せかいのうらがわ

君と巡り合えた事を人はキセキと呼ぶのだろう
それでも僕らのこの恋は「運命」と呼ばせてくれよ

カンタレラ - TWIN'S

2009-04-03 04:57:40 | ネタ張
リンとレンの命を掛けた壮大な姉弟喧嘩。

…という妄想を脳内で繰り広げておりますw
実際はリンとレンじゃなくて…けふんけふん。
カンタレラは元々毒薬なのを生かして(?)の
動画……が作れたらいいのになあ(ふっ/…)


リンは正妻の子、レンは愛人の子。
ある日、母親が再婚するので、お屋敷に連れて来られたレンは
「今日から貴方のお姉さんよ」とリンと同じ部屋に入れられます。
ふたりは鏡を映したようにそっくりで、双子と見紛うほど。
どちらも再婚のため、両親は世間の目を恐れて二人を隔離し、
同じ部屋に入れてずっとずっと軟禁してしまいます。
部屋の鍵、お屋敷の大きなドア、迷路のような薔薇園に城門。
それが全て、ふたりの世界を閉ざしてしまっているのです。
そのうち、一番傍に居るレンの事を、リンは気に掛け始めます。
けれど、ふたりは血が繋がらなくとも姉弟なのです。
姉が弟に恋をする。そんな事が許されるはずがありません。
必死に恋心を隠そうとしても、そんな程度ではないのです。

そんな時、お屋敷では仮面舞踏会が開かれる事が決まりました。
ちりちりと痛む恋心を隠して仮面をつけ、リンは出席します。
リンはレンを見つけると、一晩の間ずっと二人で踊り続けました。
レンは嫌な顔一つせず、正体に気づいているはずなのに、
まるでリンが始めて出会った女性かのように振舞ってくれます。
それが嬉しいような、悲しいような。そこで歯車は狂ってしまう。

「手に入らないなら、殺してしまえばいいんだわ」
リンはリンのお父様が育てている毒薬を勝手に持ち出して、
ひとり思いつめたような笑みを浮かべます。
小瓶に入ったワイン色の液体。これは残酷な毒です。
昔二人で駆け抜けた思い出にさえ、残さず消してしまおうと。
二人でよく遊んだ薔薇園の土を踏みしめて、リンは笑います。

ある日、リンはレンとワインを飲む約束をします。
レンのワイングラスに混じっているのは、勿論その毒薬。
レンは最初からリンが薬を混ぜたのを知っていて尚微笑みます。
ワイングラスに毒薬の瓶が重なって見える気すらしました。
けれどそれは、リンだけでなくレンも同様によく知った毒。
量さえ間違えなければ害はない、そう思いレンは口をつけます。

レンも、すこしばかりはリンを気に掛けていました。
けれど「姉弟」の鎖は錆び付いて、逃れる事などできません。
せめて似た容姿が男女の違いを顕著にしてしまう前に、
その秒針を止めるくらいはできるだろう、と―。

油断していたのはレンの方だったのかもしれません。
飲みかけのワイングラスを床に落として、レンは崩れ落ちます。
思わず駆け寄ってその背を支えるリンの心中は穏やかでなくて。
「どうして?こう望んだのは私なのに、少しも満たされない…」
もう長さの違ってしまった指を無理矢理に絡めて、
リンはレンの胸に顔を埋めて目を閉じます。

思えばリンにとってレンは大事な存在であり、
最早何物にも代えられない唯一無二の片割れでした。

純粋な気持ちを忘れて、大切なレンの命を奪った―

不意に押し寄せてきた罪悪感で、今まで表情を崩さなかった
リンは、レンを失ってから初めて涙を流します。
二人部屋のダブルベッドは一人では大きすぎるのです。
そこから見える景色も一人では広いし、何より寂しいのです。
レンが眠らされている部屋へ、リンはヒールで走ります。

窓から見える薔薇園では、よく二人で追いかけっこをしました。
いつも鬼はレン。リンは始めの内は笑いながら逃げるけれど、
途中で寂しくなってしまいレンに泣きすがるのが毎回でした。
そのうち遊びは追いかけっこからかくれんぼになりました。
レンが数を数える近場に隠れては、見つけに来たレンに向かって
両手を伸ばし、リンは無邪気にこういったものです。

「 捕 ま え て 」

レンの眠る部屋のドアを明け放てば、そこにはいつものように
レンが立っていて、笑いかけてくれる気がしていました。
けれどレンは胸で手を組み眠ったまま。
リンは再度顔を覆って泣き崩れてしまいます。
悲鳴のような嗚咽を上げながらもレンの手を握り締め、
リンはうわごとのように言葉をつむぐのでした。

「捕まえてよ、レン…っ!」
その言葉はむなしく宙を舞っただけのように思えました。
けれどふと目を開けた先の景色は先ほどとは違っていて、
ベッドにレンの姿はありません。
驚くリンの頭に乗せられたのは懐かしい暖かさで、




これが全部妄想なんだから人間ってすごいよね!!←