歩かない旅人

 彼がなした馬鹿げたこと・・・彼がなさなかった馬鹿げたことが・・・人間の後悔を半分づつ引き受ける。ヴァレリー

竜(蛇を大げさに誇張)の野望!

2016-01-19 10:35:45 | 私の好きな歌です。

 

  

 

 「朝貢貿易」という言葉を私たちは間違って解釈してはいけないと思います。今世界で行われている貿易とはまるで違った、朝貢という言葉が曲者です。

 朝貢というのはチャイナの皇帝を一応、認めることから始まり、貢物を捧げて、家来になったことを形で示します。それに対して、皇帝はそれ等の貢物の何倍かの返礼をします。当時アジアでは先進国であったチャイナの品物はブランドです。

   

 朝貢貿易は、かなりな得になる制度でした。周りの小さい国々はこぞって朝貢貿易を行い、当時豊かなチャイナから多くの返礼を貰い、礼を尽くすことを約束させられました。

 日本の場合は聖徳太子の、【日出処天子至書日没処天子無恙云々】(日出処の天子、書を没する処の天子に致す。つつがなきや…)これを読んだ隋の煬帝は激しく怒ります。とあるように、この時代から国交は正式には途絶えました。

   

 その前までは日本という国は変な国で、黄金や刀剣をかなり送り、代わりに大量の書物を仕入れてきたそうです。

 チャイナはその後、周りの国々から何べんも征服され、皇帝が変わりましたが、日本は以前のチャイナの良き時代に発達した四書五経の、勉強をして、日本流に改良し、しかもカタカナやひらがなまで作り出しています。

   

 チャイナなどに関わりのなかった日本は、独自の文化を、非常に高度に作り上げていきました。孔子や孟子の世界は、日本にのみ発達を遂げ、縄文文化と融合して、独特の大和魂を作り上げていったと私は信じ込んでいます。

 チャイナは今でも独裁国家です。尊敬されたがってプライドだけは人一倍気にします、いわゆる面子です。それも独裁者とそれにつながる関係者だけの面子で、他の国民たちの事など気にしません。日本と正反対です。

   

 そんな国が、昔の栄誉を再び作り上げようと、共産党関係者が躍起になっています。しかし世界の情勢はチャイナがどうしようもない環境になって仕舞ったと言う事を、いまだに認めたがらないようです。

 笑ってしまう事に、共産党政府自体が、あの地域の住民から、いつ反旗を買うか分からない状態になったため、結構無理をして、世界を相手に、かっての大国気取りで、AIIBなる代物を作ろうとしていますが、さて御立ち合いです。 

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【竜の野望-インフラ銀開業・上】

   1・18付

   

ひざまづく国には気前よく支援…「朝貢貿易」を彷彿 急ごしらえだけに融資ノウハウなど課題山積

 北京市内の金融街に近い釣魚台迎賓館。約500人の代表団がどよめき、拍手が起きた。16日午前、アジアインフラ投資銀行(AIIB)開業式典の冒頭であいさつした習近平国家主席が、

 中国がAIIBへの297億ドル(約3兆4700億円)の資本金拠出とは別に、途上国向け特別基金として5千万ドルを追加すると表明したときのことだ。

 インフラ整備で今後、数兆ドルの資金需要がある途上国が、ポンポンと気前よく支援を打ち出す中国に吸い寄せられるのは自然な流れだ。その光景は、まるで中国の皇帝を敬う異民族に皇帝が恩賞を与えた「朝貢貿易」を連想させる。

   

 中国主導のAIIB創設にはせ参じ、“皇帝”の自尊心をくすぐった56の国々。習氏は高揚した表情で「21世紀の国際金融機関に仕上げる」と世界銀行など国際金融秩序に挑戦する構えまでみせ、会場を見下ろした。

   × × ×

 世銀などは融資基準が厳しい上、審査や実行に時間がかかる。途上国の間では小回りの利く手軽な資金を求める声が強かった。資本金1千億ドルのAIIBはそのニーズに合致し、国際金融で主導権を握りたかった中国と思惑が一致した。

 とはいえ習指導部が2年前に発案した急ごしらえの組織。体裁は整っても、すぐに立派な国際金融機関が動き出すと考えるのは早計だ。

   

インフラ案件で「原資をいかに安く調達し、採算性や返済計画をどう詰めるかという国際金融機関の融資ノウハウがAIIBにはまだ何ひとつない」(国際金融筋)と指摘される。

  しかも開業したてのAIIBは、原資調達へ発行する債券の「格付け」がまだない。当面は資本金だけで融資がまかなえるが、年内に承認されるとみられる初の融資案件を含め、

 20億ドルと見込む初年度案件がいずれも成功しなければ「習指導部がメンツをかけて関係部門に命じた最上級の『トリプルA』の格付け早期取得は難しい」(北京の経済学者)との見方がある。

   × × ×

 日米は運営上の透明性への懸念からAIIB参加を見送ったが、「日本だけは認識が甘い」(中国の金融当局者)との厳しい指摘がある。

 米国は世銀の元北京事務所長デビッド・ダラー氏をAIIB事務局に送り込み、内部情報にアクセスできる態勢を作ったが、日本は蚊帳の外だからだ。

 現状では、加盟国以外でも自由に応札して受注が可能なアンタイド方式をとるAIIBの案件に、日本企業が参加する機会もキャッチしにくい。

 AIIBが検討するインフラ建設が将来的に軍事転用される恐れはないか、人権侵害や環境破壊を引き起こさないかといった、リスク情報も日本は得るのが非常に難しい。

 アジア開発銀行(ADB)や政府開発援助(ODA)などで長年の実績と経験をもつ日本がAIIB参加を急ぐ理由はどこにもない。だが、

   

 「オバマ政権は水面下でAIIBをめぐる米中協力関係の構築にも着手し始めたようだ」(アナリスト)との気になる未確認情報も流れている。

  ただ、AIIB初代総裁に選出された中国の元財政次官で、ADB副総裁を歴任した金立群氏は、AIIB成功の難易度を最もよく理解している人物。

 ADB総裁だった黒田東彦日銀総裁とも懇意な金氏は、3月までに訪日し、協力の道を模索すると伝えられる。

 北京で開業式典を行い、船出したAIIB。中国が主導する史上初めての国際金融機関はどこに向かうのか。行方を検証する。

 

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 日本抜きでは出来ないと、少し分かっている人にはわかりますが、入って来るものと勝手に想定していたのが、安倍首相の判断で入らなくなって、親中派も親韓派も当てが外れたようです。今だに未練を残しての出発みたいです。

 アメリカのオバマ政権は、やはりリベラルなパンダハグーの連中にも気を使い、世界の覇者としての意気地を見せられない有様ですが、もうすぐ辞めて新しい大統領が誕生です。

 日本のメディアは何故かチャイナや韓国には大甘です。どこの国のメディアか分からない時もあります。バスに乗り遅れるなと盛んに騒いだ連中も、今は静かにしていますが、どうなるか分かりません。

 産経新聞が「竜の野望」と言う連載を始めたのは、グッドタイミングです。イギリスやドイツの欧州勢のこれからの出方も見ものです。どこもかこも火の車です。

 付録に『産経抄』を載せておきます。

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【産経抄】   1月18日 

台湾人に生まれた幸福とは… 1月18日

    

 「台湾人に生まれた悲哀」。台湾の李登輝元総統の名文句は、平成6(1994)年に行われた、司馬遼太郎氏との対談で生まれた。当時、台湾はもちろん、中国大陸でも、発言の真意をめぐって、大きな波紋が広がったものだ。

 ▼この言葉を思い出したのは、韓国の女性アイドルグループに所属する台湾人の周子瑜(しゅうしゆ)さん(16)にふりかかった、厄災を知ったからだ。きっかけは、韓国のテレビ番組で、台湾の「中華民国旗」を振ったことだった。

   韓国の女性歌手グループ「TWICE」に所属する台湾出身のメンバー、周子瑜さん=13日、ソウル(ロイター=共同)

韓国の女性歌手グループ「TWICE」に所属する台湾出身のメンバー、周子瑜さん=13日、ソウル(ロイター=共同)

 

 ▼中国で「台湾独立派」と激しく非難されて、ネット上の動画で、中国のファンに謝罪する羽目に陥ってしまう。いや、むしろ国民党のかこった悲哀の方がはるかに大きかったかもしれない。謝罪の映像が台湾のテレビなどで流れたのは、総統選の投開票日直前である。

 ▼プライドを傷つけられた台湾人の怒りの矛先は、対中融和政策をとってきた国民党に向けられた。ただでさえ選挙戦を有利に進めてきた野党、民進党の蔡英文主席(59)に、だめ押しの得点を許してしまった。結果は、8年ぶりの政権交代である。

▼「『台湾人に生まれた幸福』、これこそ私が人生を賭けてきた目標なのです」。昨年夏に日本を訪れた李登輝氏は、講演で語った。対談から2年後、李氏は台湾住民の直接選挙で選ばれる、初の総統となった。

当時、李氏の顧問として対中政策の立案に関わっていた蔡氏は、4人目の民選総統、そして史上初の女性総統である。

   台湾総統選で朱立倫氏を破り、笑顔で勝利宣言する民進党の蔡英文主席=16日、台北(共同)

 台湾総統選で朱立倫氏を破り、笑顔で勝利宣言する民進党の蔡英文主席=16日、台北(共同)

 ▼自分たちのリーダーは、自分たちで選ぶ。李氏が植え付けた民主主義は、台湾にしっかり根付いている。この「幸福」を中国の圧力からいかに守り、より強固にするのか。安倍晋三首相とも、すでに非公式に会談したとみられる、蔡氏の政治手腕に期待したい。


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