ふわふわ

mococoの近況.主にEVE Onlineに関する話題など.

モラ・ルチアーノの一生(創作)

2007-01-01 23:38:41 | OffTopic
シチリアの貧しい農家の出であるモラ・ルチアーノは,幼少の早くから地元のコーサ・ノストラ(マフィア)の一つ,ワインバーグ・ファミリーのメンバーとして出入りしていた.
ワインバーグ一家は彼女にとって大切な仲間がいる,暖かく居心地の良い場所だった.

23344年の年末に,ワインバーグ一家はコルシカから渡って来たトラップス一家に宣戦布告され,抗争状態に突入した.

抗争が始まるや否や,ファミリーのドン(ボス)であるヴィト・ワインバーグはコミッション(仲間内ファミリーとの連絡の場)で非闘争を明言し,影武者のジャン・P・クロンを置いて自分はいち早くマイアミに隠遁してしまった.カポレジーム(幹部)の面々もシマであるシチリアからそれぞれ脱出した.
シチリアに残ったのは,抗争の始まりを知らされなかったり気づかなかった若衆や,抗争の危険度をよく理解できていないメンバーだった.

抗争中にメンバーのマイヤーとロベルトが殺されたとき,「シチリアから脱出して潜伏しろと忠告してやったのに,奴等には運が無かったんだ」とだけ呟いてヴィトは動こうとはしなかった.

抗争中にメンバーのインデリカートが殺されたときも,「彼には良い経験になっただろう」とだけ呟いてヴィトは動こうとはしなかった.
この時,カポレジームの一人が私財を投じてファミリー名義でこっそり遺族に見舞金を送ったが,それを知ったヴィトは「今後はファミリーがそのようなことをしてやる必要は無い」と言った.

抗争中にメンバーのデューイが襲われたとき,彼は果敢にも刺客を撃退したが,後にトラップス一家の4名に待ち伏せされて惨殺された.これを後で知ったヴィトは「俺も逃げも隠れもしていないが,マイアミ周辺ではトラップスの奴等は全く見かけんな」と言った.

モラは何人もの仲間が殺され,トラップス一家が我が物顔でシチリアの地を練り歩くのを歯痒く思っていた.連中が一人で出歩いている所を狙えばワインバーグ一家の若衆だけでも十分戦えると思っていたが,ファミリーの名を背負ったまま特攻して他のメンバーに迷惑を掛ける訳にもいかず,悶々とした日々を過ごした.

ヴィトにも勿論,一家を守るドンとしての考えがあった.
いくらシチリアを荒らしまわった所で大した益が無いと理解すればトラップス一家は撤退するだろうと踏んでいた.また,いずれ他の大きなファミリーと同盟(アライアンス)を組めばトラップス一家は手を引くだろう,ともメンバーに説明していた.

直情径行で単純な性格であったモラには,ドンやカポレジーム達の深謀遠慮は理解できなかったので,ヴィトの態度は仲間への情が薄く保身的であると感じた.「トラップスの馬鹿連中は相手にするまでも無い」とマイアミの奥地から言っている我等がドンの言葉は空虚に聞こえたし,他のファミリーの手を借りることを最初(ハナ)から考えているようでは仲間の死も浮かばれまいと思っていた.

年が明けても抗争が長引くと,シチリアをシマとするトラム・ファミリーやディメンジオ・ファミリーがトラップス一家を追い出しに掛かった.ヴィトも重い腰を上げ反撃を決意したが,ヴィトから一家への指令は「カポレジーム達と相談して反撃しても良い.猛者揃いのトラム・ファミリーが参戦してきたので,彼らと連携を取れるようなら,俺の指示は仰がなくて良いから彼らに従って戦え」というものだった.

「やるなら徹底的に潰してトラップスの連中には10億ユーロの賠償金を請求してやる」と言っていたドンの言葉を信じていたモラは,この及び腰とも取れる指令に大変失望したという.

後日まもなく,モラはワインバーグ一家を脱退した.彼女はよくワインバーグ一家で過ごした暖かい日々を懐かしんでいたというが,その後の消息は定かでない.

一説によればマフィアのオメルタ(沈黙の掟)を破ったとしてシチリアの地で暗殺されたという.


明けましておめでとうございます.

2007-01-01 21:12:39 | OffTopic
あけましておめでとうございます.
今年も皆様にとって幸多き年でありますように.


[SS] Apocalypse級戦艦が居並ぶ艦隊の様子.旗艦は下方に浮かぶファクションシップ「Apocalypse Navy Issue」.
Eveの世界には一般艦艇より高い性能を誇る上級艦が存在する.「一般艦艇<ファクションシップ<Tech2艦艇」の順で艦性能が高くなっていき,Tech2クラスが存在しない戦艦のファクションシップは特に人気が高く,高額で取引される.