せかいのうらがわ

君と巡り合えた事を人はキセキと呼ぶのだろう
それでも僕らのこの恋は「運命」と呼ばせてくれよ

捨て猫に飼われる

2007-09-09 00:27:52 | その他
うん、神様ごめんなさい。
確かに変わったことのない平凡な毎日にちょっとした刺激を下さいな!なんてちょっとわがままなこと言ったけど、言ったけど逮捕っていうのは勘弁して下さい。私が悪かったから!!

夜中、やっとパーティが終わってほろ酔いで帰路に着いていたところで、転んだ。何かと思って見れば、

「う、そ・・し、死体?!」

服とかもうボロボロで、口から血とか流してる。そして何故か角が生えている(死体で、へ、変人?!)。酔いなんかどこか遠いところまで吹っ飛んでいってしまった。
だ、だいじょぶですか・・!なんて通じるわけもない日本語で語りかけて自分はバカだったのだと再確認した。というかそんな確認はどうでもいいからこの人は生きているのかの確認が先だ。
首筋に手を当てると、弱いけれど脈打っている。良かった、生きてた。変わり始めた季節の冷たい風に当てられてか、冷たくはあったけれど、生きてる冷たさだった。
安堵の息を吐いてから、とりあえず家まで運ぼうと足に手を掛けた(いわゆるお姫様抱っこってやつだ!)(私がしてもらいたいよちくしょう!)
そのとき、視界が反転して、雲に覆われた真っ黒な空が見えた。エメラルドの星だって見える。と思ったら、目だった。人の目。

「い、たっ・・!!」

ぐきり、と手が変な方向に曲がった気がした。やばい泣きそう。泣いてもいいですか、さくらさん泣いてもいいですか、というか泣かせて?
誰にでもなく呟く。
するとその人は、私の腕をねじり上げたままで、ぎろ、と睨みつけてきた(私なんて食べても美味しくありませんよ・・・!!)

「・・誰ですか」
「へっ?!えっ、えっ、えと、か、海藤さくら、と申します、日本人です!」

や っ ぱ り 馬 鹿 だ 私 ! !
心の中で叫んだ。こんな得体の知れないひとに名乗ってどうする!国籍なんて聞かれてないぞ!それに見ればわかるだろう日本人は顔つきがイタリア(ここ)とは違うんだぞどあほう・・!!
脳内で喝采していると、不意に腕の痛みがなくなった。ジンジンしてるから、きっと痣になってるかもしれない、なんて暢気に考えていると、その人は顔を覆ってそっぽを向いた(それはないんじゃないの・・!!)。

「す、みません勘違い、です・・。あの、あと・・」
「な、なな何でしょう・・?!」
「ドレスの、・・その・・・肩紐が・・」

え。恐る恐る自分の肩に目を向けると、そこに掛かっているはずの紐は遥遠く肘と肩の間辺りまで降りていた。つまりそれは、その(下着が、見えて・・)


「いっやぁぁぁあぁあああぁ!!!」


乾いた音が、響き渡った。

20070909
―――
続くんです(終われ
ありがちな捨て猫(違)設定。
誰って・・知らんでええがな(何