せかいのうらがわ

君と巡り合えた事を人はキセキと呼ぶのだろう
それでも僕らのこの恋は「運命」と呼ばせてくれよ

捨て猫に飼われる2

2007-09-09 01:28:18 | その他
頬にできた真新しい傷こと私の平手打ちのあとにシップを張りながら、溜息を吐いた。

「・・最初から言えば良かったのに、」
「・・・結果は同じだったと思うのはオレだけですか」
「・・・いや、私も思う」

あの後、思いっきり殴ったら、「って・・!」とか言ったあとに血を吐いたりするものだから、引くに引けず家まで連れ帰った。そうして気付いたことがひとつ。この人、すごい伊達男だ。町を歩けば、それだけで女の人が何人も寄って来そうなくらい、ものすごく格好良いのだ。

「いいなぁ。キミみたいな人に愛されてる人は、幸せなんだろーな」
「どうしてそう思うんですか?」
「顔が優しそう」

それだけ?と言われたので、それだけ。と返した。そうしたらそいつは肩を竦めてヤレヤレ、とか言うもんだからカチンと来て消毒液たっぷりの脱脂綿を傷口に叩き付けた。
断末魔。断末魔としか言いようの無い声だった(近所迷惑!!)。

「いったぁあぁあぁぁああぁ!!何するんですか、さくらさん!!」
「いっやああああ!何時だと思ってんのよ!追い出されたらどうするの!!」
「っつ・・!ならこういうことは控えてくださいよ・・!」

しるか、と最後に叫んで、脱脂綿をゴミ箱に投げ捨てた。ナイスコントロール。
最後の傷口にガーゼを当ててから、救急箱を叩くように閉めた。(乱暴だなぁ、なんて聞こえたけど、ぶん殴ってまた血を吐かれたらたまったもんじゃない)(だから心のひろーい私は無視をしてあげるのだ!)

「大体、何で名前で呼んでんの。私はキミの名前知らないのに」
「あ、えーと、申し遅れました。オレはランボです、」
「ふーん。変態ランボね。わかった」

適当に呟くと(だって角なんて変態以外になんていえば良い!)違いますよ、何で変態なんですか!と叫ばれた(うるさいってば・・!)。

「だって角なんて着けてしかも牛柄シャツ。なに?そういうシュミ?私は牛ですってか?」
「違います角は武器ですそれにシャツは普通のシャツですよ牛柄ではないですもし模様があったとしたらそれはオレかあいつら、の、血・・・、」

そこまで言いかけて、はっとしたように口を覆った。なに?あいつら?意味わかんない。
寝言ならどうぞベッドで、と新調したばかりのベッドを指差すと、しばらくの間のあと、さくらさんは何処で寝るんですか、と訊かれた。

「は?決まってんでしょ、床だよ、ゆ・か」
「そんな、女性を床に寝かせるなんてできませんよ」
「いやできなくてもして下さい。私、怪我人を床で寝かせるほど冷酷じゃないから。キミが床だったら気になって寝れないよ。っていうか文句多いヤローだな!」
「女性がヤローなんて言ってはいけません」
「うっせーお前は私のオカンか!良いから文句言わずに寝ろ!うっせーから寝ろ!」

ばちん、と後頭部を殴ると、少し大人しくなって、これで寝れるか、と思ったら、今度は大真面目な顔をして、「じゃあ俺と一緒に寝てください」なんて言いやがったこのどちくしょう(あれ?二回目?)

「・・新手のセクハラ?というか私寝相悪いから傷口に響くと悪いし」
「でも、」
「いやいやいや、でもじゃないから。寝なよ。気が向いたら一緒に寝てあげるから」
「・・やだ」

思わずはああ?なんて声が出てしまった。やだ?その歳でその顔して、やだだと?冗談はその格好良さだけにしてくれ!(いや、冗談の種類が違うけど!)

「嫌です」
「・・・もー、なんなのさ・・。あやばいなんか、泣きそうってか泣く」
「え、え!」

なんで私こんなに弱いんだ、と思った。ってか何で泣いてんだろ私。自分のわがままが通らないから泣いてる子供じゃあるまいし。ださっ!
ぼろぼろと落ちてゆく涙を放置したままで、「はい、女の涙は武器。キミは死亡。ということで死人は死人らしくベッドで寝ろ。ごーとぅーへる」と呟く(何か違う?気の所為だ!)。

「大怪我の人に向かって、不吉だなあ。しかもゴー・トゥ・ヘルは地獄に落ちろ、ですよ」
「いいんだよ意味なんて。・・ねえいつまで人の泣き顔眺めてるつもり?いい加減折れてよー」
「・・さくらさんが、名前で呼んでくださったら」

にっこり、なんて効果音がつきそうなくらい素敵に笑ったそいつを見て不覚にもトキめいたってのは秘密だ。だから悔し紛れに下から睨みつけて、「はやく寝て、ランボさん」って言ってやった。ところでこいつ何歳?

「明日は質問攻めにしてやるんだから・・」
「覚悟の上です」
「(うわあうわあなにこいつ!ムカツク!)」

―――
確信犯(笑
主人公弱すぎ。というか此処は十年後なのか二十年後なのか。
とりあえずイタリアってことになってる(ことになってる?!
ってかごーとぅーへるはねえだろわらい(お前が書いたんだよ


最近不眠でどうせ眠れないので、こんな時間まで
パソコンです。小説(夢だけど)楽しい。