「・・嘘、」
リン、と静寂が落ちる。目は畏怖に歪んで手はいつにも増してショールを強く掴んでいる。何千年と生きていようともやはり精神は少女、彼女には荷が重過ぎた。倒れたレオの傍らで、散三龍華が無表情に座っている。アリスはそれに掴みかかると、散三龍華を押し倒して強く睨んだ。その目は、恐ろしく鋭く光り。
「ふざけないで!どうして、どうしてレオが倒れているの?!答えなさい、いますぐ!!」
「・・・善を気取った完全悪」
取り乱すアリスに、散三龍華は表情一つ変えずに呟く。何ですって、とアリスが低い声で呟くと、散三龍華は笑った。此処へ来て初めて、表情を変えたのだ。もう一度言ってやる、血飲み子、と散三龍華はアリスの細い首を掴む。苦しげにうめいてその表情が歪んだのを見ても、その力は揺るまない。
「善を気取った完全悪、と言ったんだ。それが私達、世界を担う、"フロスティード教団"の実体だ」
―――
BCの散三龍華は凶悪です(待