえ、そして魔獣使いまでもが知らなかったのだ。俺達が一番嫌いだった色が、まさか城の色だったなんて。ただし、城門は黒塗りだったけど。
あの人形だった女の子の呪いも解けたし、結果オーライってとこか。
そこまで考えていると、ふと肩に手が置かれて、振り返る。赤薔薇の色だ。

「ゼロス」
「おーロイドくんよ。何やってんの?」
「・・別に」
「またそれか」

ごつ、と頭を拳でつつかれる。いてーな何すんだ。痛くねーだろ嘘吐くな。いてーよ。・・鼻伸びるぞ。伸びるか!はじめてのやりとり。その胸元にさえ黒印は無い。
とはいっても、今度はすぐに訪れる死へのカウントダウンが待っているのだけれど。

「・・どーしたよ、ロイドくん」
「いや、これからどうしようかと思って」





・・・適当(殴