ファチマの聖母の会・プロライフ

お母さんのお腹の中の赤ちゃんの命が守られるために!天主の創られた生命の美しさ・大切さを忘れないために!

シスター・ルシアの第二の手記の日本語訳  Ⅱ. ご出現 12. 償いと苦しみ

2017年10月10日 | ファチマ シスタールシアの手記
シスター・ルシアの手記の日本語訳(続き)

第二の手記

II. 御出現


12. 償いと苦しみ

数日後、私たちが羊らと一緒に道を歩いていると、馬車からロープが落ちているのを見つけました。私はそれを取り上げて、遊ぶつもりで、腕の周りを縛りました。しばらくするとロープが痛いと言うことに気づきました。
「ほらっ、これ痛いよ!」と私は従姉妹たちに言いました。
「私たち、これを腰の周りに縛って、これを天主様への犠牲として捧げようよ!」
かわいそうな二人の子供たちは、私の提案にすぐに同意しました。私たちはこのロープを三人で分けました。これを石の上に置いて別のとがった石をナイフのようにして打って切りました。或いはロープの厚さや荒々しさのために、或いは私たちがこれをきつく絞めすぎるので、この苦行の道具はしばしば私たちに恐ろしい痛みを与えました。時々、ジャシンタは涙をこらえることができず、これが彼女に引き起こした苦痛はそれほど大きなものでした。私がロープを取り外すように促すといつでもジャシンタはこう答えました。
「いやよ!私はこの犠牲を私たちの主に償いとして、また罪人たちの回心のために捧げたいの。」

別の日、私たちが壁にある小さな植物を摘み取ってそれを両手でつぶしてパチンという音を聞いていました。ジャシンタがこれらの植物を摘み取っている間、葉っぱにとげがあるイラクサを手にとって自分に刺していました。痛みを感じるやいなや両手でもっと強く握りしめました。そして私たちにこう言うのです。
「見て!見て!ほらここに苦行することができる別のことがあるよ!」

その時以来、私たちは時々私たちの足をイラクサで叩くことになりました。それは別の犠牲を天主に捧げるためです。

もしも私の間違いでないならば、すでに司教様にジャシンタについての報告の中で申し上げた、私たちがお昼のお弁当をかわいそうな子供たちにあげる習慣を身につけたのはこの月の間でした。私の母が平和をもう少し感じるようになり始めたのもこの月のことでした。母は良くこう言ったものです。
「もしもあとたった一人でも誰かが何かを見たのなら、私は信じるかもしれないね。でもこれだけたくさんの人々がいるけど、その人々が何かを見たならね!」

この前の月の間、いろいろな人たちが別のものを見たと言っていたのです。聖母を見た人もいるし、太陽に別の印を見た別の人もいるし、いろいろでした。すると母はこう宣言しました。
「もしもあとたった一人でも何かを見たのなら、私は信じるかもしれない、と言ったけれど、今では何かを見たという人があまりにも多いわ!だから私はまだ信じない!」

父もこの頃から私の擁護に回るようになりました。私をしかり始める人々に黙るように言いました。父はよくこう言ったものです。
「私はこれが本当であるか知らないし、これが嘘であるかも知らないんだよ。」

その時、続けて私たちを見たがり私たちに話をしたがる外部の人々全てのうるさい要求を心配した私の叔父と叔母とが、自分の息子であるヨハネを羊の群れの世話をするように送り始めました。彼ら自身はジャシンタとフランシスコと一緒に家に留まりました。私は他の人々と一緒に羊の世話をするのが好きではなかったので、たった一人で羊と一緒に出かけ始めました。司教様に既に申し上げましたとおり、私がジャシンタとフランシスコの近くを通りかかると、彼らは私のところによくやって来ました。牧場が遠くにあると、彼らは私が家に帰るのを待っていました。このときが本当に幸せな日々だったと私は本当に言うことができます。たった一人で羊たちの真ん中で、丘の頂上であろうが、谷の底であろうが、私は天の美しさを観想し、天主が私にくださった全ての恵みを天主に感謝しました。私の姉の一人の声で、誰かが私を探しているから家に帰るようにと私を呼んで、私の孤独を壊した時、私は深い不快感を覚えました。私の唯一の慰めはこの別の犠牲を私たちの愛する主に捧げることができることでした。

ある日、三人の紳士が私たちに話しに来ました。彼らが質問した後、この質問はその他の如何なるものであったとしても、快いものではありませんでしたが、彼らはこう言って立ち去っていきました。
「君たちは自分の秘密を言うように決めなさい。もしもそうしないなら郡長は君たちの命を取ってしまうつもりだよ!」
ジャシンタは、喜びで光り輝いた顔をして、この喜びを隠そうとは全くせずに、こう言いました。
「うぁー、すごいわ!私、私たちの主と聖母が大好きなの!そうなったら私たちすぐにイエズス様とマリア様と会うことができる!」

郡長が私たちを本当に殺そうとしているという噂が駆け回りました。このためにカサイスで結婚して住んでいた叔母は私たちの家に引っ越して来ました。それは自分の家に私たちを連れて行くためでした。その理由は、叔母の説明によると、「私は別の郡に住んでいるから、この郡長はおまえたちに手を置くことはできないよ」でした。しかしこの叔母の計画は決して実行されませんでした。何故なら私たちは行きたくなかったからです。私たちはこう答えました。「もしも殺されるなら、おんなじことよ。私たちは天国に行くんだから!」

(続く)

ポルトガル語原文は次で読めます。
MEMÓRIAS DA IRMÃ LÚCIA I
Compilação do P.e Luís Kondor, SVD, 13ª edição, Outubro de 2007


英語訳は次にあります。
FATIMA in Lucia's own words (Sister Lucia's Memoirs)
Edited by FR. LOUIS KONDOR, SVD., 16th edition, July 2007


フランス語訳は次にあります。
MEMOIRES DE SŒUR LUCIE
Textes édités par le Père Louis Kondor, SVD, Septième édition, septembre 2008


この日本語訳は「ファチマの聖母の啓示 現代の危機を告げる ルチア修女の手記」(ヴィットリオ・ガバッソ/志村辰弥編)1987年/ドン・ボスコ社を参考にしました。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。