ふわふわ

mococoの近況.主にEVE Onlineに関する話題など.

Apocalypse級 就航と貧乏艦長

2007-01-31 20:37:24 | EVEOnline(VoyageLog)
随分前からハンガーに懸架されっぱなしになっていたのだが,最近になってmococoもようやくまともに戦艦を運用できるようになってきた.同期の皆と比べると,大分遅い進水式(進宙式?)かもしれない.スキルも伸びてきたのでレーザー全砲門を開いて最大船速で駆けずり回っても,取り敢えず電力の心配とかはしなくてよい.まぁ,Apocalypse級は電力にボーナスを持っている戦艦なので当然なんだけど...

とは言っても,巨体ゆえの足の遅さと鈍重さに我慢できず,専らMWD(マイクロワープドライブ)で移動できるようなミッションくらいにしか出動していないのだが.(つまりL4ミッションとかは全然やってない.)

これでmococoも6000名超のクルーの命を預かる身となったわけで,簡単に撃沈させられるわけにはいかない.むしろ率直に言ってしまうと,クルーの命というより,お財布事情が許さない.

他の人はどうだか分からないが,mococoのEVE生活における最大の壁は,実は懐事情だったりする.スキルの方は寝てようが仕事で居なかろうが,着々とお勉強が進むわけだが,お金の方は採掘にしろミッションにしろ,ゲーム内で稼がないことには1iskも貯まらない.最近は一日一時間程度しかEVEの宇宙に居ないmococoにはお金を稼ぐ術が無いわけで,船舶保険の更新日が立て続けに来てCONCORDになけなしの貯金を毟り取られた今は,全ての所持金をかき集めても80万iskに届かないという体たらく.船や艤装品はもちろん,新しいスキル教本も買えないという事態に.

と言うわけで,今日も今日とて元手のかからないLearningスキル Lv5なぞをボーっと読み解く日々が続くのであった.
# しょんぼりなことにまた2ヶ月ほど出張なので,落ち着くまではゲームもblogも停滞気味かも.というか復帰するころにまた船舶保険の更新な気がする...


[SS] Yeeramoun恒星を背に航行するApocalypse級戦艦.下方に浮かぶのは惑星Yeeramoun V.

Kyonoke Pit.(公式訳)

2007-01-30 19:34:12 | EVEOnline(BackStory)
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(原文)

●Kyonoke Pit.
Kyonokeの大穴

Taisy星系の最縁部に「Kyonokeの大穴」と呼ばれる棄て置かれた採鉱ステーションがある.この採鉱ステーションは,40年前にCaldariの探鉱会社の一つであるHyasyoda社によって建設された.このステーションは建設当時,星間通信デバイスの中核部品であるTASC(*1 双曲原子超伝導結晶)を採鉱・精製する全宇宙でも最大規模のステーションだった.
(*1 twin atomic superconductor crystal)

建設されてから数年間,採掘作業は非常に順調であった.Kyonokeの採鉱ステーションは,すぐにHyasyoda社にとってなくてはならない有益な拠点の一つとなった.採鉱ステーションは巨大なアステロイドの上に建設されていたが,採掘作業が進むにつれ,次第にアステロイドの中核部へと深く深く縦坑が伸ばされていった.

5年前,惑星Taisy Prime衛星軌道上の管制タワーがKyonokeの採鉱ステーションからの緊急信号を受け取った.何か疫病のようなものがステーション内で蔓延し始め,作業員が次々に死んでいるという.この緊急通信を受けたわずか数分後,Kyonokeの採鉱ステーションとの通信は途絶し,その後はいくら管制タワーが通信を試みても沈黙するばかりだった.

すぐさま何が起こったのかを調べるための調査船が派遣された.調査船がステーションがあるはずのアステロイドの周回軌道に入っても,地上には一つの明かりも見えず,またいかなる生命兆候も検知できなかった.
厳重な防護スーツで装備した緊急対策チームが降下した採鉱ステーションで見たものは,ぞっとする様な光景だった.採掘作業員たちはステーション内の至る所でそのまま息絶えており,その屍骸は腐り堕ちていたのである.屍骸はどれも赤黒い斑点に覆われていて浮腫(むく)んで膨れ上がり,恐ろしい苦悶の表情を浮かべていた.彼等が,激しい苦痛を伴う何らかの中毒,あるいは疫病に冒されて死んでいったことは明らかだった.どこからか沸き上がったこの恐るべき災厄は,あっという間にステーション中を席巻し,作業員達をわずか数分で皆殺ししてしまったのである.

緊急対策チームは調査船に彼等が発見した状況を詳細に報告しながらステーション内の探索を続けた.しかしチームが地上に降下してから約2時間後,彼等は次々に体調の不調を訴え始めた.調査船の艦長はすぐさま帰投命令を出したが,チームのメンバは帰還作業中に赤黒い浮腫みを発症し,苦痛にのた打ち回ることになった.
・・・すなわち,最新鋭の防護スーツを着用していたにも関わらず,彼等もまた恐るべき死病に襲われたことは明らかだった.調査船の艦長は残りの乗務員の(そして自分の)安全性を懸念し,ステーション内で死に逝く緊急対策チームを残したまま,この大穴を離脱したのだった.

これが,人類が宇宙で遭遇した中でも最も不可解かつ致命的な悪性疫病の一つ「Kyonokeの伝染病」の最初の顛末である.

Caldari国家当局はこの出来事から数時間後,Kyonokeの大穴の封鎖を決定した.
当局は封鎖の後,細心の注意を払って原因の究明に勤めたが,その結果は実はあまり芳しくない.生物学的には,タンパク質に非常に似通った「バイオ粒子」がこの疫病の原因であることが判明している.この微粒子は大気中から呼吸器を介して体内に侵入し,血液循環を通じて脳に至る.そして人類の脳内で「発芽」する.脳内に感染した後,この微粒子は急速に神経細胞を侵食し,延髄を侵す.この段階に達すると感染者は全ての身体制御機能を失い,また非常な苦痛を伴う.最終的には心臓及び肺に帰着し,数分以内に心肺を機能停止に陥らせる.このバイオ粒子は活動状態を保ったまま大気中で数日間生存可能なので,屍骸の周囲に近づいた生物にも容易に空気感染する.この場合,新しい感染者も数時間の内に死に至る.

これ以外にも,このバイオ粒子は休眠状態のものも発見されている.休眠状態の微粒子は,苛酷な条件の環境下でも何年もの間生存することが確認されている.これらの休眠微粒子は一度生物内に進入すると活動状態に変性しはじめるが,必ずしも直ぐに変性するとは限らない.生物内に進入しても長期間に渡って休眠状態のまま留まっていることもある.また,上記で述べた通り,活動状態の微粒子は脳内で発芽しタンパク質を侵食するのだが,この侵食速度が個々ばらばらで一定でない.長いときには数ヶ月もの時間を掛けて徐々に,しかし確実に感染者の脳を侵す.
「死のタンパク質」とも言えるバイオ粒子のこういった性質は,人類にとって非常に不可解なだけでなく,非常に危険でもある.

このバイオ粒子がKyonokeの大穴の奥から「偶然にも」発掘されたというのは至極真っ当な推測と言える.しかし,この微粒子がKyonokeの大穴の奥で果たして本当に「偶然にも」生まれたのかどうかという点に関しては非常に疑わしい.この微粒子は人類が持つ正常なタンパク質とあまりにも高度に似通い過ぎており,体内に侵入してしまったこの微粒子を検出することは実質不可能と言ってよい.このことは,このバイオ粒子がかつて大昔に人類の体内で進化したか,若しくはずっと以前に人造されたものだという推測を生んでいる.しかしこれらの推測が正しいかどうかは依然として立証されていない.
ともあれ,検出や感染経路の追跡が非常に難しく,また100%の致死率を誇るこのバイオ粒子は当然,軍事研究者やテロリストなどから渇望されることとなった.

かつてKyonokeからの最後の通信を受けたTaisy Prime衛星軌道上の管制タワーは,今や巨大な研究施設になっている.この研究施設で,Caldari国家当局はバイオ粒子の全てを手中にしようと熱心に研究を繰り返している.「Kyonokeの大穴」自身は当局によって厳密に封鎖されており,今後も永久に隔離されることになるだろう.この採鉱ステーションの廃墟を監視するCaldari国家警察は,正規の許可の無い何人たりともこの宙域に近寄ることを許していない.およそ二年前に,どうしたことか厳しい監視の目をかい潜って,所属不明の二隻の船が採鉱ステーションの廃墟に侵入したことがあった.彼等はバイオ粒子のサンプルを奪取したことに加え,ステーションの貨物庫に残されていた価値あるTASCを大量に盗み出した.しかし逃走を試みている最中に彼等にもまた「死のタンパク質」の感染兆候が現れたのだった.ただ,二隻のうち一隻は逃走前に大穴に墜落して全壊したが,もう一隻はCaldari国家警察の追撃を交わすために付近のアステロイド帯に逃げ込んだ後に痕跡が途絶え,以来その消息は不明のままである.

今日では,大穴から流出した大小の残骸や屍骸が周囲に浮遊しており,この廃墟に安全に船が近づくことは難しい.このことに加え,Caldari政府が監視体制を更に厳重にしたことにより,今では大穴に侵入することは大変困難になっている.


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訳者蛇足:
Taisy星系 第VIII惑星にある「Kyonoke Pit」の話.
セキュリティレベル0.3の星系だけど,もし付近を航行される方が居たらどうぞお気を付けを.あなたの船も既に感染しているかも...?

Directive Enforcement Department.(公式訳)

2007-01-29 21:00:11 | EVEOnline(BackStory)
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(原文)

●Directive Enforcement Department.
公安執行部門

かつて,各国家が互いに接触を図り始めるとすぐに,彼等は貿易,金融政策,警察機構,その他これに類する諸々の国家間の問題を取り扱う,独立した公共機関の必要性を認識しました.このような独立機関のうち最も初期のものは数十年以上も前に設立され,今では大小数十に及ぶ様々な機関が存在しています.この独立機関は全ての国家によって共同で運営され,全ての国家にとって中立的な立場をとっています.
これらの機関は全て「Consolidated Cooperation and Relations Command (協調・連携の統合制御機構)」すなわち「CONCORD (コンコード:調和)」と呼ばれる中央機関によって統制されています.

CONCORDの中でも最大にして最も強大な部門の一つが「Directive Enforcement Department (DED:公安執行部門)」です.DEDはCONCORDにおける警察機関で,EVEの世界においてずば抜けて高い武力を擁していますが,どこか一つの国家に忠義を誓うようなことはありません.DEDの主な責務は国家の枠を超えた犯罪者の追跡です.DEDはしばしば,この追跡業務に外部の請負(一般的に賞金稼ぎとして知られている)を雇用します.幾つかの国家は特殊な状況下でDEDの活動を忌避することが知られていますが,基本的にDEDは全ての国家内において,賞金稼ぎ行為に関するライセンス管理及び法的問題に関わる一切の権限を有しています.このDEDの権限の下,悪名高い犯罪者の多くが自由競争のターゲットとして賞金稼ぎに狙われることとなっています.

DEDの他の責務として,密輸出入の蔓延る宙域におけるパトロールと税関検察官の補助といったものもあります.DEDの艦艇は通常,最新鋭の監視・監察機器を装備しており,清廉潔白を旨とする彼等のパトロールによって税関監察官の負担は大幅に軽減されます.

この他にも,DEDはあらゆるセキュリティ業務を担っています.例えば,各国家間の公式会合や協議などの警護を担当します.また,CONCORDの他部門に武装艦艇を貸し出すこともあります.また,各国家が大規模な犯罪組織・犯罪問題に法的措置を講ずる際に手を貸すこともあります.
この地域討伐に,DEDはしばしば特殊部隊を派遣します.「Special Affairs for Regulations & Order (SARO:秩序と規範のための特務対策部隊)」と呼ばれるこの特殊部隊は世界で最も強靭な警察部隊の一つです.SAROは重装した宙賊による人質事件等の凶悪事件に派遣されますが,彼等自身も効率的だが残忍・冷徹な手法を採るという悪評で有名でもあります.

DEDの管轄区域は宇宙に限定されており,これは彼等の活動にとって非常に厳しい足枷となっていました.しかし近年では,DEDが宇宙ステーション内で,または惑星上で活動することが徐々に認められつつあります.これにより,DEDは各国家の主権内においても,より効率的に犯罪に立ち向かうことが出来るようになりました.

ただし,ようやく犯罪と効率的に立ち向かうことが出来るようになったとはいえ,各国家の主権が及ばない深宇宙における活動基盤をDEDは未だ確立できていません.更に言えば,DEDの権力,牽いてはCONCORDの権力は各国家間で,(場合によっては一国家の中で星域が違うだけでも)大きく異なっています.様々な思惑により各国家の政府,地方自治体の有力者などがDEDの強い権力を警戒し,進出を嫌って活動を妨害するようなことも実際には多いのです.


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訳者蛇足:
SAROが生んだ悲劇はそのうち出てくるかも.ゲームの背景ストーリの分際で(失礼)伏線がそこかしこに...
組織名が一杯出てきて,なるべく不自然な訳語にならないように努力はしてみたけど,果たして.

The Hanging Long-limb.(公式訳)

2007-01-25 00:48:46 | EVEOnline(BackStory)
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(原文)

●The Hanging Long-limb.
ハング=ロング=リム(*1)

(*1 吊るし長足,とでも訳すべきか.)

大量生産と大量消費のEVEの社会においては全ての物に対して言える事ですが,需要に比べて著しく供給不足であった場合,めったに手に入らないというただそれだけの理由で,珍重がられて高級品として扱われる傾向があります.これはグルメの世界においては特に顕著で,極上を謳うレストランはこぞって,どれだけ珍味を揃えられるかということを競い合っています.

「ハング=ロング=リムの卵」は,高級レストランのメニューの中でも最も人気が高い珍味の一つです.ハング=ロング=リムは,広大な宇宙の中でもただ一つの惑星,Gallente連邦の国境近くに位置するTheruesse星系 第IV惑星にしか生息していません.これは長節科(*2)に属しますが,この種自体もここでしか見られません.この惑星の地表の大部分は鬱蒼とした湿地帯とジャングルで占められ,大気は人類では呼吸すら出来ないメタン大気で覆われています.ハング=ロング=リムという名前は,鉤状の尻尾で水上の枝に吊り下がり,長い爪を使って水中の小型魚類や両生類を捕食するその生態から名づけられました.
(*2 Long-limb family of species)

ハング=ロング=リムは通常,一度に数千個の卵の房を枝に産み付けます.この卵嚢(らんのう)こそ,人々が求めて止まない高級食材です.
この卵嚢が珍重される一番の理由は.誰もまだ,この惑星の自然環境以外での養殖に成功していないからです.多くの者が,また多くの会社が,何年も掛けてハング=ロング=リムを養殖する試みを繰り返してきましたが,どういうわけか一つも成功例がありません.また人工的にこの卵嚢をクローニング生産しようという試みも為されましたが,ごく限られた成功しかせず,しかも本物より遥かに劣っているものしか作ることが出来ませんでした.

ハング=ロング=リムの卵料理を出すレストランの殆どは,(嗜好産業が盛んで)グルメ需要の最も高いGallente連邦内に位置しています.産業界の大物,セレブ,有閑階級といった,Gallente人の上流階級層の多くがこのようなレストランの常連客となっています.宇宙船の艦長にもこういった珍味を求める人が多く,彼等は時には数週間にも渡る長く味気ないフライト生活の後に,何か飛び切りのご馳走を食べる事をこよなく楽しみにしています.


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訳者蛇足:
ブタルグ,トリュフに,キャビアにタラモ,イクラにタラコに,ウニ,スジコ.
古今東西タマゴ好き多し.さて,上の中でタマゴじゃないものはどーれ?

出張の飛行機の中で現実逃避に訳したのは内緒.

Language translators.(公式訳)

2007-01-23 20:49:57 | EVEOnline(BackStory)
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(原文)

●Language translators.
翻訳プログラム

種族間のコミュニケーションにおいて,最大の問題は言語の壁であることは言うまでもありません.EVEにおける主要種族は皆,独自の言語体系を持っています.どの種族もが,かつて自分達の言葉こそをEVEの共通語にしようと試み,それを認めようとしない他種族の頑迷な抵抗に合って失敗しました.

Amarish(Amarr語)は,特に大多数のMinmatar人が話せることもあり,EVEで最多の人が用いている実質的な共通語です.しかしGallente人はAmarr帝国の政治的威信を認めたくないと考えており,決してAmarishを種族相互のコミュニケーションにおける公用語として認めようとはしません.
その一方でGallentean(Gallente語)は,様々な娯楽産業に絶大な影響力を及ぼしていることもあり,実質的な第二共通語です.しかしCaldari人は絶対にGallenteanを話そうとはしませんし,またGallente人と同じ理由により,Amarishを用いることも殆どありません.
これは,重要な政治的議論といった各国家の代表間で取り交わされる幾多のコミュニケーションの殆ど全てが,通訳に依存するという事態を引き起こしています.

しかし現在,ある特定の人々にとっては,お互いにどんな言語を話すかということは全く無意味になりつつあります.その特定の人々とは,宇宙船乗り,特に各艦長です.

艦長に与えられている特権の一つであるカプセルは,高度な神経系索具システム(*2)を備えていて,これにより艦長は脳から直接,艦内のあらゆるコンピュータシステムへリンクできます.今日,全てのカプセルに取り付けられている標準的なデバイスの一つに,翻訳モジュールがあります.
(*2 neural rigging)

翻訳モジュールは艦の通信システムのソフトウェア・モジュールの一部です.これは艦が受信した全ての通信に介入し,艦長が利用する言語に逐次翻訳します.
初期のモジュールは今日のものよりもかなり出来が悪く,ただ単にテキストによる通信を翻訳できるだけで,しかも頻繁に誤訳が混じるようなものでした.しかし現在の最新のバージョンのものは,テキストだけでなく音声通信も問題なく翻訳でき,なおかつ相手の情緒,スラング(俗語),アクセントの癖などもほぼ完璧に訳に組み入れることができます.

サイバーインプラントを利用する人が増えたことに伴い,今ではこれらの翻訳モジュールはカプセルの外でも同じように利用され始めました.この翻訳モジュールによって,各国の威信を懸けた「共通語」争いは,数年のうちに無意味な論争に成り下がることでしょう.


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訳者蛇足:
さすがルーツがフランス人,Amarishは喋らないGallente人なのだった.きっとAmarr語で話しかけたら理解してるくせに絶対返事しようとしないに違いない.

宇宙の深淵

2007-01-21 21:07:19 | Universe
2万年後の未来,EVEの世界では簡単に星々を行き来している私たちだけど,現代物理学にとって宇宙はまだまだ謎だらけだ.宇宙どころか地球周辺にだって不思議が一杯残ってる.つい先日,そもそも二重天体だった冥王星が第九惑星から外されたのは記憶に新しい.

EVEの星系にも大抵は惑星が集っているけど,実は太陽系以外の宇宙で初めて惑星が見つかったのは何と1995年,たった一昔前のことに過ぎない.(ペガスス座51β ベレロフォン)

古くはニュートン大先生から始まり,アインシュタインのおじちゃんにマクスウェル,ハイゼンベルグにシュレーディンガーに今は車椅子博士ホーキングと,世界中の天才が寄ってたかって宇宙の真理を解明してるのに,やっと,光の速度はどう頑張っても超えられなさそうだ,ということが分かっただけ.例えば,重力に至っては,どんなパワーで一体全体どうして生じるのか,実は今でも分かってない.

そんな現代科学だけど,EVEの世界でも超光速通信に「EPRパラドックス」が出てきたり,「テンソル場」でスターゲートの構築が解説されたりと,ちょっとそれっぽくて,現代人類がもう少し頑張れば実はなんとかなっちゃうんじゃないかと錯覚しそうになる.ま,SFマニアや天文学者が作った世界なんだから,当然なんだけど.

「ディラックの海」とか「シュヴァルツシルト半径」とか,「チャンドラセカール限界」挙句の果てに「双曲四元数におけるミンコフスキー時空」とか言われると,もうなんかこう,ドキドキしてこない?...私だけかな...言うまでもないけれど,どれも数学的に宇宙の真理の一片を証明してる実在理論だ.
ちなみに重力を説明しようとしてる「超ひも理論」になると11次元の世界とか出てきて,もはやmococoのチープな頭脳じゃ理解不能.(これはまだ証明されていない)

というわけで,知恵熱を出しながらもちまちま物理をお勉強中.久しぶりにラグランジュポイントの計算とか読み直してて,ちょっと頭をリフレッシュ.いやぁしかし,こういった理論を発見しちゃう天才ってのは凄い.
でも彼等の発見の所為で,微分やら積分やら,学生時代にmococoが酷い目あったのも事実なんだけど...


[SS] ドイツのUte Krausが現代物理理論をきちんとシミュレートして2005年に作成したブラックホールのシミュレーション写真.天の川をバックにブラックホールが存在したら,こんな風に見えるそうな.光すら脱出できない超重力の塊り...宇宙って不思議.

Egonics Inc.(公式訳)

2007-01-18 20:13:21 | EVEOnline(BackStory)
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(原文)

●Egonics Inc.
Egonics社

Gallente連邦の娯楽産業界は大変競争が激しく,特に芸能系各社は少しでも競合他社を出し抜くことができるなら,どんなことでもします.娯楽産業の規模からすれば,わずか1%の市場シェアの変動が何十億iskもの収益の増減に直結するからです.多くの会社がスパイ工作やら妨害工作やら,社会的に見れば首を傾げたくなるような胡散臭い駆け引きに明け暮れ,また多くの会社がお互いを技術的にだし抜こうと凌ぎを削っています.後者の代表的な例が,有名なEgonics社です.

Egonics社は創立から50年を数え,今では全ての人の個人的嗜好に合わせた音楽の創作,及び配信を一手に担う音楽配信の専門企業です.Egonics社はこのサービスの根幹を支える幾つかの重要技術を持っています.

第一に,Egonics社は何十億人もの顧客の個人情報を扱う巨大なデータベースを保有しています.

Egonics社が保有する個人情報データベースは,全宇宙の民間企業が扱っているものの中でも最大のものです.当初Egonics社は様々な商品のプロファイリングにこの個人情報を用いようとしていましたが,しかし現在のところ音楽配信に関するものだけが成功しています.
サービス開始当初,Gallente連邦政府の保守派がこのEgonics社による個人情報の収集に猛烈に反対しました.しかしEgonics社はこれらの反対意見を巧妙に利用して,逆に若者達による個人的自由の権利擁護運動を引き起こさせることに成功しました.若者達を味方につけたEgonics社は急成長し,また"Egone"は若者達の間で自由の象徴にもなりました.

Egonicsの個人情報データベースは非常に多岐詳細に渡り,社会的地位,職業,学歴,結婚情報などの他,各人のDNAサンプルを含む完全な家系情報,生物学的な情報までもが含まれています.Egonics社はありとあらゆる手段を用いて,このデータベースを拡充し,維持し,アップデートしています.この手段を問わない個人情報の収集に眉を顰める者が居ることは確かです,しかし,Egonics社にDNAサンプルを渡している人が,渡していない人と比べて,如何に正確に彼等の嗜好に合った音楽を提供してもらえているかという事実を目の当たりにすると,大多数の人は納得してしまいます.

第二に,Egonics社は数千人規模のサウンドエンジニア及びミュージシャンを雇用しています.

彼等は顧客の要求に応える新しい曲を,絶え間なく提供し続けることができます.Egonics社は顧客の嗜好を数百パタンに分類している上,毎日数千曲もの新曲を創り出しています.これにより全ての人のどんな要求に対しても,ぴったり合致した音楽を探し出して提供することができます.
Egonics社に雇われているミュージシャンは総じて影の薄い存在になりがちですが,彼等はそこで顧客の嗜好を探るという得難い体験ができます.実際,Egonics社を辞めた後に有名になったミュージシャンは大勢居ます.

最後に,Egonics社は顧客に音楽を配信する際に独特な手法を用いています.

この"Egone"は一見するとヘッドフォンというより,頭につける装飾のように見えるかもしれません.なぜならば,これは普通のヘッドフォンの様に耳に音を送信するためものではないからです."Egone"は耳を通り越して,音楽を直接,脳内の聴覚神経に照射します.
この手法はEgonics社と視聴者,双方に有利な点を生み出しました.Egonics社にとっての最も大きな利点は,実際に録音された音ではない為にどのような不正コピーもされる心配がないという点です.視聴者にとっても騒音公害のような迷惑行為はありませんし,何より耳を使っていないのでお互い会話する際に不自由しません.

音楽はラジオと同じように,電波に乗せて配信されます.全てのEgonics社の視聴者は,彼等の好む曲だけを彼等だけのために配信する個人ラジオ局を聞いていることになります.

そんな訳で,強引な個人情報の収集手法や,その押付けがましい配信手法を嫌う者も居ないではありませんが,Egonics社は現在も着実に人気を伸ばしつつあります.ただし,例えばAmarr帝国内では,Egonics社の活動及びEgonics製品の利用は禁じられています.


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訳者蛇足:
今日もGallenteの会社のお話.なんで音楽なのに「視聴」なの?と思った方居ませんか...居ませんよね...そのうちScope社が出てくると分かる,はず.

Biography

2007-01-18 19:00:37 | EVEOnline(Game)
Biographyを(時にはこっそり)眺めていると,実に様々な人がいて読んでいるだけで楽しくなる.真面目に自己紹介している人,詩や歌を綴っている人,役立つ情報のメモ代わりにしている人,アスキーアートを画面一杯に描いている人も居れば,不幸の手紙(チェーンメールのあれ)を幾つも張り付けている人なんかもいる.

そんな中,たまに目に付くEVE用語で分からないものもしばしば.例えばアライアンスやCorpなんかのBio(会社のはDescriptionだけど)で見かける「NBSI」と「NRDS」というのがそれ.他のゲームではあまり見かけないので,mococoは最初は何のことか分からなかった.

前者は「"Not Blue, shoot it." 味方じゃなければ(中立でも)撃つ」
後者は「"Not Red, don't shoot." (明示的に)敵でなければ撃たない」
の略だそうな.

違うのは「白い」プレイヤー(中立)をどう扱うか.Lowsecを支配しているようなCorpは,スパイ行為なんかを警戒して「NBSI」を支配ポリシーとして掲げているところが結構多い.例え初心者だろうが,運搬ミッションの途中だろうが,うっかり領空侵犯してしまったら誰彼の区別無く叩き落されても文句は言えない.

でも,だからと言って「NRDS」を標榜するCorpの支配地域だったら安心という訳ではない.地元勢力が関知しないのをいいことに略奪目的の宙賊PKerがうろついているかもしれないし,戦争中で緊張が高まっていれば普段と違う態勢を敷いていることもある

深宇宙に遠出する際には,ちょっとは支配勢力のことも気にしてみるといいかも.


[SS] 12月のある日,丁度,格好良く揃った瞬間に.この日はRaven級戦艦操るWarasaさんのミッションのお手伝いにMataさん,Dobatoさん,Nozomiさん,DKSNさんが駆け付けて敵戦艦を蹴散らした.

Nocxium(公式訳)

2007-01-18 07:54:50 | EVEOnline(BackStory)
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(原文)

●Outer Ring Excavations
Outer Ring Excavations社

Nocxiumはカプセルを製造するのに不可欠な重要原料ということもあり,最も珍重される希少原料の一つである.
Nocxiumは超新星でのみしか生成されないため,限られた地域でしか見られない.その上,高温・高圧環境下では変質してしまうため,新星や恒星そのものではなく,周囲に残るアステロイドのような小天体にのみ含有されている.

数年前,Gallente連邦領の丁度外郭に位置するCloud Ring星域Miennue座において多量のNocxiumを含んだアステロイドが発見された.荒涼としていたCloud Ring星域は俄かに活気付き,国際政治の場でも脚光を浴びることになった.最初のNocxiumアステロイドが発見されて以来,何千もの探鉱者がNocxiumを求めてMiennueを訪れた.しかし彼等の多大な努力にも関わらず,新しいNocxiumアステロイドを探し出せた者は居なかった.

最近の報道によれば,Yani Sar Arteuは大当たりを引くことができた数少ない一人である.各メディアは,彼と彼の小さな会社「Outer Ring Excavations社」は,今まで発見された中で最大の埋蔵量を誇るNocxiumアステロイドを探り当てた,と伝えている.
しかし,そのアステロイドを実際に見た者は彼等だけであり,結局その正確な位置も公表されなかったことから,架空の発見のでっち上げだという多くの噂を呼ぶことになった.実際,彼等の会社はその発見したというアステロイドの採掘には殆ど時間を費やしていない.彼等はこれはNocixumの供給過剰による値崩れを起こさない為だと主張しており,今では専ら,彼等のアステロイドをどうにかして奪おうと跳梁跋扈する競合他社(のスパイ)との「隠れんぼ」合戦に精を出す羽目となっている.

Miennueでの一部始終を見守っていた各国家は,明に暗に,こぞってOuter Ring Excavations社に資金投資や買収を持ちかけたのだが,Arteuはこれらの申し出を全て断わり,遂には連邦からも独立してしまった.
しかし,今では競合他社の暗躍が酷くなる一方であり,彼等がアステロイドの在り処(若しくは存在の有無そのもの)をずっと守り続けるのはもはや難しくなっている.遅かれ早かれ,仕掛けられたありとあらゆる手立て(賄賂や恐喝や,スパイや,盗聴器や・・・)によって,いずれArteuと彼の会社が慎重に隠してきた秘密は白日の下に曝されてしまうだろう.

ただ,今のところは,Arteuが大金持ちになって,Outer Ring Excavations社の資産価値が上がり続けているという事実に変わりはないのである.


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訳者蛇足:
ヘタレ語訳でも,楽しいと言って下さる方が何人かいらっしゃったので,気が向いたら続けてみようかと無謀にも思い直した.↑はORE社の話.情報操作で市場騰落を操るのは2万年経っても変わらないものらしい.
region==星域,constellation==座,と訳したのは単に趣味.分かりづらかったらごめんなさい.

War tatoos(公式訳)

2007-01-16 22:43:24 | EVEOnline(BackStory)
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(原文)

●War tattoos
ウォータトゥ

Minmatarの多くの部族にとって,戦いに赴く前に顔に紋様を描く「ウォータトゥ」という風習は,幾星霜も昔から引き継がれた伝統です.

彼らは大体いつも同じような絵柄の紋様を描くことを好んだので,好戦的な部族の中には顔に刺青として紋様を彫り込んでしまう者も居ました.しかし紋様を顔に掘り込んでしまうのは,日常生活においては明らかに不便でした.この風習が一般的なMinmatar人との間でさえ,威嚇的な紋様を顔に纏いっ放しということが好意的に受け止められる事は,当たり前ですがこれっぽっちも無かったので,結局のところこの刺青してしまうという方法は余り一般的にはなりませんでした.

しかし先端技術の発達によって,ウォータトゥを描くための新しい方法が開発されました.最近流行しているのはいわゆる「ナノ・タトゥ」です.「ナノ・タトゥ」は皮膚の表皮と真皮の間に外科的に注入された微小なマイクロチップです.これらのマイクロチップは汗腺と頭髪の傍脊椎節を通じて神経系と接続されていて,持ち主の情緒の高ぶりを検知して活性化します.活性化されると(その人の肌色に応じて)暗色または明色に光り輝き,綺麗な紋様を顔に描き出すのです.

これらのナノテクノロジーを用いたウォータトゥは非常の多くの種類が開発されています.最も一般的なものは,マイクロチップの活性化が単に情緒の状態にリンクしているだけものです.このバージョンでは,持ち主がウォータトゥを描いたり消したりしたいと思った時には,自らを昂ぶらせたり,気持ちを抑えたりといった感情の制御が必要です.
この他にも,活性化した時に持ち主の意識に直接作用してコントロールできるバージョンも開発されています.しかし多くのMinmatar人はこのバージョンを心良くは思ってはいません.そんなチップに頼っているようでは,自制が利かない者が増えるだけだという考えが,世論の大勢を占めているようです.

10年前に開発されて以来,この「ナノ・タトゥ」はMinmatar社会で爆発的に流行しました.特に,宇宙船船員や航空産業に携わる若い世代に人気があります.元々はMinmatar人に独特の風習だったウォータトゥですが,「ナノ・タトゥ」が開発されてからは他の種族にも拡がっていて,取り分けGallente人に流行り始めています.


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訳者蛇足:日本語ヘタレな訳はもうしないと言った舌の根も乾かぬうちにごめんなさい.ロングメンテナンスだったのでつい...

娑羅双樹

2007-01-16 00:07:40 | EVEOnline(Game)
祗園精舎の鐘の声,諸行無常の響きあり.
娑羅双樹の花の色,盛者必衰の理をあらはす.
おごれる人も久しからず,唯春の夜の夢のごとし.
たけき者も遂にはほろびぬ,偏に風の前の塵に同じ.
-- 平家物語

EVEの世界から見れば2万3千年も昔から,世の理(ことわり)と説かれていることではあるのだが.

昨年12月に「Ascendant Frontier [ASCN]」アライアンスが[BoB]アライアンスとの戦争で,旗印でもあったAvatar級Titanを墜とされてしまったことは話題にした
12月時点では,25社合わせて4300人を超えるメンバーを擁し四強アライアンスの一つだった[ASCN]だが,この戦争後は求心力を急速に失ってしまい,ほんの1ヶ月の間に劇的に勢力が衰えて今やたった370人のメンバーしか残っていない.広大だったその領土も殆どが他アライアンスに奪われてしまったようだ.勿論,それぞれの会社は群雄割拠して活動しているのだろうが,2年にわたり繁栄してきた強大アライアンスの最後にしては,随分と寂しい気もする.


[1] 2006/11


[2] 2007/01

[SS1 上] 2006/11のアライアンス勢力図(一部).
[SS2 下] 2007/01のアライアンス勢力図(一部).ちょっと見ただけではもはや[ASCN]がどこに残っているのか分からない.勢力図の本家は公式フォーラムのこちら

ランキングを調べてみたら[ASCN]は既に63位にまで落ち込んでいる.ともすると「広い宙(そら)に独りぼっち」な気分になることもままあるEVEの宇宙で,400人を超えるプレイヤーギルドが実は60以上もあることの方が,個人的には驚きだけど.

そういえば,Wakaba Corpを始め掘り会社など3社を相手に略奪PK目的の戦争を仕掛けた「The Really Awesome Players[TRAPS]」だが,Izanagi Allianceが一旦手を引いた後も,Empire PvP会社や傭兵請負会社など,複数から宣戦布告されていた.掘り会社が助けの傭兵を雇ったのかどうなのか,真相は分からないが,現在[TRAPS]は7つのWarを抱えて大混戦となっている.[TRAPS]の頼りになる兄貴分ことPrivateer Allianceがホントに助けに出てくるのかが,注目のしどころ.


[SS] Avatar級Titan墜つ.下方に浮いているドレッドノートやマザーシップといったキャピタルクラスと比べても,遥かに巨大なことが分かる.
このSS,[BoB]のサイトのギャラリーにあったのだがいつの間にか無くなっていた.

4都市巡り

2007-01-14 16:06:06 | EVEOnline(Game)
太陽系がそうであるように,EVEの恒星にも沢山の惑星が周回している.でも,惑星の殆どには,ただ「その星系の何番目の惑星か」という連番が振られているだけに過ぎない.
しかし各国の人類発祥の地である「最初の入植惑星」には,きちんと由緒正しい名前が付けられている.

Amarr人の発祥地は,Amarr星系 第III惑星Amarr Prime.昔は「惑星Athra」と呼ばれていた.今では第III惑星よりも,第VIII惑星Orisの方が賑わう.

Minmatar人の発祥地は,Pator星系 第IV惑星Matar.肥沃で豊かな惑星だったが故に,大地の恵みを享受するだけで生活が成り立ったMinmatar文明では皮肉なことに科学技術の発達が遅れてしまい,後にAmarr帝国の奴隷化政策に甘んじることになる.

Gallente人とCaldari人の発祥地は,共に同じLuminaire星系.Gallente人は第VI惑星Gallente Prime(旧名 Garoun)に住み,Caldari人は第VII惑星Caldari Prime(旧名Calderia)に住んでいた.隣り合わせの惑星で生き延びたにも関わらず,科学文明が崩壊し,ほぼ一から進化の過程を歩み直した両人類が出会ったのは,EVEゲートが崩壊してから何と1万4千年も経った後だった.
その後一度は手を取り合った両人類だが,結局お互い相容れずに大戦争を起こし,Caldari人は母星すら捨てて新たな地に旅立った.Caldari人がNew Caldari星系 第IV惑星を新しい拠点として今の国を再建したのは,実はつい200年前のことに過ぎない.

そして活躍の場を宇宙に移した今でも,彼らの起源となった母星からそう遠くない所に現在の大都会がある.
・Amarr帝国の中心地は,母星そのまま,「Amarr」星系.
・Caldari国の中心地は,再建したNew Caldariの隣り,「Jita」星系.
・Gallente連邦の中心地は,「Oursulaert」星系.
・Minmatar共和国の中心地は,「Rens」星系.

これら各国の都市星系は,常に数百人のプレイヤーで賑わっている.少しでも安く買い物をしようと思ったら,まず大都会に出て相場を調べるのが貧乏艦長mococoの生活の知恵.
そんな訳で,ふわふわとEmpire宙域中を飛び回っていて最近あることに気づいた.各国間を結ぶスターゲート航路は幾つか有るのだが,実はこれだけ広大な4大国を渡るのに,安全な航路はただの1本しかないのだ.


[1] 4大都市を十字に結ぶ安全航路.


[SS1] 向かって左手がCaldari,右手がAmarr,上がGallenteで下がMinmatar.普段平面(2D Flatten)宙図を使っている人は,これと真逆の宙図を見慣れているはず.(Link先はUXGA)

① Amarr帝国とCaldari国はお互い反対側に位置しているのだが,安全航路が存在する.潜(くぐ)るゲート数だけで言えば案外近く,Niaria星系-Kaaputenen星系を抜ければ,その距離僅かに9ジャンプ.

② Caldari国とGallente連邦の間には,かつてCaldari人が大移民をしたというだけあって安全航路が存在する.Sibala星系-Hatakani星系を結ぶ航路が最短で,その距離12ジャンプ.

③ Gallente連邦とMinmatar共和国の間には,3本の航路があるのだが,安全航路は唯一つ,Colelie星系-Bei星系を抜ける航路のみ.その距離16ジャンプ.

④ Minmatar共和国とAmarr帝国の間には,2本の航路があるのだが,安全航路は唯一つ,Uadelah星系-Esescama星系を抜ける航路のみ.そしてなんと22ジャンプもしなければならない.ただし,もしもこの2国の間がもっと近かったなら,奴隷から逃げ出したMinmatar人はAmarr人に追撃されて大変なことになっていたに違いない.

さて,これでAmarrからCaldari,Gallenteと抜けてMinmatarまで,そしてAmarrに戻ってきて,占めて59ジャンプ銀河一周という旅になる.J・ヴェルヌの子孫辺りがGallente連邦に居たら是非冒険小説でも書いて欲しいところ.(Gallente人のルーツはフランス系らしい)

そしてここが重要なのだが,
・隣接しているにも関わらず,Amarr帝国とGallente連邦を結ぶ安全航路は一つも存在しない.
・同じく,隣接しているにも関わらず,Caldari国とMinmatar共和国を結ぶ安全航路は一つも存在しない.

というわけで,安全に航行しようと思ったら,上に紹介した「Amarr-Caldari-Gallente-Minmatar-(Amarr)」というループを順に,あるいは逆順に巡るしかないみたい.とは言え,強力な戦闘系Skillを身に付けたPKer上等な艦長には関係のない話なのかも.

普段はAmarr帝国領に住んでいるmococo,娯楽品を買いにGallente連邦まで行くには,Caldari国を通らないといけないようで...Nugoeihuvi社(Caldariの娯楽品大手)のもので手近に済ませることになりそう.良い航路を知っている方が居たら,こっそり教えて欲しい.
(別にGallenteの嗜好品が買いたくて航路を調べた訳では,断じて無い.)


[2] Amarr-Gallente航路.


[SS2] 上で書いたように,Amarr帝国とGallente連邦を行き来するには,普通ぐるりと一度Caldariを廻るように航路計算される.でも,実はLowsecを1箇所だけ通れば直行することもできる.Vecamia星系を経由する航路がそれで,その距離15ジャンプ.Caldariを経由しても21ジャンプなので,どちらを通るか微妙なところ...
もうひとつ,上で「存在しない」と書いたCaldari-Minmatar航路はと言えば更に微妙で,最短航路を直行しても結局はGallente領内を通ることになる上,Lowsecを4箇所も経由してしまう.


[3] EVE全宙図.


[SS3] mococoは宙図をいつまで眺めていても飽きない.今回巡ってみた4大都市だって,銀河全体から見れば中心部の僅かな移動にしか過ぎない.たまには「F10」Mapでぼんやり宙図を眺めるのはいかが?

[追記] 2007年2月に導入されたKali Update IIでのスターゲート変更により,若干の航路変更があった(主にCaldari周辺)が,今でも大枠では変わりはない.(2007.2.26)

バックグラウンドストーリ II

2007-01-12 06:52:20 | EVEOnline(BackStory)
ファンタジーであれ,SFであれ,その世界の背景を知ることは楽しい.
例えば「あ,あのエージェントが言ってた依頼ってこれの事だったのか」と自分の中で繋がった瞬間がちょっと嬉しかったり.

下の記事を読んだ人にとって,EVEの世界が少しでも,ただのダメージ数値とisk数値だけの無味乾燥のデジタルワールドじゃなくなれば,いいな.
まぁ,EVE Wikiで先達の偉大な訳が沢山読めるわけだけど.

しかし,自分がただ読むのと,読みやすい日本語に訳し下すのは全然別の作業で,とても難しい...自然な日本語に書き下せていれば良いのだが,mococoにはさっぱり駄目そうなので,翻訳はここらへんで挫折.

ちなみにgoo blogにはアクセスカウンタだけは付いている.さっき見たら,こんな僻地でも見に来てくれる方が毎日30人くらい(ほんとにそんなに居るのか?)は居らっしゃるらしい.モノ好 ありがたいことだ.


[SS] 堀りの神様とご一緒.探索で発見したゾーンにて.
SSに映っている4隻のExhumer達は,実は全て同一人物から繰り出されている.本人は「掘りの神様に魂を売った」とのたまっているが,とうの昔にその神様とやらに憑依されちゃってる事には気づいていないらしい.この時の神様は僅か1.5時間足らずで約120mil分の鉱石を掘り尽くした.

Fatal and The Rabbit(公式訳)

2007-01-12 02:06:23 | EVEOnline(BackStory)
Copyright © CCP
(原文)

●Fatal and The Rabbit
「破滅」と「ウサギ」

Jirai LaitanenとKorako Kosakamiのコンビは「Fatal and The Rabbit(破滅とウサギ)」の異名で知られている.彼等は,元はCaldari正規軍 第37小隊「Octopus」の前途有望な隊員だった.

Laitanenは舌先三寸が達者でカリスマ的な冷笑がよく似合う,敏腕で才能あるキャプテンだった.多くの者が,彼は昇進しいずれ権力ある地位に辿り着くだろうと思っていたが,実際には彼は虚栄心が強く,自惚れ屋で貪欲だった.友人であるKosakamiは非常に内気だったが,優秀かつ頭脳明晰で,専門的な技術知識をも持ち合わせていた.

10年前のとある週に,Kosakamiが不時着事故による過失致死の責任を咎められたことがあった.時を同じくしてLaitanenの昇格が見送られてしまい,友人であった二人は早々に軍に見切りを付け,脱走することを決意した.彼等は二隻のCondor級フリゲートを盗み出し(そして彼等は今日でもこれに騎乗している),Gallente連邦とCaldari国の間に位置する,宙賊の蔓延る(はびこる)地帯へと逃亡した.

その後,彼等が犯罪社会に身を染めるのにそう長くは掛からず,数ヶ月の後に「Gurista」と呼ばれる彼等の犯罪組織が設立されたのだった.「Gurista」とは,Caldari語で「naughty people」と「gang」を意味する二つの俗語の掛け合わせたものだという.

Guristasは大国の主権内へも攻撃を仕掛けることで有名で,わざわざこんな危ない橋を渡ろうとする宙賊は実際,殆ど存在しない.一般に宙賊が襲撃を行うのは略奪の為で,単に貨物船から積み荷を盗んだり,または人質として乗客を拉致したり,というものが殆どである.しかしGuristasの襲撃では多くの場合,拠点基地(採鉱施設,セントリーガンなど)が破壊されており,主な目的が大国の活動の妨害行為であるようにも見受けられる.このことは,何処かの悪辣な企業か,若しくは何処かの国の政府そのものが,Guristasを雇い入れてCaldari国の領土を侵犯しようと画策しているのではないかという憶測を呼んでいる.

しかしながら,Gristasの襲撃で最も有名なものはCaldari国へのものではなく,Gallente連邦の大使が誘拐され莫大な身代金が支払われた事件だろう.この彼等の「輝かしい」武勲によって,Guristasは単なる能無しの荒くれ者集団では無いということを人々に印象付け,彼等はは一目置かれる存在となった.

Luecin Rileau大使は「ダイアモンド王」として知られるDarouen Rileauの息子だった.彼には一つ大いなる悪癖があって,それがギャンブルだった.そもそも彼のギャンブルへの大層なのめり込みっぷりが,Gallente連邦の要職の中でも微妙な職として悪名高い,Caldari国への駐在大使に任ぜられた主な理由でもあった.Rileau大使はCaldariへ駐在中,Vellaine星系のTiegjonステーションにある「Tiegjon グランド カジノ」にしばしばよく出入りしていたので「Fatal and The Rabbit」のコンビはこれを狙ったのだった.

彼等二人は変装し,一隻の船でTiegjonステーションにドックインした.「Fatal(破滅)」ことLaitanenがかのカジノに潜入している間,「The Rabbit(ウサギ)」ことKosakamiは係留スペースにドックされた船の中に留まった.

「Fatal」はRileau大使が興じていたPettokori(有名な電気ボードを用いた賭博ゲーム)に自分もまた参加した.とあるゲームの途中で「Fatal」はわざと大使に連敗し,遂に掛け金を全て使い果たしてしまったかの様に見せかけて,自分の持つ船を担保に大使に勝負を挑んだ.大使はこの賭けを受けて立ち,当然のようにこの賭けにも勝ったのだった.「Fatal」は大使に,彼が勝ち取った新しい船を見に行かないかと薦め,気を良くした大使は数人の屈強なボディーガードに付き添われて船のドックスペースに赴いた.
「Fatal」によってゲームが進行している間「The Rabbit」の方も大忙しだった.彼は催眠ガスを充填したタンクを乗船タラップに取り付ける作業を一人で行っていたのである.

そしてこの後のことは言うまでも無い.大使とボディーガードたちが乗船タラップに乗り込んだ瞬間,彼等は揃って程よくお寝んねする破目になった.コンビは,眠りこけたRileau大使だけを自分たちの船に放り込んで,悠々とステーションを離れた.別の船が同じ係留スペースにたまたまドックインしてきて,タラップの上で高イビキをかいているボディーガード達を発見したのはそれから1時間も後のことだった.当然だが警備員が駆けつけたときにはもう,誘拐犯達は遥か宇宙の彼方に飛び去ってしまっていたのである.

この後もGallente連邦は誘拐犯を捕らえることはできず,結局,最終的に大使の家族(つまりダイアモンド王)は,沢山のダイアモンド原石を含んだ,莫大な身代金をGuristasに払うことになったのだった.この一連のドラマは多くのメディアで注目を集め,「Fatal and The Rabbit」コンビは一世を風靡したのだった.二人はEVEの世界で最も悪名高き犯罪者になったが,この名声は結局,彼等の組織の妨げにしかならなかった.

なぜならば,皮肉にも世間の注目を浴びた事で周辺宙域での略奪活動が以前のようには簡単にいかなくなってしまい,Guristasの面々はこの後,世間のほとぼりが醒めるまでの数ヶ月間,鳴りを潜めることを余儀なくされてしまったからである.


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訳者蛇足:Guristas piratesは大嫌い!

Quafe(公式訳)

2007-01-11 21:22:41 | EVEOnline(BackStory)
Copyright © CCP
(原文)

●Quafe

「Quafe」はGallente連邦のQuafe社が製造する,宇宙で最も有名な清涼飲料です.

今から2世紀も昔,他の多くの清涼飲料と同じように,Quafeも当初は消化不良や胃腸虚弱の改善薬として売り出されました.しかし,薬というよりはその爽快なリフレッシュ効果が当時の人々の話題を呼び,爆発的な人気となりました.Quafeは今日,全宇宙で最も良く知られたブランドの一つで,実際,宇宙の何処に居ても見かけることができます.

Quafeの販売担当者はよく「(関係の悪い他国において)Gallente人の最大の親善大使はQuafeなんだぜ」などとうそぶきます.しかし10年前にGallente連邦とAmarr帝国の間で起こった事件は,この例え話があながち,ただの愉快な冗談だっただけでは無いことを示しました.

当時,Gallente連邦とAmarr帝国は,丁度両国の境界付近に位置し,鉱物資源が潤沢なGirani-Fa星系の所有権をめぐって激しく対立していました.帝国が連邦の代表使節との交渉を打ち切ったことで,この対立が武力による全面戦争に突入していくのは避けられないかに思われました.
しかし,数日後に奇妙なことが起こりました.Amarr人は「Quafe社の代表とならば交渉を再開・継続してもよい.」と宣言したのです.彼等の言い分によれば,Quafe社は,この境界における両国の利害関係を贔屓目無しに公正・中立な観点から見ることのできる,唯一つのGallente人グループだろうと言うのです.Gallente連邦政府は,戦争を回避するためにこの帝国の要求を呑みました.改めてQuafe社の役員で組まれたGallente代表使節が送られ,無事にAmarr代表使節と交渉を再開したのです.

数週間後には両国において以下のような同意が得られました.
「Girani-Fa星系はGallente連邦の所有下に置くこととする.但し,毎年取り決めた一定量の鉱物資源は原価仕入れ値でAmarr帝国に売却されることとする.」

後に「Girani-Fa紛争」と呼ばれるこの一連の事件は,全宇宙で如何に「Quafe」というブランド名の影響力があるか,全宇宙中で如何にQuafe社が深く市場に関わっているか,ということをはっきりと示したのです.これは,数多(あまた)有るGallente企業のうち,Caldari国内において社会的地位を認められている唯一つのGallente企業がQuafe社である,という事実をみても明らかです.

僅かここ30年の間に起こったこの驚くべき成功の大部分は,ただ一人の人物,35年に渡ってCEOを勤めたPoire Viladilletの功績に因るものです.彼のリーダーシップの下,Quafe社は一介の有名清涼飲料水会社から,全宇宙の市場を握る,誰もが認める大企業の地位まで上り詰めたのです.


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訳者蛇足:過去のキャンペーンでCCPは「Quafe」なる飲み物を販売したことがある.JPプレイヤーでも購入された方がいて,感想も読める