ファチマの聖母の会・プロライフ

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シスター・ルシアの第二の手記の日本語訳  Ⅱ. ご出現 6. ジャシンタとフランシスコからの励まし

2017年09月26日 | ファチマ シスタールシアの手記
シスター・ルシアの手記の日本語訳(続き)

ポルトガル語原文は次で読めます。
MEMÓRIAS DA IRMÃ LÚCIA I
Compilação do P.e Luís Kondor, SVD, 13ª edição, Outubro de 2007


英語訳は次にあります。
FATIMA in Lucia's own words (Sister Lucia's Memoirs)
Edited by FR. LOUIS KONDOR, SVD., 16th edition, July 2007


フランス語訳は次にあります。
MEMOIRES DE SŒUR LUCIE
Textes édités par le Père Louis Kondor, SVD, Septième édition, septembre 2008


この日本語訳は「ファチマの聖母の啓示 現代の危機を告げる ルチア修女の手記」(ヴィットリオ・ガバッソ/志村辰弥編)1987年/ドン・ボスコ社を参考にしました。

第二の手記

II. 御出現


6. ジャシンタとフランシスコからの励まし

神父様のこの考えがどれほど私を苦しめたかは天主だけがご存じです。何故なら天主だけが私たちの心の最も奥底にまでしみ通るからです。

その時から私は、これらのご出現は、悪魔から来たのではないかと疑うようになりました。悪魔はこれらの手段を使って私の霊魂を失わせようとしているのではないか、と。私はよく人々がこう言っているのを聞きました。悪魔は、いつも混乱と無秩序を持ってくる、と。そこで、本当に、これらのことを見始めてから、私の家はもう同じではなくなってしまった、喜びと平和が逃げてしまったということを考え始めました。私はどれほどの苦悩を感じたことでしょうか!私は自分の疑いをいとこたちに打ち明けました。
ジャシンタは答えました。

「ちがう、絶対に悪魔じゃない!絶対にちがう!悪魔はとっても醜くて、地獄の地下の奥底にいるって聞いたわ。でもあの貴婦人は、あんなに綺麗だったでしょう。私たちは、あの方が天に昇っていくのを見たもの!」
私たちの主は、この言葉で私の疑いを幾分か軽くしましたが、その丸一か月間、私は犠牲と苦業をする熱心を失ってしまいました。それから何もかもおしまいにするために、嘘をついていたと言ったほうがよいのではないかと躊躇うようになってしまっていました。フランシスコとジャシンタは、叫んで言いました。
「そんなことをしないで。ルチアちゃんは、嘘をつこうとしているって分からないの?嘘をつくのは、罪なのよ。」

この心の状態に陥った時、私は精神の暗闇をますますいや増しただけのある夢を見ました。悪魔が私をだまして、嘲笑いながら、私を地獄へ引っ張りこもうとしている夢でした。

自分が悪魔の爪の中にいるのを見て、私はあまりにも大きな声で叫び、助けを求めてマリア様を呼び求めたので、母が目を覚ましました。母は何が起こったのかと心配して私のそばにきて、「どうしたの」と聞きました。私が母に何を言ったか覚えていませんが、私は恐れで麻痺してその夜は一晩中眠れなかったということは覚えています。

この夢は私の霊魂を、本物の恐れと苦悩で覆い包みました。私の一つの気休めは、一人で静かなところへ行くこと、そこに心の満足するまで泣くことでした。

私の二人のいとこたちと一緒にいることも、重荷のように感じ始めました。その理由から、私は彼らから隠れ始めもしました。可哀想な子供たち!時々、彼らは私を探して、私の名を呼ぶのですが、私は返事をしませんでした。私は彼らが探そうと思わないような隅に、彼らのすぐ側に隠れていました。

7月13日が近づきました。私は、まだコヴァ・ダ・イリヤへ行くべきかどうか迷っていました。私は自分でこう考えていました。
「もしあれが悪魔なら、何故悪魔を見に行くべきだろうか?もしなぜ行かないのかと尋ねられたら、私たちに現れているのが悪魔かもしれないと思う、と言おう。そのために私は行かないのだって。」
フランシスコとジャシンタは自分たちの好きなようにすればよい。私はコヴァ・ダ・イリヤへはもう行かない。」私は決心を立てて、その通りにすると決意していました。

12日の夕方になると、次の日の出来事の準備で早くも群衆が詰めかけていました。私はジャシンタとフランシスコに、私の決心を知らせました。ふたりは口を揃えて、
「私たちは行きます。あの貴婦人は、私たちに来なさいおっしゃったのよ」と言いました。

ジャシンタは、貴婦人に話しかけることを自発的に申し出ましたが、私が行かないと言ったのでとても怒り、泣き出してしまいました。私は、涙の理由を聞きました。
「だって、あなたが行かないから!」と言うのです。
「私は行かない。よく聞いて。もし貴婦人が私のことをお尋ねになったら、悪魔かもしれないと思って、私は行きませんでした、て伝えてちょうだい。」

そこで私は二人を残して、隠れに行きました。質問をしようと私を探して来た群衆に話さなければならないのを避けるためでした。母は、私が村の子供たちと一緒に遊んでいるものと思っていました。私はその間中、もう何度も申し上げた井戸から少し東寄りで、アルネイロと隣り合わせの隣家の茂みの後ろに隠れてしまいました。その夜に私が家へ帰るや否や、母は私を叱りつけました。
「おまえったら、なんて恥ずかしくもなく聖人づらをしているのね!羊の世話から離れるとずっと遊ぶことしかしないのだから。しかも、誰も探せないような所で遊ぶなんて!」

その翌日、 あそこへ行く約束の時間になろうとする時、私は突然行かなければならないと感じました。私は不思議な力に押されて、 ほとんど抵抗することができませんでした。私は歩き出して、叔父の家で、ジャシンタがまだ家にいるか呼んでみました。すると私はジャシンタが兄のフランシスコと一緒にベッドの横で跪いて泣いているのを見ました。
「あなた、行かないの?」と私は尋ねました。
「ルチアちゃんが行かないなら、私たちだって行かない。来て!」
「うん、行くわ!」と私は答えました。
二人の顔は、喜びに輝き、私と一緒にコヴァ・ダ・イリヤへ急ぎました。
大勢の人々は道の途中で、私たちを待っていました。そこで私たちは群衆を押しわけながら、やっとあそこに到達することができました。この日は、私たちに秘密を教えてくださった日です。そのあと、聖母が私の弱くなった熱心を再び生き生きとさせるために、私たちにこう言われました。
「罪人たちのためにあなたたちをいけにえにしなさい。あなたたちが犠牲を捧げるときには特に、イエズス様とマリア様にたくさんこう言いなさい。イエズスよ、これは御身を愛するため、罪人たちの回心のため、マリアの汚れなき御心に対して犯される罪を償うためです、と。」

(続く)

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