甲子園が開幕して9日経ったが、今夏はわりと見ている、というかテレビをつけている。春はほとんど見なかったのに。地元の日大三高も故郷の広陵も2回戦を突破したので嬉しい。WOWOW がこの時期だからだろう、“高校野球もん”を連続放送したのでつられるように4本観た。「バッテリー」(2007年)はあさのあつこの小説が原作。林遣都はこれがデビュー作で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。菅原文太もシブいが、反 . . . 本文を読む
「そばかす」(2022年)は玉田真也監督作品というより、「ドライブ・マイ・カー」三浦透子の初単独主演作品、と広報していた。ドライブマイカーより素晴らしい作品になったのは間違いなく三浦さんの演技と存在感だったろう。恋愛してあまり年齢が高くないうちに結婚するのが当然という私たちの社会は、恋愛感情も性欲もいだかない、自由に生きていきたい女性にとって、なんとも息苦しい社会であることか。性的マイノリティ . . . 本文を読む
「魂萌え」の次は伊坂幸太郎を読みたいと思ったが、録画があった伊坂原作の映画「アヒルと鴨のコインロッカー」を先に見たら、これがなかなかよかった。ただ最後、えっ、ちょっとよくわからないってとこあり。そのせいか小説をすぐにも読みたくなって読んだ。映画も十分面白かったのだが小説はもっとよかった。この作品だけでなく、2時間にまとまられた映画より重厚にたっぷりと描かれるから、小説のほうが訴求力が強いなぁと思う . . . 本文を読む
「よだかの片想い」(2021年)はホントに素晴らしかったから、安川有果監督はどんな作品を撮ってるのだろうとウディペキしたら、「Dressing Up」(2015年)だけとは驚く。二十歳のころ初めてトリフォーやゴダールの作品を観たときみたいだって思った。こんな傑作を世に出してもその後チャンスが与えられない日本映画界って、どうなってんのか。大丈夫か。最近観た日本映画の「君たちはどう生きるか」や「銀 . . . 本文を読む
今年になって小説、日本の現代文学を読むようになって、映画も日本映画の方を多く観るようになった。その反面、海外ニュースをあまり見ない。ウクライナ情勢や欧州の政治に関する情報も毎日はフォローしない。いや、国内の政局のことだって同じだ。そういう一連のことは全て繋がっているのだろう。今の私は古典文学は読まない。古い映画は観ない。これってつまり、現代日本や社会の現状やそこでの人々の生き様に関わるものに、 . . . 本文を読む
「最悪」を読んだばかりだったが、WOWOW が奥田英朗原作の「向田理髪店」を放送したので原作を読む前に映画を先に観た。最悪はクライムノベルだったのに向田理髪店は過疎地で暮らす人々の悲喜交々を描いたドラマだったので、先ずは奥田英朗に抱いていたイメージが変わってちょっと驚いたのだが、映画はとても良かった。福岡の元炭鉱町の親子を軸に、過疎化、少子高齢化の進む地域で起きる出来事を通じて、家族の絆や地域社会 . . . 本文を読む
トム・クルーズ「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」シリーズの第7作目、観ました。すごい、素晴らしい、unbelievable。他になんか言うことある? なんか言って意味ある? って感じ。小説もドラマも舞台もどんなものもかなわない、サイコーのエンタメでしょ。「トップガン マーヴェリック」観たときもそんなこと書いたけどそれを超えてる。しかもこれ前編で後編がまだあるって . . . 本文を読む
「泣き虫しょったんの奇跡」(2018)は将棋棋士・瀬川晶司の自伝の映像化作品。これは将棋界のことだけど、歌手でもスポーツ選手でも、夢を諦めず、いくたびもの苦難を乗り越えていく映画っていいよね。ワクワクするし、泣けるし、元気もらえるし、明るい気持ちになる。それにこの作品の豪華キャストはホントすごい。松たかこ、小林薫、早乙女太一、藤原竜也などなど書けばきりがないほどの方々が、軽い役を引き受けてる。 . . . 本文を読む
「グッバイ・クルエル・ワールド」(2022 日本)は大森立嗣監督のやくざ映画、というよりは、クライムエンタテインメント、っていう方があたってるか。これがリアリティのあるハナシかどうかはわからないが、すごい顔ぶれで理屈抜きに面白い。大森監督の作品はそんなに観てないが長澤まさみがすごい「MOTHER マザー」はとてもよかった。あとは「まほろ駅前多田便利軒」「まほろ駅前狂騒曲」ぐらいかな。
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「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」(2023 アメリカ)はシリーズ5作目、という。えっもっとたくさんあるんじゃないのか、って思ってしまう。1981年が1作目「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」だから42年間で5作ってわけか。これすごいことなのかどうだかわかんない。それはともかく、“アクション・アドベンチャー”というよりSF・スペクトルとでもいう方がふさわしいような今作。だってタイムマシ . . . 本文を読む
映画「ハケンアニメ」は辻村深月の原作だから見たくて見たのだがとてもいい映画だった。新人監督・斎藤瞳(吉岡里帆)の苦闘、奮闘。彼女を育てるために厳しい要求を課すプロデューサー・行城理(柄本佑)との対立、衝突。映画はそれが本筋で王子監督(中村倫也)と有科プロデューサー(尾野真千子)のことはウエイトが低かった。それでも多くのクリエーターの人たちの熱気に胸が熱くなったのだが。小説「ハケンアニメ」に書かれて . . . 本文を読む
映画が原作と大きく異なるハナシになることはしばしばあるが、このファーストラブではなかった。ちょっと違うなと思ったのは、公認心理師・真壁由紀のキャラや人間性。先の読んだ小説の由紀と映画の北川景子ではかなり違って感じられた。北川は好きな女優だしいい演技だった。映画の由紀が小説より劣っていたわけではないが、小説で思い描いていた由紀とは違う女性に思えた。環奈の二転三転する供述の理由を由紀が解き明かして . . . 本文を読む
映画を先に観た「ハケンアニメ」の小説を2日で読んだ。映画もとてもよかったが、小説は読むのをやめれない面白さで、辻村深月という作家の想像力に驚くばかりだ。感想は”小説と映画”という視点で書こうと思う。いまはちょっとまだ書けない。今週は読書と並行して是枝裕和監督の「3度目の殺人」「海よりも深く」を観たが素晴らしかったので、どういう思いで撮ったのか語っていないかと著作を図書館で探して2冊を借りた。「 . . . 本文を読む
小説と映画、どちらがより好きなんだろう。いや、なにが違うのだろう。楽しみかた。映画「ファーストラブ」を観たあとで改めて思った。あまり小説を読まなくなったこの“十何年”か。歴史や政治やノンフィクションを読むだけで手いっぱいのわたしにとって、エンタメとして求めたのは小説より映画だった。それが2023年になって小説を読みはじめるようになった。その原因はいろいろあるが、それはさておき。それよりも小説と映画 . . . 本文を読む
「ハケンアニメ」(2022年)は辻村深月の小説の映画化というので観たのだが、何度もグッときた。最も成功したアニメの称号“覇権アニメ”をかけて新旧2人の監督が競うハナシ。アニメ業界の熱気、クリエーターたちのほとばしる情熱に胸が熱くなる。日本アカデミーで吉野耕平の優秀監督賞ほか多くの受賞をしている。吉岡里帆がとても素敵。柄本佑がシブい、この人うまいんだな。中村倫也、尾野真千子もいい。辻村の原作もぜ . . . 本文を読む