(断りのない限り Link先は公式アナウンス原文)
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I can totally run that on my AMIGA (俺のAMIGAじゃ問題なく動くぜ)
Reported by CCP Zulupark | 2009.01.13 14:32:13 |
Comments
The way things are (今のやり方)
EVEの特徴の一つとして(たった1つのサーバ上でゲーム世界が動いているということの他に),10年前の PCでも動かせる,ということが挙げられます.最低限必要なグラフィックカードと CPUの要求性能は,控え目に言ったとしても,常に至って手ごろなものでした.そしてこれは他のゲームに比べて EVEを始めるための障壁が低かったとも言えます.
しかしこれを守りながらクライアントを開発するのは簡単なことではありませんでした.例えばグラフィックエンジンは相当のダウンチューンが必要でしたし,何より "Premium" バージョンの EVEとは別個に "Classic" バージョンを維持管理する必要がありました.すなわち,ゲームに新しいグラフィックを導入したいと思ったら,それぞれ2つのバージョンを作成しなければなりません.これはビルドとパッチの手順を大幅に複雑化し,何より,これでは私たちが欲している美しい EVE世界を実現できません.私たちが重要なこととして述べたいのは以下の通りです.
- 2種類のクライアントの維持管理に大変な時間と労力を割かれている
- 2つの(グラフィックス)パイプライン(の維持)が必要なことによって,パフォーマンス向上のための開発をする時間が無い
Where do we go from here? (じゃ,どうするの?)
現在,EVEは GeForce 2シリーズまたは ATi RADEON 7000シリーズの(グラフィック)カードでプレイできます.実はこれらのカードのメーカサポートは EVEが最初に発売されるより丸一年以上前の2002年に打ち切られています.その後の画像処理およびグラフィックカードの進化は,控え目に言っても "phenomenal"(驚異的)です.
我々が行いたいのは,開発の一本化と,それによる新しい技術の導入です.以下にもたらされる多くのメリットを挙げます.
- パイプライン処理の簡略化
- 開発経費の削減
- ソフトウェア開発者とアーティストの生産性が上がる
- 異なるエンジンと画像資源の余分なテストを行う必要がない
- 修正の差し替えが速くなる
- 1つのグラフィックスエンジンの性能向上に注力できる
- バグのトラブルシュートの簡略化
- 全体として,高品質なクライアントの提供と,プレイヤーにより良いクオリティのサービスが提供できる
Out with Classic, in with Premium Lite (Classicを辞め,Premium Liteへ)
現在我々は2つのクライアントパッケージ,Classicと Premiumを管理しています.Classicで導入障壁は低くなっていますが,Premiumは ShaderModel 3.0ハードウェアが必要です.我々は今後,古い PCを使っていたり,SETI@Homeと HD映画の圧縮を行いながら20枚の EVEクライアントを動かしていたり,そういう人のためには "Premium Lite" を提供することになるでしょう.
Premium Liteバージョンは ShaderModel 2.0ハードウェアのみ必要とし,グラフィックメモリの少ない古いハードウェア上でも現在の Premiumより良いフレームレートで動作させられることを保証します.これだけに留まりません.我々は更に ShaderModel 2.0互換シェーダの2つのバージョン (現在それぞれ "Lo" "Hi" と呼ばれています) を提供します.
これは一体何を意味するのでしょう? これはつまり,ShaderModel 2.0を使えばフレームレート信奉者もマンゾクするような,より良いパフォーマンスが出るということを意味しています.プレイヤーは自分のハードウェアがサポートしていれば,どんな ShaderModelも自由に選ぶことができるようになります.すなわち,プレイヤーはグラフィック品質と引き換えにパフォーマンスの向上を図れるようになります.もちろん逆もまた然りです.
それぞれの ShaderModelの仕様限界による制限から,船を描画するために工夫を凝らす必要はありますが,我々のゴールはどのシナリオにおいても同じです...つまり "Beautiful"(美しい) です.これは我々にとって余分な仕事か,まぁそれに似たようなものだとは思いますが,とにかくこれによって我々が得られることは,
- 我々は Premiumの資産をそのまま利用することができます.実際のところ,ほとんどのプレイヤーは最低解像度のテクスチャを選択するとは思いますが,これは既存の Premiumテクスチャを単にダウンサンプリング(downsampled: 低解像度MIPMAP化) しただけです.いくつかのテクスチャ,例えば Normal mapなど,の描画は単に省略されます.これにより,我々は Classicバージョンのコンテンツを別に管理する手間から完全に開放されます.
- 我々は同一のレンダリングパイプラインを利用することができます.唯一の個別作業は,ShaderModelの違いによる作業だけです.これにより,我々は Classicバージョンのレンダリング処理コードを維持管理する手間から解放されます.
To summarize: older hardware will use the same assets as Premium - they just won't look as detailed and shiny. (まとめ:旧ハードウェアは Premiumと同じ.細かく無いだけ,輝かないだけ.)
計画
我々は仰天する(jaw-dropping)ほどの華麗(gorgeous)な EVE世界を保ち続けるために,2つのステップを取らせて
頂きたいと考えています.
- Step 1: 3月10日の Apocrypha で,我々は ShaderModel 1のサポートを終了します.新しい最低動作環境は ShaderModel 2対応 (GeForce FX (5 シリーズ)または ATi R300 シリーズとその互換) となります.同時に "Classic" バージョンのクライアントサポートを終了し,以後 "Premium Lite" バージョンに置き換えます.
- Step 2: さらに,2009年の冬の拡張では ShaderModel 2のサポートも終了することを考慮中です.その場合の最低動作環境は ShaderModel 3対応 (GeForce 6 クラスまたは ATi x1300 シリーズとその互換) となります.
我々はこの変更が一部のプレイヤーを(サポート外に)追いやってしまうことを理解しています.分かっていないのは「実際には何人のプレイヤーに影響があるか」です.我々は現在,課金プレイヤーのうち 95% が SM2 以降もしくはその互換ハードウェアでプレイしていると見積もっています.また,今年の第四四半期(2009年10月以降)には更に 97% 以上の課金プレイヤーが SM3 互換ハードウェアを所有すると予測しています.つまりこの見積もりによれば,どちらにしろ 3%-5% の課金プレイヤーはゲームをプレイし続けるためには PCもしくはグラフィックカードの買い替えが必要になるかもしれないということになります.
TO THE FORUMS! (フォーラムへどうぞ!)
我々がこのブログを起こし今後の計画を皆に公開したのは,このことに関する皆の考えを(どんな瑣末なことでも)直に聞かせて欲しいからです.取り分け,この新しい提案でサポートされなくなるグラフィックカードをお持ちの方の意見を聞きたいと願っています.自分のお持ちのグラフィックカードがどの ShaderModel(PixelShader)バージョンをサポートしているのかは,誰でも
Wikipediaの表 (http://en.wikipedia.org/wiki/Pixel_shader) から知ることができます.また,最も確実な方法として,グラフィックカードの製造メーカの Webサイトからご自分のカードの諸元表を調べることでも分かります.
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以上.
(なお,この記事に関するフォーラムスレッドは こちら .)
CCPがこれだけ「考え中の計画のご意見募集」であることを強調しているにも関わらず,フォーラムの反応の中には例によって「CCP死ね」とか「もう課金辞ーめた」とかも.全く気が早いんだから...
全体的には「Step 1は良いと思うけど,Step 2はサブにしてるノートPCじゃ動かなくなるから困るなー」みたいな意見が多いみたい.
中には「俺の Vooboo 3じゃ動かなくなっちまうよ!」とか言ってる人も.むしろまだ現役なのがすごいような.他にも「ゲームのために PCを買い替えるなんてうちの女房がウンって言うはず無いよ!CCPは説得しに来てよ!」とか...その辺りの事情はどこでも一緒らしい.