せかいのうらがわ

君と巡り合えた事を人はキセキと呼ぶのだろう
それでも僕らのこの恋は「運命」と呼ばせてくれよ

海鳴

2007-08-08 10:28:59 | その他
海が啼いている。
苦しそうに呻きながら、誰かの名を呼んでいる。それはこの世界に居る誰かかもしれないし、もう息絶えた者達かもしれない。あるいは私か、

「・・居るのでしょう、」

名はあえて口に出さない。纏わりつくように漂ってきた薄い白が、何よりそこに存在しているという証拠だからだ。それに私が『殺した』者の名を呼ぶのは冒涜と同等の意を持つだろうから。
存在している。そして私に語りかけている。声は、届かない。
冷たくて暗い、どこか私の手の届かない所で眠っているのだと聞かされた。助けに行くつもりもなかったけれど、そのままにしておくのも辛かった。だから私は『死んだ』。それが償いになりえないことなんて、百も承知で、"頭を銃で撃った"。

追ったのよ、彼方と同じ死に方でね。

「何の用?・・と言っても、声は聞こえないから、意味なんてないけど」

霧がふわりと頬を『すり抜けた』。私は霊でもないし生体でもない。かといって何ができるわけでもない。触れるのは何故か、この手にあるオカリナだけ。見つめて、目を閉じた。
海鳴が、止む。

「・・今更何の用?裏切り者を殺しに来たっていうの?」
「そうではありません。・・約束、ですから」
「残念ね、私はもう死んでるわ。私は、」
「知っていますよ。そして今の貴女は」

砂の城が解けるように指先が消えていく。砂になった体は地面に落ちて、海岸になった。どこまでも優しい人だ。そして残酷で。

「彼方の「幻影であるということも」」

唯一私を、認めてくれた人。



『死んだら海になりたいわ』
『そんなことが可能だとでも?魚のエサになってしまいますよ』
『いいじゃない、夢くらい見させてよ。彼方ならできるでしょ』
『過大評価ですね。いくらなんでも人を変質させることはできません』
『私の臓器とかもあの子みたいに作ってよ。そして体を砂にして消して』
『貴女を嬲るようで気分が悪いのですがね』
『彼方から嬲ることが気持ち悪いなんて聞くことになるなんてね』



「約束は果たしましたよ」
「うん」
「これで満足ですか」
「うん、ありがとう。ごめんなさい」

最後まで迷惑をかけっぱなしで。
思えば散々な人生だった気がする。いつもの仲間に加担すればこの世に存在する最も惨い死を遂げ、そして昔の仲間に加担すればその瞬間今を失うことになる。そんな両板挟みな状況で。そして結局、私はどちらも守ることなんてできなくて。
ごめんなさい、だから彼方と同じ道を辿ったら、

「彼方の元に戻ってくるよ、幾千の輪廻を越えて」

今度は彼方の仲間として。

―――
(海鳴)
 や っ ち ま っ た ! ! ( 爆 
これ誰夢か気付いた人、凄いとおもふ(古語・・
すこし前から読んでる人は気付くと思うんですが。
日記の「汚染中」とか読めばわかるはずなんですが。
「薄い白」で気付いた人は神過ぎる。
「冷たくて暗い、」で気付いた人必ず居るはず。
「"銃で頭を撃った"」で気付く人も居たかもしれない。
「霧」で気付かない人は居るかもしれない。
でも「輪廻を越えて」で気付いたかもしれない。

それでも気付かない人は「輪廻の果てより」って
呟くとなにやらとてもよろしいかもしれなくもない。
それでもピンと来ない人は臓器が幻術なあの子を
思い浮かべてみるともっといいかもしれなくもない。

そうだよ骸だよ悪いか!(∑!!!

・・悪いに決まってる。ごめん(何




死にネタ大好きですが、それが何か?(開き直り